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 今日は俺達がリア充に殴り込みをかけて、見事に倒した記念すべき日だ。その夜、俺は報告も兼ねて水無川邸へとお邪魔していた。


「それでどうだったんだ?俺の《重弾(じゅうだん)》は?」


「どうもこうもあんなもの渡すなんて、兄さんナイス!最高だね!」


「そうだろう、そうだとも!おいトウヤ、これからもガンガン使っていけよ!」


 2人して興奮冷めやらぬご様子だ。しかしリア充を一撃で倒せる事が証明された以上テンションが上がるのも仕方ないと思う。ただ、


「注意して使えって言っておいて多用しろって言うのは訳が分からないんですが」


「いいか、何が何でも守らないといけないのはレナの安全だ。そのためならリア充の1人や2人、地獄に送っても構わねえよ」


 良かねえよ!と心の中で叫ぶ。この人には何を言っても無駄な気がする。まあ流石にあれは冗談だろう、恐らく。


「それにして明日になったらどんな反応されるのかな、私達」


「そりゃあもう連中真っ青だろ!レナの強さにビビっているだろうさ」


 ガハハと豪快に笑うサイガさん。


「別にビビらなくても、私達が本気でリア充を狩る気なんだって意識してくれればそれでいいかな。後はひたすら倒して非リアの注目を集める!信者を増やす!そして戦争だよ!」


 おい、信者って何だよ。


「と言うことはさ、明日のターゲットとかも決めてるのか?」


 まさか毎日続けるんじゃないだろうなという意味も込めながら恐る恐る聞いてみる。


「ううん、そんなに毎日戦える程私は体力が無いんだよね。それにそこまで急ぐ必要も無いと思うよ。のんびり行こうよ」


 ――体力。それは非リアがもつどうしようもできない数多くの欠点の1つだ。特に運動をするわけでもない、さらに休日に誰かと遊びに行くことすらしない。そんな人間が体力がつくはずもない。リア充を倒すために最低限のトレーニングはしていると言っても俺もレナもこれまで奇襲メインの戦法をとってきた。何日もリア充と戦えるだけの力なんてあるはずもなかった。


「だから明日は休もうかなって考えてるんだ。トウヤ君も一緒にどう?」


「遠慮しておく。ちゃんと学校には行って目立たないように暮らしたいから」


「リア充を倒した時点でかなり目立つ気がするけど……まあ、いっか。じゃあ私達がどれくらい評判になったか調べてきてね!」


 そうして、リア充に私闘をふっかけた1日は幕を閉じた。俺は《イド》に目をつけられない程度の時間に帰宅し、そこからの記憶は無い。


 それも仕方ない事だと思う。家に帰った途端、疲れが一気に押し寄せてきたんだ。よくよく考えると今の今まで倒れなかったのが奇跡なくらい、今日は動いたと思う。3ヶ月分の運動を1日にした気分だ。だから、布団にたどり着く前に眠ってしまっても仕方がない。

 

 今はただゆっくりと休もう……。





 ――翌朝。


「ゆっくり休みすぎたかもな……」


 時刻は9時を少し過ぎたところだ。ということはもう1時間目が始まっているのか。正直、今から走れば1時間目の終わる少し前位には学校にたどり着けるだろう。

 

 それでもそうするのは気が引けた。昨日の疲れがまだ残っているというのも理由としては挙げられる。


 だが、そこじゃない。ほら、遅刻して教室に入ると無駄に周りの注目を浴びるだろ?あれが嫌なんだよ。もちろん、休んだら休んだで注目を浴びる事にはなってしまう。


 しかし自分が周囲に晒されていると感じるのと感じないのでは埋めがたい差がある。となればこの後の行動は1つしかない。


「休むか……」


 レナに周囲の反応を伝えられないせいでサイガさんがどんな反応をするのか、少し怖くはあったが休むと決めたらテコでも動かない。それが俺だ。


 布団を頭から被り惰眠を貪る事にする。それにしてもこの背徳感は尋常じゃないな。下手するとこのまま引きこもりになってしまいそうだ。


 それでも流石に明日は学校に行こうと思う。何だかんだ言って自分達への反応が気にならないと言えば嘘になる。しかしそれにしてもだ。


 まさかあんな反応を頂くとは予測できないだろ。


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