そうだギルドに行こう
メニュー画面で装備をした。勇者のゲームだったので必然的に最強装備は勇者になるのが恥ずかしいのでローブのみ装備した。ローブを選択するとすぐに服装がローブに切り替わった。
ようやく外に出ると様々な種族の人で町は溢れかえっていた。中世的な街並みの中にブロックメイクRPGで作られたような四角い建物が点在している。そして何よりも目立つ雲を突き抜ける塔があった。
「あの塔は?」
「あぁあれはバベルの塔って呼ばれている町の中心部にある塔で高さはどれだけあるかわからないんだ。最初は「ブロックメイクRPGの奴らがずっと作っている」って言われていたんだけど、素材がないのにどんどん高くなるからその可能性はないかな。だから誰が建てているかわからない。ちなみに地下もどこまで続いているか誰も知らない。これは素材があるからブロックメイクRPGの奴らが作っている可能性がある。ちなみに地下にはモンスターが住み着いていてそのモンスターが塔にも溢れているから地下のダンジョンと塔のダンジョンって呼ばれていたりもするんだ。地上に近づくほどモンスターが弱くて遠ざかるほどモンスターは強い。理由は地上のモンスターはこちらで狩りつくしたからかな」
「最初は皆、何するんだ?」
「パーティーを作るのが基本だけど、パーティー詐欺も多いから気を付けろ。あと寝床確保のためにブロックメイクRPGのやつに家でも作ってもらえ。そいつらを一日護衛の仕事をしていたら作ってもらえるから。いい家に住みたいならローン組んで建ててもらってもいい。特殊スキルなしで来た奴は魔法やその他のスキル上昇がずば抜けて高い傾向があるから魔法習いに出るのがいい」
「仕事はどうしてるんだ?」
「スキルなしは奨学金という名の学生ローン組んで魔法学校に行くのが一般的かな。スキルアリは適当だな。楽そうな仕事のクエスト受けて生きてるやつもいれば、ダンジョン攻略、外の世界の探索や冒険や採取、武器や防具の製造、建物の建設、小型・大型モンスターの討伐、賞金首の逮捕、他にもいろいろあるけど」
「俺はどうすればいいと思う?」
「お前の場合はとりあえずギルドの登録とクエストの受注、それが済んだら飯だな」
「ギルド?」
「日本での職業登録みたいなもんかな」
「へー」
街中をぶらぶらと歩きながらギルドに着いた。
「ここがギルドか」
「そうここがこの町のギルド。始まりのギルドだな」
オシャレな看板がぶら下がっている。その下に異世界の言葉でよくわからない文字とその上にルビでギルドと記載されていた。
「ほんとに日本人が多いんだな」
「そうそう。日本人のためにわざわざカタカナで書いてるあるくらいだからな」
海人に続いて中に入るとそこは酒場とギルドの共同スペースになっていた。クエストが張り出されているスペースと美人な受付嬢がいる窓口が多数。酒場には屈強そうな男が昼間にもかかわらず酒を飲んでいる。海人は受付嬢にさっきベッドで書いた紙を渡していた。
「手続きには時間がかかりますのでおかけになってお待ちください」
しばらくすると受付嬢から呼ばれた。
「お待たせしました。藤原 夏様」
「こちらが住民カードとなります。支払や給料の受け取りはこちらのカードでもできますのでご利用くださいませ。ギルドでクエストを受ける際も必要ですので忘れずにお持ちください。こちらにはクエストの成功率等も記載されます。失敗が多いとクエストを任せられないことが起こりますのでご注意くださいませ。クエストを多くこなせば上位クエストも受けることができます。何かご質問はございますか?」
「大丈夫です」
「ではこれで手続きは完了となります。ありがとうございました」
「クエストはどうする?俺の言ったとおりのクエストを選ぶか?」
「ああとりあえず」
「一応クエストを受けるならこのメイクブロックの人がおすすめだ。ただもしかしたら俺がお前を騙しているかもしれないけど」
夏を軽く挑発するように言った。
「信じるよ。なんとなくだけど」
「わかった」
クエストの発注書を受付に持って行った。
「では承りました。明日、9:00にこの場所に集合してください」