03話「道化」
―――俺の身体は、3発の弾丸に貫かれた。
「卑怯とか思っチャった?いや、ソモソモ撃たせてなかったのはこっちの勝手だったヨネ」
「あぁそうだな。―――俺はこんな理不尽、何度も経験してるが」
「先人の知恵いいねェェェッ!!」
ピエロのその言葉に煽動されたように、またも銃弾が飛んでくる。
俺はなんとかそれらを避ける。
そして、バルドレンジに命令する。
「バルドッ!!自由行動を許可ッ!撃ち尽くせッ!!」
「あいよォッ!!」
バルドレンジが行動を開始した。
軽やかな動きで警備員たちの銃弾を避け、ヘッドショットをかましていく。
対する彼らも、なんとかバルドレンジを倒そうと銃を撃つ。
彼らの意識がバルドレンジに向けられている今が、ピエロを倒すチャンスだ。
「卑怯なマネしやがってェええええええ!!!!」
ピエロは絶叫した。
あまりにブーメランすぎるが。
すると、ピエロが身体に纏うオーラがよりいっそう、凄みを増した。
あのオーラは、感情の上下によって強さを増すのかもしれない。
「もういい。お前、殺しテやるよ」
更なる激闘が始まった。
ピエロが殴るモーションをとる。
すると、拳からオーラが伸びて、俺を捉える。
初見の攻撃だが、なんとか左腕でガード。
次に、反対側からもオーラのパンチが伸びてくる。
右手そのものは欠損しているが、オーラは残ったままである。
それを今度は避けつつ、ピエロとの距離を詰める。
光剣を振って右腕を斬ろうとするが、華麗にかわされる。
一度、バックステップ。
すると、ピエロが空気を蹴る。
伸びてきたオーラのキックを、両手をクロスさせてガード。
だが、両手で視界が塞がれてしまった。
ピエロもその隙を見逃さずに、距離を詰めてきて―――
バンバンバン!!
銃声が鳴り響く。
バルドレンジがピエロに発砲した。
警備員をすべて倒し、こちらの戦闘に加勢したのだ。
ピエロは急な発砲に驚く。
その身体のオーラが消える。
そして―――
「この道化がァッ!!」
体勢を立て直した俺の拳銃から弾丸が4発、ピエロに向けて撃たれた。
オーラを解除していたピエロは、面白いほどに全弾をくらった。
そして、俺は距離を詰めて、攻撃する。
光剣をピエロに振りかざす。
右肩から左腰まで、ピエロの身体が切断された。
「ぎェえええええええッ―――」
そしてピエロは断末魔をあげ、そのまま絶命した。
「ナイスアシスト、バルド」
「あいよ」
ウォッチにはめられたバレットストーンを時計回りに回転させると、バルドレンジは白銀の粒子となって消えていった。
そして、ストーンをウォッチから外す。
後には、ピエロや警備員たちの無数の死体と、俺だけが残った。
ピエロの左手からゴーストストーンを回収しておく。
そして、俺は身体に受けた無数の傷を治すべく、『ヒーリングストーン』をウォッチに装着する。
「ヒーリング」
そう言うと、俺の身体の外傷はすぐに消えていった。
だが、疲労感だけは残っている。
さっさと家に帰ってニコチンだ。
「さぁ、探し物はどこかな」
俺はマップ左上、路線の終点へと向かう。
道中には、ピエロのような奴はいなかった。
おそらく、あいつが最も強い警備員だったのだろう。
そして、あいつが唯一のストーン使いだったのだろう。
目的地に到着すると、祭壇のような造形物が設置されてあった。
そして、分かりやすいような形で『ベクターストーン』が安置されていた。
俺はそれを取り外し、服のポケットに入れる。
「家に帰るまでが、トレジャーハンターのお仕事だからな」
そう言って、帰路についた。
ゼロは、誰からの依頼も断らない。
そしてゼロは、依頼を一度も失敗したことがない。
彼は、最強のトレジャーハンターである。
しかし、彼は無数の依頼を解決しようとも、多額の報酬を得ようとも、満たされることはない。
ゼロは、どうしようもない程に「からっぽ」だ。
次からカイの物語、その第2章が始まります!!
ちなみに、ピエロの実弾無効化(実体のある攻撃の無効化)は中々に強い能力です。
これもまた、相手が悪かったのです。
また、ヒーリングストーンが出てきましたが、これこそがカイの求めるストーン―――
そして、ゼロはカイの未来の―――
【第01章完結記念として評価を頂ければめちゃくちゃ喜びます!!】




