1/3
プロローグ
20XX年。
世界は、終わった。
それは隕石でも、神の裁きでもなかった。
長い時間をかけて積み重なった戦争、飢餓、環境破壊――
いくつもの選択が重なり、ただ最後の一線が越えられただけだ。
誰か一人の過ちではない。
そう言われることもある。
けれど、その瞬間。
引き金を引いたのは、たった一人の男だった。
男は名を残さず、理由も語らなかった。
英雄でもなく、悪でもなく、
ただ一つの選択をしただけだった。
その結果、世界は崩れ、
人々は消え、
街は静かに息を止めた。
そして今もなお、
理由だけが、
この世界に置き去りにされている。




