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第13話

混合魔法ユニゾンとは魔法と魔法を合わせる高度な技術なのだ。


其れも当然だ、一つの既に確立した魔法を合わせるのだ、下手をすれば何らかの拍子で魔法が暴走し爆発という事もありえるのだ。


そんな高度な技術を駆使する事が出来る彼女 クレア・アリエナールは比較的優秀な魔法使いと言えるだろうが…彼女が『万能の姫騎士』と言われているには矢張り理由がある。


彼女は騎士だが、凡ゆる魔法其れも高度な技術で扱えるのだ、そして彼女独自の魔法や魔法を併用しての戦闘も出来るのだ、当然と騎士と言う謂わば歩兵より万能の戦士を彼女は更にその万能の戦士を昇華させたのだ。




身体強化魔法により強化され加速した脚力と、五大魔法最速の雷魔法の混合魔法は今の様な状況では最適と言える。


強化された脚力で駆けるクレアの目には地面に深々と突き刺さったクレイモアと、地に伏せている敵偽装歩兵部隊17名が写る。


何名かは死んではいるが…他の歩兵は見ただけでも死んではいなく、うずくまり悶絶してるのが大半だった。


恐らくは自分達を助けてくれた恩人達による物だろう、恐らく魔法による一掃射で片を付けたのだろう。











《ドウスル?コノママダト、エロエロナジョウキョウニナルゾ》


残念だがねもうなってるよ、いや未だ処女は散ってはいないけど…と言うかこの猿何時まで人の胸触ってんだよ鼻息荒いし、着てたコートを引き裂くし。


《サテハオメェ、ドウテイダナ?》


どどどど童貞ちゃうわ


《ヨユウ、カマシテルジョウキョウカ?イチオウピンチダゾ?》


こんな状況だから冗談を言うのさ、其れにこの程度ピンチのピの字もないさ……ほら騎士様の到着だ、さぁ俺らも反撃するぞ。


《コンテニューノジカンダナ》


のし掛かり胸を触る猿を尻目に此方に大凡人間が鎧を着た人間が出せない筈の速度で此方に迫る女騎士を確認した後、熱心に俺の胸…大体Cカップを揉む猿に語り掛ける。


「なぁ猿」


「あっ?」


先程まで喘ぎ声一つも出さなかった俺が声を掛けた事に驚きニヤニヤと気持悪い笑みを浮かべながら此方を見る。


因みにだが、この猿自体はまぁ悪くはない顔立ちはしてはいるが…まぁ生理的に受け付けない笑みが気持悪いんだ。


「おっ漸くその気になってきたか?」


「いいや、お前下手くそ過ぎて感じれないわ。後もうちょっと丁寧に女を扱いな」


《コレダカラドウテイワ》


ポカンとした間抜け顔を晒す此奴の腹に銃を突き付ける。


銃の名前はレミントン・ダブル・デリンジャー


デリンジャーとは手の平サイズの小型拳銃でその種類はいくつかあるが、いずれも大きさは手の平サイズでありポケットにも収まる。


1865年4月14日リンカーン大統領暗殺事件に使われた拳銃はヘンリー・デリンジャーと言う人物が製作したもので、デリンジャー或いはメーカーの所在地から『フィラデルフィア・デリンジャー』と呼ばれるようになった、パーカッション単発銃である。以後、デリンジャーという名前は小型拳銃の代名詞となる。人差し指で銃身を支え、中指で引き金を引くという独特の射撃方法を行う。しかし、この銃のトリガープルは10kg以上といわれており、非力な者は引き金を引くことすらできないという、ある意味において厄介な物である。


今俺は利き手が潰されている、そんな状態でトリガープルが10kg以上ある引き金を引くのは中々に難しい、そして俺の身体は男よりも非力な女なのだ、普通なら片手で引き鉄を弾ける訳がない…が、クレイモアを軽々と投げる事が出来るこの身体でも引く事が出来る。


BAN!


乾いた銃声が響き腹からは猿の血が流れる


「ギャァ⁉︎」


そして猿が悲鳴をあげながら、身体を仰け反る、更に先程の女騎士が到着し、のし掛かりながら仰け反る猿の頭を掴み其の儘持ち上げる、鎧を着ている猿をだ。


ごっゴリラかよ…


《ニンゲンノカワヲカブッタ、ロボットカモナ》


笑えない冗談だ


ゴリラ……女騎士は掴んだ猿を其の儘勢い良く、地面に顔から叩き付ける。


グシャっと言う痛々しい音が響く


「殺したのか?」


「いや、殺してはいない奇絶程度には抑えたさ…此奴は別世界から召喚された『勇者』と言う存在で……失敬、知っている知識だな、其れで勇者は知っての通り国の重要な戦力だ、なら殺すよりも」


「捕虜にした方が良いと?」


「あぁ…まぁ勇者の捕虜は中々難しいが、失礼ながら恩人に意識が向いていたお陰で無力化する事が出来た、其れと私達を助けてくれて感謝する恩人」


そう言いながら、女騎士は俺に頭を下げてくる


《イイオンナダナ》


あぁ、先ず地球では中々見ない赤い髪そして鎧を着ても分かる位に良いプロポーションをしていて綺麗に分類する女性だな。


まぁ…容姿云々より、一般的に誇り高い騎士が助けてはくれたが、素性も分からない人物に頭を下げて来たのだ。


アレだ出来た人間と俺らは褒めた訳だ。


「いや、気にしなくていいさ互いが困っていたら助け合うが普通さ」


あくまでも地球ではな


「其れもそうだな」



「おーい!クレアー!」



少女の声が俺の前方、女騎士の後方から聞こえてきた。


声の正体は比較的大きな馬車だ、恐らくは荷馬車の中からクレア…女騎士の知り合いが乗っているのだろう。


「アレは…『セーナル商会』の馬車か、着いているな」


荷馬車が俺と女騎士の側に止まり御者台から御者が顔を出す。


「話はエルフの嬢ちゃんから聞いたぞ、さぁ乗ると良いあぁ…貰うものは貰ったから誰にも言わないさ、勿論護衛の奴等もな…災難だったな。」


《マッタクダ》


「済まない、世話になるさぁ恩人も」


女騎士に促され俺も荷馬車に乗り込む。


《アシガデキテヨカッタナ》


あぁ、此れで楽に街に行けるな。

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