第8話 町案内 バザー 学校 牧場
街はずれまで歩くと豊かな農園が広がっていた。
「ここは牧場。異世界の住人と牧場ゲームから来た奴が協力してやってる。効率から言ったらやっぱり牧場ゲームの奴が上かな。乳しぼりなんかやらしても一瞬で終わるし。ただ収穫は普通にしかできなかったりするからそういうところは異世界の住人と協力してやってるよ」
空を飛ぶボードに乗る人や箒で空を飛ぶ人を見かけた。
「あの空飛ぶボードはなんだ」
「あれはスカイボードっていって、箒で空を飛ぶ応用みたいなもん。足で操作する分調整が難しい。ただ手がフリーになるから杖もって魔法を唱えることができるし、攻撃と回避が同時にできるから便利なんだ」
町の中心部に向かう途中、箒やスカイボードで空を飛び交う人が多くなってきた。
「箒で飛び交う人が増えてきたな」
「あぁあそこが学校だからな。魔法や剣術、召喚、生成、語学、武術、日本の授業、まぁ他にもいろんなことが学べる。ただもし入るのであれば適性を見てからの方がいい。適性がないのに学校に入ってローンだけ残るってやつも多いから。入学は金さえ払えば誰でも習えるから機会があれば通えばいい」
もう少し進むと人混みがどんどん増えてきて町も賑やかになってきた。
「ここはこの町最大級のバザー。なんでも揃う。ただし同じジャンルのゲームじゃないと道具欄に入らないから注意な」
「同じジャンル?」
「例えば夏がFPSゲーム専用の銃を買ったとする。これを実際に使用することは可能だが道具欄には入れられない。だからその点は注意しないといけない。他のゲームのジャンルの武器も、装備は可能だがしまうことはできない。言い換えればFPSプレイヤーは買えばロケットランチャーのような大きな武器だろうが何だろうが瞬時にしまえて瞬時に出せる。FPSプレイヤー専用装備は消耗品で高価だから手に入れたらFPSプレイヤーに売るのがいい。まぁ銃に剣とかいう厨二病装備をしたいのなら話は別だけど」
「そんな趣味はねーよ」
ほんとはしたかったが強がった。
「昔、いたんだよ。そういうやつ、銃に片手剣を持ってクエストに出たやつ、で俺が訊いたんだ「そんな武器で大丈夫か?」ってそしたらそいつは「俺はこれでいい」とか言い出して、それでモンスターが出て銃声が鳴り響いて、後ろから「うわー!」って悲鳴が聞こえたから振り返ると片手で銃打って、肩脱臼してそのまま帰っていったやつとか。お前何しに来たんだよって奴が」
「……へー」
しなくてよかった。
「いろんなものを装備できるからFPSプレイヤーで盾持ちとか鎧装備とか変なプレイヤーもいる。」
「統一感のない服装はそのためか」
「そう。あといらないアイテムが残っているなら売っておいてもいいし」
「おまえの道具の中に入っているいらないもの。例えば初期装備の物や使わなくなった装備、他の奴しか装備できない武器防具とか。あと高そうなものは値段を高くつけてくれるところで売る方がいいから残した方がいい。あと属性効果持ちやその装備固有のスキルとかも残しておいた方がいい。いざって時に便利だし。防御力が弱くても火炎を防ぐとかこの世界では重要」
「あともし最初にかうのであればブロックメイクRPGの人が作ったのが安くていい。簡単な作りだがちゃんと長持ちする。金がたまったら好きなものを買えばいい。他にもいろんなものがあるから、機会があったら教えるよ。今日は遅いからもう帰るか」