16、差し歯
門を潜り庭を抜け玄関を開け螺旋階段二階奥の部屋ドアを開ける。水晶球の向こう側、長い黒髪の女が机に突っ伏している。
「おい、起きろ」
「ん?」
「ん?じゃねーだろ!起きろ!コラ!」
「あ!あなた、」
「碧海を何処にやった?」
「さぁ?除霊しただけで、行き先まではちょっとー???」
「探せ」
「ハァ?」
「その水晶球何のためにあるんだよ!」
「え?これは、荒稼ぎの・・・ゴホン!占う為よ!」
「占え」
「やな感じ!占っても良いけどねー、高いわよ!このケースなら、八万ね!」
「おう、占え!」
「え?いいの?八万?」…イエス!差し歯代ゲットか?…
「早よ占え!」
「精一杯占わさせて頂きますね。では早速」…キャー!差し歯代!ゲットー!ヤッタァ!…
「ムムム、ムムムムムム、ムムムムムム!ムン!ポン!出た!」
水晶球に映し出されたのは、ん?んん?これは?
「ほうほう、この女の霊魂、渡り歩いてるわね」
「どういうこった?」
「ほほう、」
「どした?」
「まぁ、暫くは忘れることね。あなたはあなたのやるべき事を、やればいい。頑張って」
「どういう事だよ!」
「そのうち、分かるわ」
「・・・」
「忘れないでね・・・約束。・・・・・・八万円」
「今はこれしかねーんだ、そのうち払う」
ジャラジャラ、ジャラジャラ。
「一、二、七、十、はい。千二百三十円」
古ぼけた洋館に女の叫び声が響いた。
「差し歯ーーーーー!!!」




