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主要人物

【おことわり】

本作は史実および歴史上の正史を基にしたフィクションであり、物語の展開上、一部の人物設定・年齢・人間関係・年号および実在事件の時系列等に独自の変更や解釈を加えております。実在の人物・団体・事件等とは一部異なる点がございますが、フィクションとしてお楽しみいただければ幸いです。


主な主要人物紹介

【天竜堂】

・高柳凌庵(たかやなぎりょうあん):八丁堀の岡崎町にある近藤邸の敷地を間借りし天竜堂診療所を構える有能な蘭医。蘭学弾圧事件を生き残り流れ着いた。長身瘦躯で大柄、端正な顔立ちの美丈夫だがどこかみすぼらしく、素浪人の様に思える。検死や事件の真相解明に関しては異常なまでの執着を見せるが、それ以上の厄介事には興味を示さない。患者に関しては献身的で、貧しい者からは十六文の最安値で治療を施す。実は大御所すなわち先代の将軍と、御台所に仕えていた町医者の娘との間に出来た隠し子で正式名は松平源七郎斉勝。

・藤山彩乃(ふじやまあやの):凌庵が開く診療所の女医。奥法印医師、玄瑞の娘。訳あって凌庵の元に押し掛ける。眉目秀麗な美女。薬学に長けた女医だが、家事一切に才能が無い。商売っ気が無い凌庵に何時も文句を言い、癇癪を起すと大泣きする。

・宮永英助(みやながえいすけ):凌庵の弟子。元は町方同心の倅だったが、父が陰謀に巻き込まれ死亡し家が闕所となった。仇を取った後、復帰の話を蹴り医者に転じた。生真面目で勉学熱心だが、不器用で失敗が多い。

【近藤家】

・近藤新太郎(こんどうしんたろう):北町奉行所の与力。清左衛門の嫡男であり、凌庵と関わる事が多い役人。診療所の大家に当たるのだが、敬意を持ち接する。北辰一刀流の達人であり、「千葉の麒麟児」と呼ばれる青年剣士だが、血を見るのが苦手。

・近藤清左衛門(こんどうせいざえもん):北町奉行所年番方筆頭与力。新太郎の父。奉行に次ぐ奉行所の指揮官。凌庵に土地を貸す大屋で、不動産収入に熱心。

・近藤久栄(こんどうひさえ):清左衛門の妻。新太郎と美咲の母。由緒ある旗本の令嬢で、高飛車。

・近藤美咲(こんどうみさき):新太郎の妹。

【藤山家】

・藤山玄瑞(ふじやまげんずい):将軍家奥法印医師。「御匙様」と称される大物。凌庵を預かり一人前に育ててくれた恩師。彩乃と玄信の父。

・藤山玄信(ふじやまげんしん):玄瑞の嫡男。お目見え医師。

・青木市蔵(あおきいちぞう):藤山家用人。

【小石川養生所】

・稲垣篁洲(いながきこうしゅう):小石川養生所肝煎医師。幕閣内でも名が上がる程の名医だが、金にがめつく愚痴が多い為、彩乃から文句を言われる。

・梶浦慶斎(かじうらけいさい):小石川養生所外科医師。旗本の次男坊から医者になった苦労人。派手好きな性格だが、妻に頭が上がらない。相撲好きで、関取顔負けの怪力の持ち主。体術を用いて凌庵を助ける事もある。

・天野甚内(あまのじんない):小石川養生所見廻り方与力。

【鶴亀屋】

・おえん:鶴亀屋の若女将。凌庵の乳兄弟で、仁吉の姉。凌庵を兄として慕う一方で、恋心を寄せている。

・江戸屋仁吉(えどやにきち):新太郎配下の御用聞き。おえんの弟。おえんの実家でもある深川伊勢崎町の口入れ屋「江戸屋」の若親分。凌庵の乳兄弟に当たる。相撲好きで力が強いが、虫が苦手と言う一面がある。

・吉兵衛(きちべえ):花板兼板前、店内を仕切る番頭格。元は「狐火の政五郎」と呼ばれた稀代の大泥棒で、その前身は伊賀忍者の流れを汲む公儀隠密。凶賊の密告の後に捕縛されるが、それを見込まれて密偵となった。

【福寿堂】

・森村善右衛門(もりむらぜんえもん):薬種商兼廻船問屋、札差や掛屋にまで手を広げ名字帯刀を許された豪商。藤山家と昵懇で、凌庵の為なら幾らでも散在すると豪語して譲らない気前のいい人物。

