妹が露出狂だと言う事実 final
そこそこの期間、短編形式で続けてきた妹露出シリーズ。
6作目にしていよいよクライマックスです。
相変わらず下品で汚い作目ですが、最後まで宜しくお願い致します!
「どうしてっ!? どうしてダメなの…どうして…」
彼女は俯き、身体を小刻みに震わせ、嗚咽を漏らし…大粒の涙をその両眼からポロポロと零しながら、今にも消えてしまうかのようなか細さを纏った声で、俺に問い掛ける。
「…それが現実だ。受け止めろ」
俺は…目の前で啜り泣く彼女…俺の妹に対し、冷徹なまでの淡白な態度で答えた。
「私っ…私は、ただ…自由になりたいだけなのに…どうして、どうして私は自由になれないの?」
その眼は真っ赤に充血していて、それでもなお涙はひたすらに零れ落ちていて。
妹は、必死に俺に訴えかけていた。
「自由になりたい…だけなのに。私は…」
「…ダメだ。今ここでお前に自由を与える訳にはいかない」
「自由になりたいよ…お兄ちゃん」
「…お前には、そんな自由なんていらない」
「…どうしてよ、どうしてなのよお兄ちゃん!」
「捕まるから」
「お兄ちゃんに私の自由を拒む権利なんてないっ! 私は、自由を掴む!」
そして着ていた衣服を脱ぎ出す妹。
「や、やめろお前っ!? こっから数百メートルの所には交番あんだぞ!!? バカかお前死にたいのかっ!!?」
まるで…戦地に残してきた家族が心配で、せっかく安全な内地勤務が決まったのに再び戦場へと戻る兵士を必死に止めようとしている衛生兵みたいな感じになって妹を止める俺。例えが長すぎた。
「お兄ちゃん…私、もう限界だよ…」
妹は、泣きながら笑っていた。
まるで、壊れてしまった人形のように。
「私、もう2週間もお外で脱ぎ脱ぎしてないんだよ…アイデンティティが、私のアイデンティティが死にかけてるんだよ…辛いよ」
「奈菜…お前…」
「だから、ね。私…もう脱がなきゃ」
「もう行かなきゃ、みたいに言うなよ…」
これは妹の露出癖の改善に勤しむ、悲しい兄貴のお話だ。
全てはフリーダム、自由だの解放だのと言葉上はそれっぽくとも、決して許されぬ秩序の中に縛られなくてはならない妹の性。
かつてお巡りさんに補導され、家庭内裁判を引き起こし、弾糾の末の家出。
あの後の話。
結論から言ってしまえば、親父に引っ叩かれて全ての家出計画は無に帰した。
「私ね…この家を出て行く事にしたの。だから、お兄ちゃん…
一緒に…来て!」
「えっ…?」
と、まぁ前回のラストの会話。
の、直後、
「何バカ言ってんだ!!!」
パシィィンっと。
家の中より現れ、妹の背後より盛大な平手打ちを彼女の側頭部へと放った親父。
「いたいっ!!」
不意打ちの衝撃により、頭を押さえその場にしゃがみ込む妹。ちなみに全裸で。さらにちなみに家の玄関で。さらにさらにちなみに玄関の扉はオープン状態。
扉の外にいた俺と古池くんは固まり、言葉すら出ず、唖然とその状況を見ていた。
「俺と古池くんは固まり、ってアレですかね? 全裸の奈菜さん見たから主に下が固まりって解釈で大丈夫ですかねお義兄さん?」
とりあえず古池くんを滅殺し、親父の太っとい腕を首に回され家の中へと引きづり込まれて行く妹を追い、俺も家の中へと入ったのだった。
結論として、棚橋家庭裁判所より被告棚橋奈菜には学校以外の外出禁止令が出された。
しかも学校への登下校には親父が付きそうという(会社には遅刻してまでも登校には付きそい、下校には会社を中抜けして来るそうな)
かなりの執念を感じる親父執行官の行為だが、まぁ実の娘がアレであれば、そうなる気持ちも分からんではなく。
「軟禁…いや監禁だよ! コレは露出よりも重罪な犯行だよ! お巡りさん呼ぼうよ!」
と、昨日まで目の敵にしていた国家権力に対し180度態度を翻し、まさに縋るかのような態度を見せた露出癖のある犯罪者。
