真相
「えっと…純ちゃん?この手はなに…かな?」
「気安く名前で呼ばないでもらえますか?
気分悪いです
貴方が結衣に酷いことをし続ける限り私は
貴方の事を敵と見なします」
「……今さら謝っても遅いかもしれないけど
結依ちゃん怖い思いさせちゃって
ごめんなさい…副会長ちゃんも
迷惑かけちゃってごめんね」
「……陽太の事はそんな
すぐには許せない…」
「私は貴方からの謝罪なんて
求めてないです
ただどうして結依に酷いことをしたのか
聞きたいだけです」
「…それは__」
小学校高学年
常に笑っていれば人は自然と集まって
来る事を知った
だからいつも笑顔を絶やさないでいよう
聞き分けのいい子でいよう
そしたらお母さんは俺にも笑いかれてくれる
と信じてた
だからお父さんに嫉妬なんてしなかった
だけど俺が信じてた未来は来ない事が
分かって瞬間吹っ切れた
結依ちゃんに俺が目にしたものを
試してみたくなって押し倒したり
首に噛みついたり、結依ちゃんに誰にも
近づかせないように束縛したり、
体に触れたり、シテみたり…
結依ちゃんのいろんな表情を独り占め
したくて
俺を見ててほしくて、側に居てほしくて
いろんな感情が蠢き…
そんな状態をどうにかしたくて一回距離を
置いたのに歯止めが効かなくなって…
「それは大変でしたね
ですがだからと言って結衣に
そんなことしないで下さい…」
「……陽太、どうして話してくれなかったの?
私言ったよね…何か悩んでるなら話し聞くよって…っ
陽太の事まだ怖いけど…
一緒に悩むくらいの事はさせてよ…」
そっと背中に触れる手が震えてる
でも暖かくて心地よくて
彼女を思わず抱き締め返す
「…結衣無理しないでこんな奴放って置けばいいのよ」
「…こんな奴って…まぁそう思われても
しょうがないけどさ
結依ちゃんには沢山迷惑かけちゃったよね…
本当にごめんなさい
結依ちゃんの前には今後現れないようにするね
話し合いとかは副会長に行かせるから心配しないで」
「…待って!これからどうするの?」
「これからは祖父母と暮らす
もしかしたら転校するかもしれない
そうなったら元気でね結依ちゃん」