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二人の秘密  作者: 音無 彌生
5/11

盗聴

「ねぇ、そっちは何かあった?」



初めて会った場所でいつも待ち合わせをしている



「うーん、特にないけど」



「そっか」



二人は男装女装ではなく本来の姿の状態で腰を



かける




























「あれは川井さん?その隣に居るのは誰?」



息を潜め近くへ移動してみる



「春君瑠衣君っていい人だね」



「そうかな?いつも言い合いしてるからなのか



いい人とは思えないんだよね」



「そうなの?なんか意外」



「そうだ彩音とはうまくやってる?」



「うん、うまくやってると思う」



「おぉ、流石!それにしてもどっちも



変わらないよねやってる事とか…」



「うん、まぁねこれじゃあ男装女装する意味



あるのかなって思っちゃうほどだよ」












「男装…?女装…?どういうことなの…」








「じゃあお互い明日も頑張ろ!」



「そうだねまた明日」











「どうしよう気になる…今から追いかければ



間に合うかしら?……いや止めときましょうか



明日会長に相談してみましょう」




























普段どうり教室へ入るなり



「失礼します此処に高崎 凛さんって居ますか?」



「え?生徒会長がどうしてわざわざ?」



「凛ちゃん何かしたのかな?」「さぁ?」



「ねぇ凛なにしたの?生徒会長がクラスに来るなんて



相当な事したんじゃないの?」



「いやなにもしてないんだけど…取り敢えず



行ってくる…」



「あの……凛は私ですが何か用ですか?」



「私は生徒会長の田崎 結衣と申します



貴女に少し聞きたいことがあるのですが



一緒に来てもらえます?」
















「それで単刀直入に言います



あなた女装してまで学校(ここ)にきて何が目的なの?」



「…なに言ってるんですか私が男?だって言いきる証拠は



あったりするんですか?」



「純、例の物を」



「はい、どうぞ」



「……あはは、本当ですね…っ



すいませんでした!」



「それでお聞きしたいのですがどうして女装を?」



「それは…生徒会長さんはご存知ないかも知れませんが



川井 みのりさんにお願いされてしまいまして…」



「川井さんが…ですか



それでそのお願いとはなんですか?」



「それは、俺が女装して女子高へ川井さんが男装して



男子校へ…お互いがお互いの学校へ変装して行こうって…



変ですよね?あはは」



「……まぁ変よね



それでどうしてそんなことしようと思ったの?



何か不満でもあるのかしら?」



「……っ…そ、その自覚ないんですか?」



勇気出していった言葉に怪訝な表情をする彼女に



俺はこう言った



「普通じゃあり得ないんですよ…!あんな女の子同士が…



き、キスとか…



それが彼女は気に入らなくて…だと俺は思います」



「はぁ…そういうことだったの?



なーんだ私はもっと深刻な理由があるんだと思ってた!



でも良かった~そんなことで」



ニコニコ笑う彼女に動揺を隠せない俺



「でも川井さんなんで言ってくれなかったんだろ?



この学校の伝統?みたいな感じだから



言いづらかったとかなのかな~…



とか思っちゃったんだよね」



「あの…俺そろそろ退散して良いですか…?」



「うん!いいよ



でも最後にひとつだけ良い?」



「なんですか?」



「近いうちにあなたと川井さん、二人で生徒室に来てよ



そしたらさっき話した同性愛行為は禁止するよ?



じゃあね()()()()










「こう言うことがあったんだけど



川井さんはどうする?」



学校終わり



初めて会った噴水の近くで近況報告会



「そうだな~…まぁいずれバレると思ってたし



私も一緒に行く」



「でもちょっと残念だな~



この生活ともお別れしちゃうの結構楽しかったし!」



「そう?俺は…もういいかな…」



「そっかー、慣れれば女子同士会話とか



楽しいのになあー」













「お、おいなんで女子が男子校(ここ)に?」



「さぁ…?知らねぇ…」



視線に気づいたのかニコッと微笑むと分かりやすく



表情を変える男子達



「……チョロ」










生徒会



「失礼します」



「…どうしたんだい?田崎さん



僕に何の用かな?」



「ねぇ、お願いがあるんだけど聞いてくれたら



あんたの要求も聞くけど」



「ん?それは別に良いけど僕の彼女になる気に



なったっていう解釈でいいのかな?」



「……私のお願い聞いてくれたらって言ったんだけど?