しかし世の中、国家権力は親父に見方する。
結果、最後に親父がもう一発妹の頬に平手打ちを決め、それを食らった妹はその後何も発さなくなり。
そこから暫く…具体的に言えば2週間程は何事も無く、平和に時は流れたのだった。
か、判決が出てから2週間後に当たる今日。
学校以外の外出禁止令を無視して、妹は家から脱走したのだった。
で。
「げっ!!?」
「げっ!!? じゃねぇよ何脱走してんだよ犯罪者」
夜。
親父やお袋が寝静まった深夜2時。
家の二階にある妹の自室。
から窓を開け、屋根に降り、そのまま家に沿う形で立ってる物置小屋の屋根に飛び移り、そこから家の周りを囲む塀を伝って地面へと降り立った奈菜。
を、たまたま目撃した夜勤バイト帰りの俺。
「何でお兄ちゃんが…だって今日バイト6時まででしょ? 朝帰りのバスでしょ? 朝帰り、朝帰り!」
「そんな朝帰りを強調せんでも」
いやまぁ朝帰り…彼女とか出来たらしてみたいけどさ。じゃなくて。
「デジャビュだよ…デジャビュを感じるよ…」
「あぁ…まぁその通り、今日も早上がりしたんだよ。で、こうして偶然にも脱走犯を捕縛した然りだ。お手柄」
「そんな…」
なにぶん咄嗟の脱走だった故か、妹は可愛いピンクのパジャマにベランダ用のサンダルというスタイル。
夜中に外で服着た妹を見るのは…中々に新鮮だ。
新鮮であってはいけないんだけど。
「まぁ何企んでたかは知らんが、俺の目撃によりこれで脱獄は失敗になった訳だ。大人しく家の中へ戻れ」
「待って! お兄ちゃんもお父さんの味方するの!!?」
マジかよ…みたいに呆然となる妹。
「むしろ何で俺がお前の味方すると思ってたんだよ!」
「だって前に外で服無くなっちゃった私を助けてくれたじゃん! で、そのまま熱出しちゃった裸の私をおぶってくれたじゃん! その時背中に当たった妹の生乳の感覚に愉悦を覚えていたじゃん!」
こいつ…ある事ない事…
「おぉ…お前、そんなにお巡りさんを呼んで欲しいのか、分かった分かった。今すぐ呼んでやるから大人しく待ってな」
「残念! 今の私は服着てますから、捕まりませーんよっ! 呼ぶなら呼べば? イタズラ電話とみなされてお兄ちゃんが捕まるよ?」
「残念! こんな夜更けに女子高生が1人で外にいたら補導対象です、交番連れてかれます、家に電話いきます、親父は果たして」
「やめてぇ!」
全くもって俺の勝ち。
我が妹ながら本当バカというか。
あわわわわ…と1人慌てふためく妹。
俺はポケットから家の鍵を取り出し、自宅へ入ろうとする。
「ってかお前もさっさと家入れ。親父起こさないよう、静かにな」
「待ってお兄ちゃん!」
と。
家に入ろうとする俺を何故か引き止めた妹。
「お願いがあるの…」
と、中々に辛辣な顔をして。
「多分今を逃せば私は暫く学校以外の外出が出来なくなるの…お父さんの監視はまだまだ続くっぽいし、隙をつけた今しかないの」
「だからって何だよ」
「お願い。最後の自由外出として、コンビニに行きたい」
「…は?」
「で、私1人だと間違いなく補導されるから、保護者としてお兄ちゃんついて来て」
「え、普通に嫌なんだけど?」
で、深夜のコンビニへと買い物に出掛けた俺達棚橋兄妹。
「学校以外外出禁止って、コンビニとかもダメなのか…」
「ヒドいでしょ! 鬼でしょ? コンビニや薬局や服買いに行くのもダメなんだよ! ヒドいでしょ!?」
「…お前の前科を考えるとアレだが、女子がドラッグストア行けないのはキツい…よな」
男子たる俺でも若干察するアレ。
「もうこんな事なら家にいる間、ずっと素っ裸でいてやろうかな…ぐすん」
「それはかえって逆効果な気がするぞ…」
と、まぁ脱獄犯の脱獄に時間限定ながら協力し。
近所のコンビニへとやってきた。
