【400字詰め小説】レアクレーム
んなアホな!
「申し訳ございません! 」
若い女性店員の謝る声が店内に響いた。
俺はこのケーキ屋で「ショートケーキ」を3個買った。家に帰って箱を開けると
――「消毒液」が3本入っていた。
昔、嘉門達夫の歌でそのようなネタがあったが、まさか実践するヤツが存在するとは・・・?
しかもこの消毒液、厨房の衛生管理で使うものではなく、どう見ても農業用――噴霧器で使うやつだ。
これは・・・この「ボケ」をわざわざやるために用意したとしか考えられない。なぜ、これを「初対面」の俺に?
「あの・・・何と交換すればよろしいんでしょうか? 」
「ショートケーキと交換しろってんだよ! ここはケーキ屋だろ? お前じゃ話にならん、店長呼んで来い!」
数分後、店の奥から店長らしき男がやってきた。そしてこう言った。
「申し訳ございませんお客様、当店は〈ステーキ屋〉でして〈ケーキ屋〉ではありません。なのでショートケーキはお出しできません」
――え?もしかして悪いの俺?
最後までお読みいただきありがとうございました。
買い物や食事に行くと、ちょっとした手違いでイラっとすることがあります。こんなときはこの話を読んで「まあコレに比べたらマシか――」って・・・なりませんよね?
なお、この話はフィクションですので、「ケーキ屋とステーキ屋くらい中に入ればわかるだろ! 」みたいな・・・
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