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十字架のネックレス
彼の物であろうもう一つの私物
それは彼が夢の中でつけていた十字架のネックレスだった
ソラと確かに出会っている
そう思いたい主人公だが目の前にソラはいない
頭の中は彼のことでいっぱいになり
呆然と立ち尽くすのだった
『僕の事、絶対忘れないでね』
彼の最後の言葉が書かれた紙切れを抱きしめる
「ソラ…」
そしてもう一つ机の上に置かれている彼の私物
それは…
夢の中で彼が首につけていたネックレスだ
陽の光に当てられてキラリと
十字架のネックレスが光る
渦巻く感情とは裏腹にあたしはソラへの思いが募るばかりで
呆然と立ち尽くす
すると現実に引き戻すかのように
1階からあたしを呼ぶ母の声が聞こえたてきた
「ハルーーー!!起きてるのーー?」
「学校遅れるわよーーー!!」
そう、あたしの名前は『ハル』
「あ…そうだ…学校行かなきゃ…」
呆然と立ち尽くしていたその足で
フラフラとあたしは学校へ行く準備をした
頭の中はソラの事でいっぱいのままーー…