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ブラックエンジェル 短編 「光が砕ける前に」

作者: Leon Black Angel
掲載日:2026/02/19

皆様、こんにちは。

本作『ブラックエンジェル』の世界をより深く知っていただくための、特別な読み切り短編ワンショットをお届けします。

復活祭イースターを舞台に、主人公レオンが直面する試練と、宇宙規模で展開される愛と救済の物語です。

本編を読んでくださっている方も、初めての方も、楽しんでいただければ幸いです。

それでは、光と闇の物語をお楽しみください。

ブラックエンジェル:短編

「光が砕ける前に」

【第1部:天地創造と自由意思】

始まりは、ただ純粋な「光」だけがあった。

床もなく、空もない。白銀の虚空。

創造主の傍らで、天使たちは星々が生まれる瞬間を見つめていた。

天使1:

「……すべてが、完璧だ」

天使2:

「無の中に、彼(主)は命を吹き込まれた」

光の中に、静かに佇むイエスの姿。

彼は何も語らず、ただ新しく生まれた世界を見守っている。

天使3:

「彼らは……『自由』を感じるのでしょうか?」

創造主(穏やかで深い声):

「そうだ。選択のない愛は、愛ではないからだ」

【第2部:崩壊する世界】

時が流れ、文明が花開く。

科学、芸術、精神性。しかし、同時に「闇」も生まれた。

戦争

犠牲

神を自称する王たち

天使4:

「父よ……何かが狂い始めています」

天使1:

「彼らは、自分たちが何者であるかを忘れてしまった」

画面は切り替わり、堕天使たちが禁じられた知識を教え、崇拝されている姿を映し出す。

イエス:

(静かに、ひとつの星――地球を見つめる)

【第3部:究極の決断】

天上の広間。天使たちは動揺していた。

宇宙の均衡が限界に達したのだ。

創造主:

「生きることを拒むものは……すべて消し去る(リセットする)しかない」

絶対的な沈黙。

その時、イエスが一歩前へ出た。

イエス:

「父よ。終わりが来る前に、彼らに『結果』を見せる機会を与えてください」

創造主:

「彼らはすでに見た。そして、自ら選んだのだ」

イエス:

「ならば、宇宙を破壊するのではなく、浄化させてください」

【第4部:身代わりの代償】

イエス:

「すべての罪を、私に背負わせてください」

天使たちは息を呑む。

創造主:

「その代償がどれほどか、分かっているのか?」

イエス:

「分かっています。彼らの心を変えられる者がいるとすれば……それは私です」

十字架の記憶が、全宇宙に響き渡る。

霊的な監獄が砕け、鎖が解ける。

宇宙の均衡バランスが、彼の血によって修復されていく。

【第5部:ブラックエンジェルの誕生】

イエスは権威を持って帰還した。

創造主:

「お前の血によって、お前はすべての種族に対する権利を得た」

イエスは遠く、戦いの中にいる少年たちを見つめる。

特訓に励むレオン。目覚めるララ。星を見るリー。

イエス(囁くような声):

「彼らは、破壊するための戦士ではない……」

「本来あるべき姿を、思い出させるための守護者だ」

救済は地球だけで始まったのではない。

全宇宙に、その響きは届いている。

【第2部:氷の壁の向こう側】

ナレーション:

組織の戦艦アルファ。地球の軌道上で、レオンは独り、故郷を見つめていた。

手元の通信機が震える。

母(音声):

「レオン……待ってるわよ。復活祭イースターくらい、顔を見せて」

彼は答えず、ただ静かに目を閉じた。

【氷の評議会】

場所は変わり、古の技術と建築が混ざり合う玉座の間。

将軍が王の前で、ホログラムを操作する。そこには、燃える都市や汚染された海が映し出されていた。

将軍:

「王よ、ご覧ください。地球を救う道は一つ……我々が侵攻し、彼らを支配することです。我々の技術は彼らより遥かに優れている」

王(威厳のある声):

「なぜ今、そのようなことを? 我々はアリス王の圧政から逃れ、この場所を手に入れたはずだ」

将軍:

「……王は現在しか見ておられない。彼らの無謀な行いが、この氷の壁を溶かし始めているのです。彼らを放っておけば、自らの手で滅びるでしょう」

王は立ち上がり、怒りをあらわにする。

王:

「ならぬ! 地球の主要国は我々の存在を知っている。核兵器という牙も持っているのだ。攻撃を仕掛ければ、共倒れになるぞ!」

将軍は冷笑を浮かべ、部屋を去った。決裂の瞬間だった。

【レオンと主の対話】

暗い部屋。レオンはベッドに座り、頭を抱えていた。

レオン(疲れ切った声):

「主よ……どうすればいいのですか? リーは暴走し、両親からのプレッシャーも消えない。ララも僕を必要としている……」

その時、部屋が柔らかな光に包まれる。イエスがそこに立っていた。

イエス(微笑んで):

