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十五日目

私は夕方に起きた。最近起きられない。突然目眩がした。え?と思った時には既に意識は無くなりかけていた。


****************************


翼はそこに倒れていた。人は皆、私のことを完璧超人扱いするが、それは違う。私はただ勉強と運動に長けているだけの人間だ。


私は翼をここまで傷つけた人間を許せない。やはり私は完璧超人なんかじゃない。少し嬉しくなった。だって完璧超人だったら感情を持っているはずがない。感情は人を脆くさせる。


では、感情を持ってなかったら完璧超人になってしまうのか?


それはない。感情を持たない人間に優しさはない。優しくない人間など完璧超人ではない。


何が完璧なの?私の問いかけに答える人はいない。


翼は目をパチクリしながらゆっくり立ち上がった。


しかし、何かに蹴られ一瞬にして倒れていった。


蹴ったそいつは座り込んでしまった。


そいつは数美だった。


「また、やっちゃったの?」


私の問いかけに力なく首を縦に振った。


「私、怖いの。」


「怖い?」


「また、あんな事をしてしまったら―――」

「大丈夫。私はいつも数美の味方だから。」

「私は、殺人犯になるかもしれないの。それでもあなたは?」


「うん。もうあんな事、誰にもさせない。大丈夫。全部あいつが悪いんだから。」


「私は、普通の人に戻れるかな?」


「何とかなるよ。ちょっと行ってくるね。」


私は翼を抱えてナースコールをした。しかし、一向に看護師の姿が見えない。私は学校で習った応急処置をとろうとした。けれども、焦って手が動かない。


私は完璧超人なんかじゃない。改めてわかった。


翼はシンジャウ。どこか遠いところに行ってしまう


やめてイカナイデ。シナナイデ。


私は意識を失った。




目がさめた。由似が涙目で座ってた。


「翼は?」


「ICUよ。このままだと―――」


と由似は涙をこぼし、


「シンジャウッテ。」


私は翼と死が結びつかなかった。シンジャウッテ。シンジャウって。シんじゃうって。


死んじゃうって。


嫌だ。


「嫌だ!逝かないで!!死なないで!!!」


「大丈夫だよ。」


「優しいね。由似って。」


私がそう言うと、突然立ち上がって、


「い、いや、私は、別に沙耶の事を可哀想だとか思ってないし、守ってあげようとも思ってないんだからねっ!!」


「よしよし。ありがとう。」


「何かあったの?」


あいつが来た。数美がああなったのはこいつのせい。由似の父親をはめたのもこいつ。


ほんとは殴ってやりたい。でも、へりくだって頼むしか二人を守れない。


「数美と由似に手を出さないでください。お願いします!!」


土下座で頼んだ。


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