通り、雨
詩みたいな感じ?ですが、詩?ではない、と思ってください(笑
雲が空を覆い隠す
それは雨の合図。私はただ一人、待ち合わせをするわけでもなく道路に佇む
傘を持っていない通行人が足早に去っていく
あの日一度だけあったあの人を今か今かと待ちながら、待っている自分がいる
頬、いや、顔に堕ちる雨は冷たく、それは私にはあの人は来ないと言っているようなものに聞こえた
それでも私は淡く期待を沿えながら道路に佇む
店のショウィンドウに映った姿はあまりにも情けなく
その姿を自分であざけわらうように口角をあげれば
自分が皮肉めいたように見えた
あまりにも雨は優しく、鋭く
私の心を包み込み
あのコトを忘れろと言うかのように
全て流していく
今日も雨は冷たい
私は
何も見えない空を見上げた
そこには薄暗い、灰色の重苦しい雲が見えた
雨は止む気配をみせない
私は馬鹿馬鹿しいと思いながら雨がやんだら会えるかなどと言うことを考え、また空を見上げた
いつ帰ろうか
いつまでここにいようか
鞄から携帯をとりだしヘッドホンをつけて軽快なリズムを流す
携帯が濡れても気にせず
私はこの、通行人もいない道路で一人佇み
ずっとあの人を待っている
少し雨の音が雑音となって携帯からながれる音楽をかき消す
私はそれを、雑音をけすかのように
音楽の音量を上げた。
より一層雨が強くなった、気がした。
いつまでここにいるかは気分。
気分次第で
そんな気分が
私の行く、歩く先を決めていく