序章 三点セット
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序章 三点セット
「おい、涼介体操服もってきたか?」と湊は言った。
僕(涼介)は「もちろん、今日は体育があるお。」といつもと同じようにテンプレのように、中年の疲れた男性のように答えた。そして、手に持っていた体操袋を重そうにしながら湊に見せた。今日は学校の登校途中の朝。昨日の疲れが残った朝。まあいつもと同じ朝なのである。しかし彼の次に言った言葉はいつもとは違うものであった。
「おい、涼介お前のその体操袋お前のじゃないだろ」
体操袋の名前をすぐに確認すると『宮崎』とだけ少し雑に書かれている。僕はこの名前を知らなかった。
「宮崎てだれだお?湊知ってるかお?」
「知らないな、俺に知らないことはないと思っていたんだがな。中の体操服の名前確認してみろよ。フルネームで書いているかもしれないし、香りで男か女ぐらいは当ててやる」
「流石湊、言うことがちがうお。まあとりあえず開けてみるお」と言った。しかしその言葉とは裏腹にすぐに紐で閉じられている体操袋の口を勢いよく開け手を入れ中身をつかみ出す。そして僕は名前も確認せずに匂いを鼻ではなく口で吸うように確認した。
「すうううううう、はああああああ」
「・・・このにおい女子じゃあ!!!」
僕は叫んだ。
「涼介、お前それ体操服とブラジャーとおパンツの三点セットじゃねえかァァァ」
湊も叫んだ。
こうして僕は幸か不幸か何故か『宮崎』さんの三点セットを手に入れたのであった。
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