で、普通に本読んだり、新商品のお菓子見たり、夜食にパン買ったり。
ここまでは普通に、特にこれと言って語ることも無く、無事に買い物を済ませ、やる気のない店員のあざーしたーっていう挨拶を背に外へ。
…外へ。
…外へ、出て帰路についたのだった。
…全てはここからが問題だった。
「…ねぇお兄ちゃん」
「なんだ妹よ」
「…脱ぎたい」
「…は?」
コンビニを後にし、帰路につく俺達。
コンビニからウチまで距離にして500mあるかないか。
ウチからコンビニまで曲がり角は1回しかないくらいに近い。
ので、普通に歩けばすぐ家に着くのだが。
「なんか…夜の町を歩いてたら…ムラムラしてきちゃった」
「それはダメだ、こうしてコンビニへは付き合ったが、それはダメだ容認出来ない」
えへへっ、とわざとらしさ満載の可愛い笑みでこっちを見てくる紅潮した妹。
と、一気に背中に冷や汗をかきだす兄の図。
嫌な…嫌な気がする…
「大丈夫大丈夫、一瞬だけ、一瞬だけだから。パッと脱いでちょっと歩いてすぐ終わり。すぐ着る、大丈夫」
「大丈夫じゃねーよ! お前1回捕まってるんだからな? しかもここ近くに交番あんだぞ死ぬぞ!!?」
事実、家までに曲がり角が1つあると言ったが、そこを家とは反対方向に曲がれば直ぐの場所に白黒ハウスがこんばんは。
「もうあんなヘマはしないよ!」
高らかに胸を張る妹。
「万が一見つかったら、この人を強姦されそうになってました助けて下さいって言うし」
と、なぜか俺を指差し言う妹。
「おいてめぇふざけるな! ダメ、それ絶対にダメだ! 普通にヒドい!」
自分では言いたくないが、今までの恩を何だと思っているんだ!
「だってもう私2週間も外で脱いでないんだよ? 溜まってるんだよ、いろいろ?」
「しらねぇよ! そんなの他で何とかしろよ!」
「大丈夫だって、一瞬だから」
と、言って。
一瞬。一瞬で可愛いピンクのパジャマのズボンの淵に手を掛け、ストンっとそれを下へと下ろした奈菜。
「ちょっ!!?」
俺はそれを止める間もなく。
しかも、あろうことか。
「うぉぅ…この、きゅんって感じ、背徳感より懐かしさの方がデカい…興奮ってよりかは、安心感?」
露わになった妹の下。
夜風は彼女の股の下を抜け、その目前にいる俺へと流れ当たる。
何でどうして、妹はノーパンだった。
直に露呈し夜風に当たり、ぶるっと一瞬身震いした妹。
「…この感じ。えへへ」
と、そこからも一瞬で。
足元に落ちたズボンをサンダルと一緒に完全に脱ぎ捨て、上のパジャマもガバッと一瞬で脱いで(しかもノーブラだし!?)、そこには産まれたままの姿になった妹。
月の明かりに照らされて。
青く黒く広がる夜空、散りばめられた宝石のような星々。
少し涼しさを感じる夜風に、しっとりとした夜の独特の空気。
静寂が支配する、夜中の世界。
妹はそっと素足となった両脚を少し広げ、両手を伸ばし、
その曲線を描く胸を張り、大きく深呼吸。
「…これが人間の本来の姿だと、私は思うんだけどな」
ポツリ、と彼女は呟いた。
ってか、
「バカかバカだなバカですねバカ! 早く服着ろ!」
俺は急いで地面に散らばる妹の衣服を拾い集める。
「本当バカだ、1回捕まってるってのに、もうバカバカ早く、早く服をっ!」
「大丈夫だよ」
「大丈夫じゃねーよ!!」
焦る俺の目前に、スッと妹は手を出した。
「本当学習してないな痴女! 何回も何回もこんな犯罪だぞ!」
「大丈夫…これで最後にするから」
「だから大丈夫なんかじゃ…えっ? 最後? いや最後も何もダメだから」
「えっ! そういう流れになる!!?」
すっぽんぽんの妹は何の流れを期待したのか。
「本当に最後にするからっ! 私だって分かってるもん、外で脱ぐのはおかしなことだし、警察の時だってビックリするくらい怒られたし」
「分かってるならやるなよ!」
