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魔法の世界の精霊使い  作者: 蜻蛉
9/10

episode2-3

 委員会に入った生徒は放課後に集会が開かれるらしいので、1-cの風紀委員2人は本校舎四階にある第二会議室にいた。綺麗な内装に机や椅子が並べられている。この会議室に1年の風紀委員が全員集まっていた。少し待ったくらいで入り口の開く音と一緒に1人入ってきた。その人は髪の毛は金髪、瞳は薄い青をしており両耳にピアス、またネックレスや指輪をしている。一言で言い表すなら『チャラい』という他ならないような人だった。会議室がざわつく中、謎のチャラ男は

 「君たち、一年の風紀委員?」

 「そうですけど、あなたは?」

 「オレ?オレはこの学園の風紀委員長だい!!!!」

 「・・・・・・え?すいませんもう一度お願いします」

 「委員長」

 「何の?」

 「風紀委員」

 逢坂はこの時、1年生の中にある新しい学校の新しい委員会という不安と期待が脆くも崩れていくのが分かった。



 自称風紀委員長は一番奥の席に座ると

 「そーいや、自己紹介がまだだったな!オレ、久遠雅哉くおんまさや!よっろしくーー!!んじゃ、1年もあいさつヨロ!」

 と言われ、一人ずつ挨拶をしていく。一通り終わったところで久遠は

 「よーし!んじぁ早速風紀委員がどんなお仕事をするか教えたいと思いまーす!まず、この八雲学園のような学園と一般の学校の違いは!?」

 久遠は1人の男子生徒をビシッと指さしている。男子生徒はいきなりの事で驚きつつも

 「えっと・・・・・・。魔法があることですか?」

 「そう!魔法があるということはその分危険が普通の学校よりも増加しているっつーことなんですよー。そこで、俺たち風紀委員がそういったことを未然に防いだり、起こったことを解決したりするんだぜ!」

 あのー、と逢坂の隣に座っていた渚がスッと手を挙げていた。

 「ん?どーしたの?質問?」

 「はい。その、起こったことを解決するってどういう事があるんですか?」

 「んー、たまーにあるんだけど口論の延長で魔法を使った喧嘩になったり、いじめがあったりしたときかなー?」

 「それって私たちも行かないといけないんですか?」

 「いや、魔法に自身のない人は無理していく必要はないよ。そんなことで怪我されたら困るし。そういった人は事務的な仕事もたくさんあるから、そっちをしてくださーい。」

 「は、はい。分かりました。」

 そういい渚は安心した表情をしていた。渚の安心した表情を見て、久遠は

 「んじゃ、他に質問ある人ー?」

 「はい」

 と逢坂は手を挙げる。

 「少し失礼な事かもしれませんが、いいですか?」

 「いーぜ!どーんと来い!」

 「では、・・・・・・。その身なりは普通に風紀を乱してませんか?」

 「あー、大丈夫!これはギリッギリセーフなんだよー」

 「いや、アウトでしょ!!」

 「いや、大丈夫!!なぜならオレは風紀委員長だから!!」

 「なんて理不尽な」

 「世の中、大体こんなもんさ」


 

 会議が始まって30分ほどが経った頃、久遠が

 「んじゃ、そろそろ終わりにしようかなー。皆にはまた追って連絡するから。今日は解散で!お疲れ!」

 終わりの言葉が告げられたことで、みんな席を立ち帰り始めた。

 「(俺も帰るか・・・・・・)」

 と荷物を持って出ようとした時、

 「逢坂ー!ちょっと来てー」

 と久遠に呼ばれたので彼の元にいく。

 「なんでしょうか?」

 「逢坂って精霊機持ってんだよね?」

 「えっ、何で知ってるんですか!?」

 「ああ、それは雨宮さんからきいたから」

 「はぁ。あのーそれが一体?」

 「いやー雨宮さんが出来たらお前に精霊機の使い方を教えてくれって言われてさー。ま、オレまあまあ強いし」

 「もしかして久遠さんも精霊機もってるんですか?」

 「いや、ないけど。だから『出来たら』って言われたんでしょ。まあ、そんなこんなだから教えれることは教えようかなーと思ってるわけさ。」

 「なるほど。それじゃ、よろしくお願いします」

 「んじゃ、早速だけどさ、『壁』出してみて」

 「と、言われましても・・・・・・。出し方がわからないです・・・・・・・。」

 「うーーん、そーだなー。自分の体のエネルギーを指輪に集めて、それを形にする感じかな?」

 「(集めて、形に・・・・・・)」

 目を閉じ、左手の指輪に意識を集中させてみる。するとシュン!という音と共にあの『壁』が左手に出ていた。。

 「で、出来た!」

 「よーし、んじゃちょっと魔法撃ってみるから、構えてー」

 と言われ、『壁』で自分を守る体制をとる。久遠は逢坂が防御の姿勢の確認をとり、

 「んじゃ、いくよー」

 と言い、久遠は直径30cm程の氷塊を生み出し、撃ちこんできた。氷塊が『壁』当たるとパリッという音と共に砕けた。が、一緒に『壁』もパキパキッと音を立てて割れてしまった。

 「割れちゃった・・・・・・」

 割れた『壁』の破片から視線を久遠に移すと、久遠はぼーっとしていた

 「・・・・・・久遠さん?」

 呼ぶと、ハッと我に返ったように

 「ああ、ゴメン。ちょっと強く撃ちすぎたわー。まあ、『壁』の出し方はそんな感じだから、覚えといて!今日は以上!」

 「は、はい。ありがとうございました!」

 といい逢坂も会議室を出た。

  


 逢坂と別れた久遠は先ほどの事を思い出していた。

 「(・・・・・・弱すぎる。オレの加減した一撃で壊れるなんて・・・・・・。情報では降ってきた机を防いだとかどうとか・・・・・・。これが意識の有無の差かー。あれじゃ、相当『力』に縛りがかけられてるなー)」

 大変そうだ、と独り言をこぼした。

 

 

 

 

 

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