episode1-3
本校舎1階、1-cと書かれた部屋を見つける。少しの緊張を覚えながら逢坂は教室の扉を開ける。教室で何人かの生徒がお喋りをしていたり、席に座ってたりしていた。教室はとても現代的で机、椅子、黒板など備品などはとても綺麗な状態だった。黒板に座席の指示が書かれており、その指示通り逢坂は窓際の後ろの方の席に座る。すると隣に座っていた女の子が
「あっ、君が隣の人?」
「ああ、そうだよ。初めましてだね」
返事を返しながら女の子の方を見る。セミロングの少し茶色の髪にきれいで、澄んだ目をした正に可愛い子だった。
「うん。初めまして。私、渚由依て言うんだ。よろしくね!」
「こちらこそ、よろしくね」
「よかったーー、隣がいい人で。怖い人だったらどうしようかと思ってたんだ。」
と言って渚はこっちを見て微笑んでいた。
その顔を見て、逢坂は思わず顔を背けてしまう。
「(だめだ・・・・・・。この子可愛い)」
自分の顔赤くなってないかな?と思っているとチャイムが鳴り、先生が入ってくる。それを察知して席を立っていた生徒が席に座りだす。クラスが静かになると、先生が喋りだした。
「えーー、んじゃホームルーム始めるぞー。私の名前は立花志穂だ、よろしく」
とあいさつをした立花は綺麗な顔立ちをしているがその喋り方が見事にミスマッチしていた。
「じゃー、恒例の自己紹介、言っとくか」
と言い、一人一人の簡単な挨拶が行われた。全員が言い終わったところで立花からの連絡事項が始まった。話を真面目に聞いていると後ろからつんつんっとされ、振り返るとショートの黒髪のメガネ男がいた。メガネの男は逢坂に
「なぁ、お前は先生のことどう思う?」
「どうって・・・・・・。つーか、ゴメン、だれだっけ?」
「おいおい、さっき自己紹介したじゃん!俺は日向廻。覚えとけよ」
と言い、そんなことよりもといった様子で話始める。
「で、先生どう思う?」
「どうって・・・・・・。どう?」
「あの先生、すげーキレイな顔立ちしてるじゃん。多分女先生部門でも高ランクなのではと俺はおもってるぜ。まぁ、胸はAからBくらいかなと俺はおも」
と言い終わる前に日向の額に何かが飛んできて、命中。その攻撃を受けた日向は自分の机に突っ伏す形になっていた。
「おーーとすまん。力を入れすぎた。だが、次はもうちょっと痛いぞ」
立花はそういうとまた連絡事項を言い始めた。クラスの雰囲気は先ほどよりも数倍張りつめていた。逢坂はそっと振り返ってみると日向の机にキラキラした欠片が散らばっており、それは少しすると液体になった。
「(これは、氷・・・・・・?)」
多分先生は氷を飛ばして日向がダウンしたのか、と簡単にまとめる。しかし今の、逢坂にとって人生初の生の魔法の感想は
「(こ、こえーーー。つか、あの先生もちょっとコエーー!選択ミスったらああなるのか・・・・・・)」
彼はいい犠牲になってくれた、と一人で話をまとめる。
「(でも、あんな馬鹿が一人いても楽しいかな。これから楽しい学園生活だといいな・・・・・・)」
と一人話をまとめ、立花の話に集中しなおした。