・豊蔵(とよぞう):大番頭。

【百間長屋】

・幸兵衛(こうべえ):家主。大家の傍ら、荒物屋を経営している。通称「小言幸兵衛」。厳しい性格だが、愛妻家で子煩悩。

・お千恵(ちえ):幸兵衛の妻。お節介焼き。幸兵衛とはおしどり夫婦。

・熊五郎(くまごろう):大工。通称「熊さん」。

・八助(はちすけ):左官。通称「八っつあん」。

・富松(とみまつ):鍛冶屋であり研ぎ師。通称「鍛冶富」。飲む打つ買うの遊び人だが、腕は確か。

・岩崎勘兵衛(いわさきかんべえ):ちっぽけな町道場を営む浪人。鍾馗の様な強面の巨漢で、子沢山。

【南北町奉行所関係者】

・神代平蔵(かみしろへいぞう):北町奉行所吟味方与力。その切れ者ぶりと勇猛さから苗字に準え「鬼神」と呼ばれる。医科学にも明るく、凌庵の働きを頼りにしている。

・徳五郎(とくごろう):御用聞き。女房に桜湯を営ませている。

・蒲生瓢兵衛(がもうひょうべえ):北町奉行所内与力。ガミガミと口喧しい性格。

・遠山金四郎(とおやまきんしろう):北町奉行。官位は左衛門尉。凌庵の後見役。桜吹雪の入れ墨で知られる庶民派の名奉行。

・村上伝助(むらかみでんすけ):南町奉行所筆頭同心。ぼさぼさの太い眉毛から通称「ゲジ伝」。何かと凌庵たちに食って掛かるが、胸の内はそれなりにさっぱりしている。配下の権蔵への愛情は持ち合わせ、馬が合う。

・権蔵(ごんぞう):伝助配下の御用聞き。通称「タヌ権」。伝助に忠誠を誓っている。

・鳥居耀蔵(とりいようぞう):南町奉行。官位は甲斐守。忠邦の右腕で凌庵を敵視する。自分に甘く他人に厳しい自己中心的で陰険な性格だが、どこか憎めない。

【町人】

・江戸屋長兵衛(えどやちょうべえ):口入れ屋。本所深川、両国から柳橋一帯を束ねる香具師の元締。仁吉とおえんの父。凌庵にとっては、市井の養父。

・新門辰五郎(しんもんたつごろう):火消しの頭領。

・天海:浄真寺住職。法名は大袈裟だが、密かに道楽を楽しむ生臭坊主。

・藤岡屋由蔵(ふじおかやよしぞう):貸本屋、旗屋(古物商)。影の情報屋。

【幕府関係者】

・水野忠邦(みずのただくに):老中首座。天保の改革の発足者。冷酷非情な策略家。凌庵を危険分子として警戒している。

・長谷部兵庫(はせべひょうご):火付盗賊改の長官。町方を見下す傾向にあるが、権威を笠に着た悪人では無い。若年寄の息女を娶っている。

・本郷丹後守泰通《ほんごうたんごのかみやすみち》:将軍家御側衆兼御用取次役。

・阿部正弘(あべまさひろ):寺社奉行。

・荻原惇軒(おぎわらじゅんけん):幕府お抱えの儒医で、医学館の教授。凌庵の同門の親友。蘭方と漢学の合併を夢見て奔走する。

・室賀祐悦(むろがゆうえつ):幕府御典医。

・渋川福堂(しぶかわふくどう):暦学者。

・堀田正睦(ほったまさよし):老中。凌庵を高く評価している。

・勝小吉:旗本小普請組。無頼旗本として有名。

・河内山宗俊(こうちやまそうしゅん):御数寄屋坊主。

・後藤庄右衛門(ごとうしょうえもん):金座、銀座の元締。

【徳川将軍家関係者】

・徳川家慶(とくがわいえよし):十二代将軍。凌庵の異母兄。多くを語らず「そうせい様」と言われるが、家臣の動きを正確に見る観察眼を持つ聡明な人物。

・徳川家定(とくがわいえさだ):将軍家嫡男。

・徳川家斉(とくがわいえなり):大御所。凌庵の父。

・広大院(こうだいいん):家斉の御台所。嘗て自分が信頼していた附女中が将軍の子を孕んだ事で嫉妬に狂い、要らざる揉め事を産んだことを恥じている。

・お喜和(きわ)の方:本名、高柳静(たかやなぎしず)。凌庵の母。父・道庵は稀代の名医として有名だった。家斉とは治療を通じて結ばれた。作中では既に故人。

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