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挿話 『鬼』
俺、夜桜潤は今、絶望の境地にいる。
なぜか。休み時間、久しぶりに鬼ごっこをやることになったのだ。
最初の鬼は祐希。始まってから少し煽りに行ったら、即ロックオンされた。
そして彼女、すごく速い。速すぎる。一瞬目を離した隙に、すぐ後ろまで追いついてくる。
——そう。俺は、鬼になった。
潤「おォラァァァァァァッ!」
祐希「いい加減諦めて他の子捕まえなよ。君じゃ私には敵わない」
潤「くっそ意地でもとっ捕まえる!!」
祐希「でもこのままじゃ休み時間終わっちゃうよ?」
潤「くっ……こうなったら——かみがm——」
祐希「時系列!!」
 




