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叶える力

作者: こず

こんな力があれば……という話です。

 言ったことがなんでも叶う。そんな某猫型ロボットのような夢のような道具……ではなくて、それは自分自身のことだった。


「有言実行」


 それを自分のアピールポイントにしていたらその内、自分が言ったことがなんでも叶うようになってしまった。有名人になりたい、お金が欲しい、若返りたい、視力を取り戻したい……などなんでも出来た。


 しかし、私は途中でそうなるプロセスが大事であり、結果だけの自分はなんと空虚な人間なのだろうと思ってしまった。前までは私もそうだったのにこの力を使えるようになってからはそれに頼り切りだった。


 そのことに絶望して何度かこのようにして死にたいということを口に出したのだが、それは叶わなかった。


 この力を使わずとも前まではそれなりに人生を上手くやってきたつもりだった。だから、使わずにいようと思ったのだけれども、それに慣れてしまった思考や体はどうにも出来ずにまた力を使って過ごしてしまった。


 私はある日、思いついた。この力を失いたい。そう口にすればいいのではないかと。正直言ってこの力を失えばどう生きていけばいいのわからない。だがしかし、今はただ普通の日々に戻りたかった。


「言えばなんでも叶う力を……どうか無くしてください」


 そうすると肩の荷が降りて不思議と前よりかは物事が上手く運ぶようになった。


 〜とある別の場所〜


「何故、人間どもはこのような力をせっかく与えても最後は手放してしまうんだ……全く理解出来ない」

「やはり私たちが人間を理解するにはまだまだ時間がかかりそうですね……」

 そう言って人間研究所の者はため息をついた。

便利な力ですね。

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