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魔法の世界の精霊使い  作者: 蜻蛉
6/10

episode1-4

今日は連絡事項を午前中に済ませ、午後は身体検査が行われるらしい。時計は12時30分を指しており、八雲学園は昼休みの時間となっていた。自分の席でチャチャっと食べるか。と思っていると

 「逢坂ー,お前一人かー? 一緒に食べよーぜ」

 と後ろの席の黒髪メガネ、日向が声をかけてきた。

 「いいぜ」

 と言い、逢坂は自作の弁当を広げ、日向は近所のコンビニで買ったであろう品々を取り出した。

 「つーかさ、さっき先生から氷で攻撃されてたけど大丈夫か?」

 「ん?ああ、大丈夫!大丈夫!!あれくらい俺にとってはご褒美だぜ!」

 キリッ!という効果音がつきそうなドヤ顔で変態発言をしているわけだが、

 「(一撃で意識を奪われる攻撃を受けてもまだご褒美か・・・・・・)」

 こいつはある意味すごいのか?と的はずれな事を考えていると、

 「オレも一緒にいっか?」

 という声がしたので、話してきた人を見る。赤い髪の毛にヘアバンド、少し怖そうな雰囲気も漂わせている170㎝ほどの男が立っていた。

 「構わないよ」

 とだけ言うと、ありがとうと言って椅子に座る。

 「一応自己紹介しとっけど、オレは如月刹那きさらぎせつなって言うんだ。よろしく」

 「俺は逢坂煉、こっちは日向廻だ。よろしく」

 「よろしくー如月ー」

 とあいさつを済ませ、飯を食い始める。

 「ああー、今日の身体検査はドキドキもんやなー逢坂」

 と、日向が話を振ってくる。

 「何がなんだ?特に緊張することないんじゃないか?」

 と聞くと、如月が口の中の食べ物を飲み込んでから話に参加してきた。

 「あれじゃね?身体検査っつーと、魔力エアの測定のこっじゃね?」

 「魔力の測定?」

 と聞くと如月は知らないの?といった表情を向けてくる。

 「俺が教えてやるぜ」

 と日向がメガネをくいっとあげるしぐさと共にドヤ顔してきた。

 「魔法学園では定期的に魔法の源となる、魔力の量を計測しているんだ。当然魔力が多いほうが強い魔法が出せたりといいことずくめだ。その自分の魔力を初めて知るのが今日ってわけだ。」

 「へぇー」

 そんなことになってんのかと思っていると、日向はため息交じりに

 「はぁー、俺にファースト並の魔力があればなー」

 といい遠くを見つめだす。

 「えっ」

 といい今度は日向が知らないの?という顔を向ける。今度は如月が

 「俺が説明してやっよ。各地にある魔法学校には、魔力の大きさによって5つに分けられてっのよ。上からワースト、セカンド、サード、フォース、フィフスだな。まっ、ファーストとか滅多にいねーバケモンクラスなんだけどな。」

 「ふーん」

 そんな仕組みがあったとは・・・・・・。と感心する。

 「(俺はどのくらいなんだろうか・・・・・・)」

 俺にもしかしたら秘めた才能があるかも。と胸を弾ませながらご飯を食べた。



 午後、一通りの身体検査を済ませ、残すは魔力測定となった。一人一人個室に呼ばれ、専用の機械でスキャンすることでわかるらしい。

 「次、逢坂さーん?」

 とナースの人に呼ばれ、個室に入る。個室には血圧を測るために使いそう機械と先生、ナースさんがいた。

 「では、そこに座ってください」

 と言われ、椅子に座る。すると、ナースさんが右腕に血圧計で使いそうなものを巻き始める。

 「では、計測します。」

 というと先生はボタンを押すとピッという電子音の後にブゥーーーーンという音が響いた。

 一分ほどすると、音が止まりナースさんが右腕の機械を外す。そして、先生が逢坂に向かって言う。

 「君はフォースだね。おめでとう。」

 フォースか、と少し落ち込んでしまう。

 「ただ、」

 と先生は付け足すように言う。

 「君の魔力のタイプが今まで見たことのない形だから、詳しい結果が出せなかった。また研究が進めば詳しいクラスがわかると思うよ」

 君はクラスに戻ってね、とだけ言われ個室を後にした。



 身体測定が終わって人はプリントに記入が済み次第帰っていいらしく、逢坂は逢坂は帰るため学園を歩いていた。

 「(見たことのない形か・・・・・・)」

 先生に言われた言葉を頭の中で繰り返していた。魔力に珍しいとかあるのだろうか・・・・・・。など考えていると、

 「危ない!!!」

 という声が上から響き、見上げると上から机が落ちてきた。

 「なっ!!??」

 という声は出るものの、突然の事態に体が動かない。机が直撃すればケガはおろか打ちどころが悪ければ死ぬかもしれない。しかし、逃げるための行動がとれずにいる。こうしてる間にも机は彼に迫っている。重力落下により人を殺すレベルのエネルギーを携えて。

 「(当たる!!??)」

 思わず両手で守るような行動をとるがそれでどうにかできるわけもない。そしてその直後


 ガァァァァァァァン!!!!



 という音が鳴り響いた。しかし、この音は彼に机が直撃した音ではなかった。なぜなら、彼の左手の数センチ上に、薄い緑色のバリアのようなものが広がっており彼を守っていた。

 「(なんだ、いまの?)」

 思考がまとまらないまま、命の危機から逃れ、その場に座り込む。

 「今のはいったい?」

 と左腕を見ると、人差し指につけた指輪が薄く輝いていた。





 逢坂が危機にさらされていた場所は校舎沿いの一角だった。その屋上に一人の男が立っていた。身長は170ほど、赤い髪にヘアバンドをした如月刹那が立っていた。彼はポケットから携帯を取り出し、電話を始める。

 「俺だ。あいつが『力』に目覚めた。いや、目覚めさしたといったほうがいっかな?ちょっと荒っぽい方法だけどな」

 『君に頼んだのは監視のはずですが・・・・・・。』

 「分かってっよ。今度から気を付ける。しかし、あいつは『力』の本質にはきずいてねーな。何が起こったかもわかってなさそうだし」

 『ふむ・・・・・・。分かりました。これからも報告お願いします。』

 「りょーかい、学園長さん」

 ピッという電子音とと共に会話が終わる。

 「さて、いつになったら『力』が目を覚ますのか・・・・・・」

 ポツリと独り言をつぶやき、彼は屋上を後にする。

 


 

  

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