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「ようこそ!こちらにお乗り下さい!」

作者: anna

あるどこかの海辺


寒さを乗せた風がひゅうひゅうと手にあたると、反射的に身体が縮こまる


どこかなつかしい、潮の匂い


目の前には、いくつかのボート。何人かの褐色肌をした女性が歓待するかのように踊り、手を招いている


「ようこそ!こちらにお乗り下さい!」


簡単な列を並ぶ人びとが言われるがままに乗船していく。その流れに沿うように私も続いた。


ボートが動きだす。


一定の間隔を開けて、隣には女性がヨットのようなものでついてくる


見惚れていると目があってしまった。真剣な顔つきから、こちらの視線に気づくとニコニコとこちらに手を振り返してきた


急いで目を逸らす


暫くすると


「緊急事態が発生しました!目的地を変更致します!目的地を変更致します!」


私の乗っているボートに動揺が広がる。一方、褐色肌の女性たちは至極冷静な様子であった


急旋回し、海から川へと入っていった


到着した先は、どこか川沿いの村のようだった。


複数の家の窓からボートに梯子が渡されて、皆それぞれに登っていった


梯子を登ると、大きく開いた窓から部屋の中がみえる。


部屋の中へと入るとみすぼらしい姿をした女性が複数名、地面に座っていた。


やせ細った者、目が黒ずんだ者、着ている服はボロボロであった


30代から50代ぐらいの女性が複数人


そして、一人だけぽつんと少女も座っていた


垢ぬけない素朴な少女だが、なかなかに美しい


そして、部屋には布団が敷いてあった


女性たちは、夫を求めていた


私は思い出した


この村から出るには、ここの女性たちと決して関係を持ってはいけないことを






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