情報屋海人
「異世界の種族・性別・年齢もそのままっぽいな」
鏡を見ると確かに体に変化はない。恰好は私服から白いTシャツに白いパンツになっているが。
「ああ。他の奴らは違ってたりするのか?」
「いろいろだな。ゲームの世界のまんま来るやつだったりエルフだったり魔族だったり幼女だったりババアだったり人によりけりだな」
「大変だな」
「そうでもないさ。むしろ俺たちみたいに平凡のほうがよっぽど大変さ。その能力が備え付けられていないってことだから。あぁそういえばFPSプレイヤーには気を付けろ」
「なんで?」
「この世界には弾や銃が落ちているということはないから、もし弾や銃を補充するのであればFPSプレイヤーを殺すことになる。そしてFPSプレイヤーを見極める方法がないから日本から来た奴は見境なく殺される。一応殺した奴は指名手配にはなっているが捕まっていないやつも多いからな」
「気を付けろって言われても、どうするんだよ」
「狙撃が一番ヤバいから町の外に出ないとか、平原に立たないとか、森の中を進むとか鎧を固めるとか、補助魔法をかけて防御力を上げるとか、特にここは日本人が最初に来る街だから始まりの町って呼ばれていて初心者狩りで有名だから。まぁ最初は俺が案内してやるよ」
「あんた名前は?」
「始まりの町案内人兼情報屋のカイトだ」
海外の名前か?それにしては日本人の顔つきだし。それに日本人って言ってったよな。
「日本の名前?」
「そう海に人って書いて海人。あと外出るからメニュー画面を開いて着替えて」
「どうやって着替えるんだよ」
「メニュー画面で装備するんだ。装備は装備しないと意味がないぞ」
「それ言いたいだけだろ」