「でもしょうがないじゃん! 何か…これが気持ちいいんだもんっ!」
「でもダメだ早く服着ろ」
「えっだから話の流れそっち…」
「本当にこれで露出は最後。…もうお父さんのあんな顔見たくないし」
と、分かってるなら脱ぐなよ…と散々説法を説いたが効かず、妹曰く人生最後の露出…これも妹曰く5分だけ…が強行的に行われ始めていた。
いやだから最後も5分も何もダメなんだけど。
「とりあえずお外ってことで、まぁ…最後だし弄っとこ」
と、すっぽんぽんの妹は家と廃ビルの隙間、猫くらいしか通らないような、建物の間へと入っていった。
「何なんだ…何なんだこの展開…」
俺は妹のパジャマを手に呆然と立ち尽くすのみ。
今お巡りさん来たら多分俺も危ない。
妹は人1人通れるかの家と廃ビルの隙間を進み、エアコンか何かの室外機の陰に隠れ座り。
こっからだと室外機の陰にすっぽり隠れ、座った妹の姿は見えず、唯一投げ出された足先だけが室外機の陰からちょこっと出て見える。
なんか…もじもじとつま先どうしを擦り合わせるかのような動きをしてて…そっから俺はそっちを見るのをやめた。
「……はぁ」
かれこれこれで4回目。
お外で妹の裸を見るのが。
4回…この数字。ヤバいだろ。
俺は溜め息をつきつつ、手に持つ妹のパジャマへ目をやった。
…本当に、これで最後にしてくれるのか?
あの妹が露出の自粛を匂わせるような発言をするのは地味に初。
「…うーん」
パジャマを持つ俺の手。
右手には脱ぎたての妹のパジャマのズボン。
さっきまでノーパンで、直履きしていたパジャマのズボン。
「……」
俺はもう一度だけ、狭い建物の間の路地の方へ視線を向けた。
室外機の陰からはみ出して見える、つま先に力の入ってる妹の足。
ぐっとつま先だけ地面に着け踵を上げ、何か大きな衝撃に対し踏ん張っているかのような。
「……」
俺はそっと目を伏せた。
「心残りはバリバリあるけど、もうお外で脱ぎ脱ぎはしない」
あれから数分後、奈菜は路地から戻ってくるな否や、俺に対してきっぱりとこう言い放った。
…今晩は晴天のハズなのだが、妹の身体は何故かびっしょり(主に下半身)
しかしそれを拭くこともせず、俺が手に持っていたパジャマを手に取ると、
なんと、
なんとっ!
自らそれを着たのだ!!
「なっ…お前…っ!? 今なんて…」
俺の声は震えていた。
何故だ…震えるような、特別なシチュエーションではないのに。
お外ですっぽんぽんだった妹がただ服を着ただけ、
なのに、なのに…
何故俺は…
「…ゴメンねお兄ちゃん。今までいっぱい迷惑かけちゃって。もう私…大丈夫だから」
申し訳なさそうな、くしゃっとした笑みを浮かべて…妹は言った。
「もうお父さんの為にも、お兄ちゃんの為にも、そして…私の為にも、お外で脱ぎ脱ぎはしないよ!」
「な、奈菜っ!」
成長。
まさに、これこそ成長と呼べるべき人間の心の変化、進化。
俺はあまりの衝撃にフリーズしかけた脳を何とか稼働させ、ギリギリの理性を取り繕う。
「…ほ、本当にか? お前、もう露出はしないのか?」
「うん。外ではもう脱がない」
「あ、あまりに突然過ぎてビックリしちゃったんだけど、信じて良いのかその発言?」
「うん!」
「あ、ああぁ…神よ…」
気が付けば天に祈りを捧げている俺がいた。
「本当に…今までゴメンね。そしてありがとね、お兄ちゃん。私、もう…」
パジャマを着た奈菜。
俺は、衝撃で緩みきった顔で、頑張って何とか笑顔を作った。
強張った、不恰好な笑み。
そんな俺を見て、奈菜は苦笑を浮かべつつ。
「お外で脱ぎ脱ぎはアレで最後。私は決めたんだ…お父さんの涙を見て、これじゃいけないって。私のせいでみんな苦しんでるのを見て、私…変わらなきゃって」
「ああ…」
「私ね…変わるよ。真っ当な生き方をしてみせるよ」
