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side???

この作品のキーワードに「ホラー」は必要でしょうか?



side???



 リステル家に仕える騎士の朝は早い。常に身体を動かせるように維持する為に、訓練が欠かせないからだ。

 例え、前日に早馬で道を駆け回ろうとも、どんな激しい運動をしようとも、これだけは欠かす事は出来ない。それが騎士というものだ。


 ただ、今日は特別に、ある事情から自宅ではなく宿に泊まっていた為、仕方がなく(・・・・・)部屋の中で出来る運動(・・)で済ませた。


 次に騎士として重要なのが食事だ。騎士は常に動き回る仕事をしている為、食事自体も大事だが、食べれる(・・・・)時に食べる(・・・)事も重要だ。


 さっそく、朝食を……(しぼり)とって、美味しく頂く。本日はこれで活動出来るだろう。


 次は身だしなみだ。騎士爵の位は持っていても、未婚の女性でもある。汗の匂い()が残っているなど言語道断。

 親切な宿のお心遣い(・・・・・)に感謝しつつ身体を暖かいお湯で軽く流す。当然隊服も新しい物を身につける。汚れてしまっていた隊服も、またまた親切な宿のお心遣い(・・・・・)により洗濯をして貰う事にした。


 適度な運動のおかげか今日も身体が軽いし、朝食のおかげで肌もツヤツヤだ。

 丁度良い時間にもなったので、仕事へと向う。といっても、本日の仕事は直属の上司に報告だけだ。





「メリアーゼ。任務完了の報告に参りました」


 充実した毎日をくれる私の仕えるべき人物は、このリステル領の次期当主様だ。

 他領と違い完全実力主義の辺境伯という地位は、妾腹であった人物でさえ、領兵や領民、そして現当主に認められれば次期当主になれる。それでも並みの優秀さでは認められないのは確かだ。そして見た目に反してとても真っ黒な人物だ。


「入れ」


「はらぐ………ラインバルト様。失礼致します」


 入室許可を貰ってから、仕えるべき人物の名を呼んで入室する。

 今日もまだ婚約していない相手を常に侍らせている女誑しの次期当主が、政務に励んでいた。


「先に言っておく。あと数日もしないうちに正式に婚約する」


「はっ! 臣下を代表してお祝いの言葉を述べさせて頂きます」

 

 私の顔を見るなり、いきなり訳の分からない事を言われたので、仕方がなくお祝いの言葉を申し上げる。

 自分がまだ結婚できないからと、私の婚姻を認めてくれない腹黒次期当主に精一杯の私の気持ちを込めて祝いの言葉を送る。


「まあ、良いだろう。いつもの………とおり任務は上手く行ったか?」


「はい。任務は無事完了致しました」


 この次期当主は、「いつもの」が口癖のようだ。私と会話する時はよく耳にする。若いのにボケが進行していないか心配になる。

 仕えるべき相手を心配のは騎士として当然の事である。だから早く私の婚姻許可を寄越せ。


「やはり、褒美は先に与えるべきではなかったか………。失敗したな」


 私と次期当主のこの会話を、いつも次期当主の側を離れない婚約者候補のご令嬢は不思議そうな顔で聞いている。

 心配しなくても大丈夫ですよ。私と次期当主様はあくまで(・・・・)主従の関係(・・)ですので。こんな腹黒私の趣味じゃないです。


「………分かった。任務はご苦労だった。数日後に正式に婚約を発表する際は、会場の警備を任せる。それまで自由行動とする。くれぐれも(・・・・・)しっかりと身体は休めろ。今日はもう仕事を終わりで構わない」


 あっさりと退出の許可と休暇の許可をくれた次期当主様に、感謝と尊敬の念を言葉にして退出する。

 その直後に扉の外で次期当主の婚約者候補付きになっている侍女とすれ違った。相変わらず警戒心むき出しで、挨拶してくる。私には心当たりがないのに、困ったものだ。


 屋敷の外に出たが、昼食を頂くにしても、先ほど朝食を済ませたばかりの時間なので早すぎる………。運動もやりすぎは身体に良くないので、訓練(・・)も出来ない。

 急に暇になってしまって困ってしまった。


 このまま宿に戻って隊服を汚してしまう訳にはいかない………。

 そうだ! 食事を楽しむ為に、新しい服を買おう! 今回は(・・・)もし御気に召さなくても、あの優しい次期当主様の事だ。きっとまた褒美を用意してくれる機会はあるはずだ。その時に役に立つかもしれない。


 私はメリアーゼ。これでも男爵家のご令嬢だ。騎士爵を得たせいで行き遅れと言われる年齢に差し掛かっているけど、次期当主様に仕えてからは情熱的な(・・・・)お誘いがひっきりなしだ。新しい服が無駄になる事はないだろう。


 モテる女のつらい所である。


 買い物が終わったら、宿に戻って食事にしようと思う。今日も明日もお休みだ。宿には私を待っている人がいる。


 親しい人は私をメリーと呼ぶ。私はメリー。今、あなたの心の中にいるの♪ 待っていてね♪






『その学園から連れてきた男の子。要らないなら(おいしく)貰う(頂く)よ。見返りは忠誠で。』


 sideメリアーゼ 完



-後書き-


調子に乗ってしまった。でも反省していない。きっとまたやる(ノ≧ڡ≦)


前回の話の感想で誰もツッコンでくれなかった!

レルッゾ子爵家のクワー君………。キャラとして薄いようだから君の出番はもうない٩(•̤̀ᵕ•̤́๑)

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