勝手に話を進めないでくれる?」



「あはは、ごめんね



それで僕にお願いって?」



さっきまで背を向けていた彼が椅子をクルッと回して



近くに寄ってきては抱き締められる



「…もう女子高、男子校で分けなくても



良いんじゃないかなって私は思うの



手始めに文化祭合同でやってみないかっていうのが



私のお願いなんだけど」



「…いいよ、田崎さん



俺からも校長先生に提案してみるね



じゃあ今度は僕のお願い



彼女になって?」



「無理…私には純が居るのっ!純を裏切るような事は



したくないのっ!…それ以外にして」



「そっか…じゃあ一日だけ付き合うのも?駄目?」



「駄目!疑いの種を1つでも作りたくないの



それに私じゃなくてもいいじゃない?あんた顔だけは



いいんだし」



「…俺って顔だけなの?じゃあなんで俺ここに



座ってるんだろ?だから田崎さん、俺は顔も良くて



頭もいいんだよ!」



「…はぁ、もうそれでいいから



と言うか私もう帰っていい?あんた私ができる範囲の



願い事決まったら私の家に来なさい それでいい?」



「え!田崎さんの家!?行ってもいいの?



楽しみにしてるね!」



もう言い返すのも面倒だと思った田崎さんは無言で



生徒会室を後にした









「ふふっ、田崎ちゃんの家行くの久しぶりだなー



おばさん元気かなー?」







「じゃあ明日にする?」



「うーん…明後日…じゃあダメ?



楽しかったのになぁ~あれ」



「…でも俺もちょっと嫌かも…」





「ん?あれって…うちの生徒かな?何の話だろ?」






「なんで? もしかしてさっきはああいったけど



女子トークに興味でたの?」



「…そうじゃなくてこの関係が終わちゃう気がして



そしたらもう会えないのかな…って思ったら



やっぱり嫌だなって」



「そう?別に変わらないじゃないかな?それに



私、春くんともっと仲良くなりたいもん!」



「それって…」





「話は聞かせてもらったよ!



君は女の子だけど男の子になりたい願望?みたい



なのがあるんだな!別に強がらなくてもいいんだぞ!



自分の思うままに居きるんだぞ!じゃあな!」









「誰あの人…」



「俺の高校の生徒会長…」



「え…初めて見た」











「た~ざきちゃん!来たよー!



やっぱりお母さん綺麗だよね」



「…それはどうも で私ができる範囲のお願いは?」



「うんそれはね」



ゆっくり近づいてくる彼に後ずさる田崎ちゃん



後ろは壁で逃げれなくなってしまった



「な、なにしようとしてるの…?」



「そんなに怯えないでよ ねぇ田崎ちゃん目瞑って?」



「質問に答えてよ…じゃなきゃ瞑らない」



「…じゃあ言ったら素直に聞いてくれるの?」



「それは…ものによる…



変な事するようだったら叫ぶから」



「田崎ちゃんにキスしちゃダメ?」



近づいてくる彼の胸板を押すもびくともしない



どうにかしなきゃと頑張ってみるも足が動かない



ぬるぬると彼の右手が服の中に入ってきて下着に



重なる口 離れてはまた重なる 冷たい何かが伝った



私の覆い被さる彼 いつも純としているはずなのに…



怖く感じる まるで見えないものに



縛られているかのようにピクリとも動かない…



ピチャッピチャッと部屋に響いている



「好きだよ結衣ちゃん」


ニコッと笑うけれど私にはその笑顔すら怖い









ごめんなさい純 助けて純 








「結衣ちゃんて胸大きいね!何カップなんだろ?



ってセクハラみたいだよね ごめんね?」



「それにしてもいいなー…確か純ちゃん?だっけ



結衣ちゃんといつでもできていいなぁー」



「……純にはなにもしないで…お願い」



「じゃあまたしてもいい? 



今度は男子校の生徒会室でする?



俺がそっちいってもいいね~どう?」



「…はい」



「…最後にもう一回抱き締めたら帰るね



やっぱり結衣ちゃんは可愛いな~!



結衣ちゃん好きだよ バイバーイ!」















「結衣ちゃん怯えてたな~…そんなとこも可愛いけど



笑った顔の方が好きだな~…俺なりに頑張ろっ!」




















「…純ごめんなさい…っ……ごめん…っなさい…」



自分の体が汚らわしい…



何も出来なかった自分が愚かだ…



明日私はどんな顔をして学校に行けば良いんだろう…



誰かに相談…いや話したくもない気持ち悪い…



頭から離れてくれないあの感触、情景、表情



全てが嫌で逃げ出したいのに…それが出来なくて



誰かに助けを求めたいのに助けを求める事すら出来ない



駄目な私に優しく手を差し伸べたのは純…貴女だけよ




























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