「ああ…」
「だからね、お兄ちゃん…
本当に、今までありがとうね!」
100%の笑顔で、奈菜は言った。
それから。
俺はバイト帰りに露出狂と出会う事が無くなった。
街に、平和が戻ったのだ。
夜2時、バイトを早上がりして帰路に着く。
人の気のない路地を通っても、偽りの自由の申し子とは出会わない。
自称サンタクロースの痴女さんとも出会わない。
歩く18禁とも出会わない。
平穏無事な毎日。
家に帰れば、いつも妹はそこにいた。
夜中に外出する事の無くなった妹。
たまーに夜更かししてテレビを観ている時もあるが、基本は自室のベッドの中で寝息を立てている。
前のような、夜中に反省会をする事もなくなり。
…人間は変われる。
それを今、目の当たりにしているような。
「…全く」
補導され、親父に泣かれ。
やっと改心した我が妹。
今日もバイト終わりの夜2時に帰宅して。
そっと妹の部屋の扉を開ける。
そこには、パジャマを着てぐっすりと眠る妹の姿。
あれ以来、両親が家にいない時でも服を脱がず、普通に人間文化の生活を送っている。
「…よかったよ、本当に」
俺はそっと部屋の扉を閉め、自室へ。
そしてしばらくは机に向かい、大学の課題を。
「…小腹空いたな。コンビニでも行くか」
時計は夜の3時半。
課題もひと段落し、小腹が空いたので近所のコンビニへ買い物へと向かう事にする。
もう露出狂のいない町。
俺は安心して外へと…
30分前。棚橋家の妹の部屋。
「お兄ちゃんのバイトは基本朝6時終わり、早上がりだと1時か2時、稀にイレギュラーで0時」
部屋の主…棚橋奈菜はベッドから起き上がり、そっと静かに服を脱ぎだしていた。
「逆を言えば、2時に帰宅しなければ6時までは帰って来ないし、2時までに帰宅してればそれ以降は安全ってこと」
兄のバイトのシフト事情を熟知している妹。
彼女は身に付けていた全ての衣服を脱ぎ、生まれたままの姿になると、そっと自室の窓を開ける。
「私は確かに言った…もうお外では脱ぎ脱ぎしないと。 そう、お外では脱ぎ脱ぎしない…つまり外では脱がないのであって、家の中では脱ぐ。
更には別に外を裸で出歩かない、とはひと言も言ってない!」
あくまで外で衣類を脱ぐ、と言う行為をしないだけの話。
「今日もまた…夜風が呼んでいる。私の下をキュンキュンのしっとりにさせてくれる、新感覚が待っている!」
部屋の空いた窓から彼女は外へ。
夜風に当たり、火照る身体、湿る身体。
「ゴメンねお兄ちゃん…でも、こんな快楽…私止められないよ。最高に気持ち良いし…私はやっぱり、裸が好きっ」
彼女は紅潮する顔で柔らかな笑みを浮かべると、満月の下を悠々と闊歩するのであった。
…たった今、彼女の兄がコンビニへ向かい家を出ようとしている事など知るよしも無く。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!
人は自らの意思で成長出来る人、他人の手助けを得て成長出来る人、何しても成長出来ない人…人の数だけ成長具合も様々ある訳で。
全く成長出来てない人の成長出来ない様を今回は書いたつもりです。
人間の理性も、こと欲が絡めば逆らえぬ本能にも似た意識へと変わり、それがまぁ人間の成長の妨げになるなる。
我慢が全て成長に繋がる、とまでは思いませんが、
やりたい事を我慢しなければならない時に、無理矢理にでも我慢する事が出来れば、きっとそれは高レベルの成長に繋がる1つの経験値になるのでしょうね。
妹ちゃんもいつかは立派に成長して欲しいな…
活動報告にも書きますが(これから書く予定)、露出妹の今までの短編をまとめた連載形式版を近々掲載予定だったりしてます。
初期作には若干の加筆と修正を加える予定です。
一気読みに適した、そちらも是非宜しくお願い致します!