「わが子よ……いつになったら慣れるのかね?」

レオン:

「……主よ」

イエス:

「この宇宙は、君を呼んだあの日からずっとこうだ。重圧、葛藤、命懸けの決断。かつて弟子たちも、私の隣に座りたがって争ったことがある」

イエスはレオンの目を見つめる。

イエス:

「私は彼らに言った。『私が飲む杯を、君たちも飲めるか?』と。その杯とは、魂への愛ゆえの犠牲だ。君が召命を受け入れた時、君もその杯を飲むと誓ったはずだ」

レオンの心から重荷が消え、静かな覚悟が生まれる。

レオン:

「……分かりました、主よ」

ブラックエンジェル:短編

「愛は力よりも強し」

【激闘:信仰と本能】

レオンは超高速で踏み込み、拳を叩き込む。

しかし、将軍はそれを片手で受け流した。

衝撃が空気を切り裂く。

レオンは柱に叩きつけられるが、風が彼を支え、再び立ち上がる。

手には炎、周りには水の刃、地からは岩がせり出し、雷鳴が轟く。

将軍の中に潜む堕天使アザゼルが冷笑する。

「愛が勝つだと? 笑わせるな。愛では戦争は終わらん。……死ね、選ばれし者よ」

将軍の猛攻。

顔面への打撃、腹部への膝蹴り。レオンは三つの壁を突き破り、地に伏した。

血を吐きながらも、レオンは立ち上がる。

レオン(震える声で):

「まだ……終わっていない」

【カイロスの覚醒】

レオンの意識が闇に沈む。内なる獣、カイロスが咆哮する。

カイロス(古の響き):

「代われ……。俺なら、こいつらを一瞬で握りつぶせる」

レオンの背中から黒い翼が、そして五つの尾が顕現しようとする。

しかし、レオンは叫んだ。

レオン:

「断る! ……力は俺に託された。お前に支配されはしない!」

レオンは精神世界でカイロスを睨みつける。

「今日は主が復活された日だ。……お前も、俺に従え」

カイロスが静まり、霊的な圧力が爆発する。

半分人間、半分人狼。 金色に輝く瞳。レオンは「支配」ではなく「調和」を選んだ。

【究極の選択:身代わりの杯】

戦場は静まり返る。レオンは武器を収め、両腕を広げた。

レオン:

「将軍……。君の中に善意があると、主は仰った。……破壊の先に、何がある? 憎しみの連鎖だけだ」

堕天使(将軍の口を借りて):

「黙れ! 人間は自由を扱うには愚かすぎるのだ!」

レオン(涙を流しながら):

「主が十字架にかかった時……こう仰った。『父よ、彼らを赦したまえ。彼らは自分が何をしているか分からないのです』と」

レオンは一歩踏み出す。無防備なまま。

レオン:

「人間に怒りがあるなら、僕にぶつけろ。僕も人間だ。主が僕らのために苦しんだように、僕も耐えてみせる。……さあ、気が済むまで殴れ」

将軍の拳がレオンの顔面を捉える。

一撃。二撃。十撃。

レオンは反撃せず、ただ血を流しながら立っていた。

レオン(意識が遠のきながら):

「父よ……彼らを……赦して……」

将軍の拳が、止まった。

【救済と帰還】 (Redenção e Retorno)

将軍は崩れ落ち、子供のように泣き叫んだ。

「……俺は……こんな暴君になりたかったわけじゃない! 主よ、助けてくれ!」

その瞬間、イエスが光の中に現れる。

堕天使の影は引き剥がされ、闇へと消えた。

イエス:

「霊よ、檻に帰るがいい。……今日、天は歓喜に包まれている」

死んだはずの王が立ち上がり、将軍の肩に手を置く。

「赦そう、わが息子よ。……赦しこそが、憎しみを止める唯一の力だ」

【エピローグ:心から始まる王国】 (Epílogo)

組織の自室で目を覚ますレオン。傍らにはララがいた。

「よかった……。ぐっすり眠っていたわよ」

レオンは窓の外に広がる星々を見つめる。

レオン(モノローグ):

「神の国は、空にあるのではない。……愛することを選んだ者の心の中に、始まるんだ」

――完――

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

今回の物語では、力による支配ではなく「許し」が持つ真の強さを描きたかったのです。レオンの決断が、皆様の心に少しでも響けば嬉しいです。

もしこの物語を気に入っていただけましたら、ぜひ「ブックマーク」や「評価(☆☆☆☆☆)」で応援をお願いします!皆様の応援が、次のエピソードを書く大きな活力になります。

また、本編やキャラクターのプロフィール、設定資料集も公開中ですので、そちらも併せてチェックしてみてください!

次の物語でまたお会いしましょう。

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