序章1-1
この俺こと逢坂煉はごく普通な毎日を送っていた。これからもそんな平凡な毎日が続いて、そしていつか人生が終わるんだろうと思っていた。
そうした2013年の3月、中学校を卒業し、通いなれた通学路を歩くこと約10分、彼の住む6階建てのマンションに辿りつく。今はここの501号室が彼の家だ。
家に着いたらなにしよーなど考えながらマンションへ歩みを進めていく時、見慣れない黒塗りの高級車が止めてあるのが目に映った。
どこかのお偉いさんでも来たのか?とテキトーに考えつつエレベーターに乗り5階へのボタンを押した。
5階に着き、エレベーターから最も離れた501号室に向かおうとすると、自分の部屋の前にスーツを着た男性が立っていた。
「(誰だこの人・・・・・・?)」
どっかのセールスマンか?など思いつつ訝しげな眼で見ていると、視線を感じたのかスーツの男がこちらにきずき、
「やあ。君が逢坂煉くんだね?」
男は柔和な笑顔を向けながら訪ねてきた。
「そうですが・・・・・・。そういうあなたは?」
「ああ、済まないね。私の名前は雨宮洋介。第3魔法学園である八雲学園の学園長だよ。」
魔法学園――――それは魔法を使えるもの、またはその才能のある人材を集め、優秀な魔法使いを育成する学園である。優秀な魔法使いは地位や名誉の確立、そして世界で需要があるため職に困ることはなく、もちろん給料の方も申し分なしとくる。子供たちや学生にアンケートをとれば必ず上位に食い込んでくるといっても過言ではないほどだ。日本には10の魔法学園があり、その創設された順番で数字が割り振られており、どこも毎年倍率が20~30倍は当たり前という物凄く狭き門なのである。
そんな選ばれしものの学園の学園長様がなぜこの家に来たのか・・・・・・。
その答えは・・・・・・。
「(わ、わかんねーーーー!!! なんだこの展開は!!! ドッキリか!ドッキリなんだろ!?)」
など一人で悩んでいると、部屋に入り一度ゴホンッと咳払いをしたところで
「では、早速だが本題に入らして貰うよ。」
「は、はい・・・・・・。」
「逢坂煉君。 君を八雲学園に招待しに来たんだよ」
「・・・・はい?」