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連なる灯り、煌めくカトラリー

「僕たちはねえ、この店で出会ったんだ。ここの窓からの景色、よく覚えているよ」


 爺さんは、メロンソーダの炭酸に目をパチパチさせながら、楽しそうに話し始めた。昔この近くに住んでいてよく通っていたこと、お金がなかったのでメイン料理のページは見ないようにしていたこと、結婚して子供が生まれてからも何度もお世話になったこと、今は遠い所に住んでいるのでここに来たのはとても久しぶりなこと。



「今日は記念日だから思い出の店で食事したいね、という話になってね。張り切ってこんな時間にきてしまったよ。注文も張り切ってしまったなあ。若い頃、ステーキが食べたいなあと指を咥えて見ていたんだ。ああ、楽しみだ」


 爺さんは思い出を噛み締めるように、上も下も右も左も、首をぐるりと回しながら眺めていた。懐かしいですね、と返すように、窓に映った照明はぼんやりと輝きながら広がっている。今日は楽しんでくださいね、というように、テーブルの上のカトラリーはキラリと光る。



「ところで。君は恋人はいないのかね」


 唐突な質問に思わず目を見開いてしまった。爺さんを見ると悪戯っぽく笑っている。三好さんのことを目で追っているのがバレたのだろうか。モゴモゴと口籠っている間に三好さんがテーブルに到着した。


「お待たせいたしました。お先に、こちらクラブサンドでございます」


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