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欠陥だらけの天才魔術師(副題:天災魔術師になった天才魔術師はスローライフを生きて行けるか?)  作者: Seisei
第一章 レベルアップ編

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002 すみませんが、正しい転生の方法を教えてください

 翔は、また真っ暗な空間に投げ出されていた。


《転生プロトコルが発動されました。これより第一シーケンスを開始します。あなたのお名前を入力し、転生後のステータスを配置してください》


 いきなりどこからともなく美しい女の声が流れてきた。


 しかし、名前の入力と言われても端末の画面もなければキーボードもない。どのようにしたらいい?


「俺はたちばなしょうだが」


 一応言ってみた。


《橘 翔様ですね。ステータスの配置をしてください》


 良かった。話が通じる。しかし、今度はステータスとか言ってる。


「今のままで良いぞ」


────今の自分に不満があるわけではないからな。


 流石の自画自賛の翔だ。ぶれない。


《すみません。天使レリエル様の設定された禁則事項に該当します。別の配置をしてください》


 そう来るか。あのバカ天使の仕業か。なんだか腹が立ってくる。


「お前は、神器なんだろう。そもそもこんな転生が許される訳がないだろう?」


《申し訳ありません。私は、言わば単なる道具にすぎません。一度開始された転生を止める事もできませんし、禁則事項を破ることもできません。しかし翔様のご主張は至極もっともなこととは思います》


 申し訳なさそうに神器が謝ってきた。


「それなら何とかならないのか?」


 翔は神器に対しても尊大だ。


《本当に申し訳ありません。この暴挙を止めることはできません。しかし、レリエル様はご存知無いのですが転生時に、私の独自の判断で特典を授ける機能があります。今回の転生ではその機能をフルに使い少しでも翔様の転生が有利になるように働きかけをさせていただきます》


「ほう。どれほど有利になるんだ?」


《申し訳ありません。期待されるほどには。まず、普通転生すると前世の記憶は無くなるものなのですが、翔様は何重もの防御魔法をかけてらっしゃいます。私はその防御魔法に干渉して翔様の記憶がそのまま残るようにできます。少しばかり記憶障害が生じるかもしれませんが、ほぼ記憶が残るように頑張ります。》

《レリエル様は、転生すれば、全て記憶がなくなると思ってらっしゃいますから、これは大きなアドバンテージになると思います。しかし、もし、レリエル様がこの事を知ると、レリエル様は翔様の命をねらいかねません。翔様はレリエル様に負けないレベルになるまでは前世の記憶が有る事を秘密にされる方がいいでしょう》


────記憶が無くならないか。そんな当たり前のことか。


 翔はガッカリする。


《申し上げにくいことですが、翔様はレリエル様の仕業で転生直後はレベルゼロに落とされ魔法に関係するすべてのステータスはゼロに落とされてしまうでしょう。そのままでは、翔様は二度と魔法の能力は上がらず今のレベルになることは永遠に無いでしょう》


────そいつはキツイな。二度と魔法が使えないのか。


《しかし私からは、魔物から魔核を精製する能力を授けさせて頂くことができます。魔物を倒し、魔核を精製できる能力です。その魔核を食すると、いろんな魔法に関連する属性が開花しその属性ステータスを補完する事ができます》


────能力の底上げができるってことだな。そいつは使える能力だな。


 翔は感心した。


《そのような能力を私が特典で授けることができるとはレリエル様も、ご存知ありません。これが二つ目のレリエル様へのアドバンテージとなるでしょう。さらに、翔様の世界ではあまり使われない精霊魔法と付与魔法について関連する属性ステータスを可能な限り上げておきます》


《レリエル様は、翔様の魔法能力を全てゼロにし、別の能力に振り分けるようにと禁則事項を設定されたので翔様がもともと持っていらっしゃらない精霊魔法と付与魔法の能力は禁則事項にかかりません》


《これが最後のレリエル様へのアドバンテージとなるでしょう。レリエル様はこれらの誤算のためいずれ翔様に痛い目にあわされる事になるでしょう》


 この転生車輪と言う神様の道具は、何か勘違いをしているようだ。


「バカ天使の事はどうでもいい。転生なんて経験は、なかなかできんだろう。俺は今回の出来事を最大限に楽しむつもりだ」


 翔はそう言い放っていた。


《何と広大なお心でしょうか。さすがに千年に一度の大魔術師様。しかし天網恢々(てんもうかいかい)そにしてらさずと申します。必ず、レリエル様は今回の報いを受けられるはずです》


「天の網は不正を必ず暴くか? 古い言い回しだな」


《はい。天界は、レリエル様のような天使を大勢排出してきました。しかし、彼らは皆我々の世界にあるヘルヘルムに落とされています。きっとレリエル様もそのような罪を背負って落とされるに違いありません》


「ほう。ヘルヘルムと言うと俺の行く先は北欧神話のユグドラシルの世界なのか?」


《さすが翔様。知識が深いですね。私はアース神により作成された神器です。翔様が転生される先は北欧神話のユグドラシルによく似た世界ですが全く同じではありません》


「神話は実在の世界だったってことか」


《我々の世界がモデルになったのは間違いないでしょう。そろそろ転生魔法の第二シーケンスに入らねばなりません。翔様の魔法能力以外の属性に能力値を禁則事項に抵触しない範囲で、最適化させて、振らせて頂きますがよろしいでしょうか》


「オマケしてくれよ」


《可能な限り頑張ります。翔様は、死んでない特殊な転生なので、普通の転生はできません。そこで、復活魔法などで死から復活するための『復活の天宮』に転生するはずです》

《翔様の転生は、外見では復活に見えると思います。復活魔法では時に記憶障害やレベルの劣化が起きる事が珍しくありません。翔様は転生後は復活障害により、殆どの記憶を喪失しレベルの劣化が生じた事にされると良いでしょう》


「あのバカ天使から逃れるためにそんな事をしなければならないと考えると、少々腹立たしくなるな」


《申し訳ありません。最後にユグドラシルでは、翔様の世界のオンラインに似た世界樹ネットワークと呼ばれる情報ネットワークが存在します。歴史の記録と通信手段として古い神々が構築したものです》

《もちろんレリエル様も常にリンクされているので、カモフラージュしないと直ぐに見つけられてしまいますが、カモフラージュのため私の一部を世界樹ネットワークとのリンケージ端末として翔様とご一緒させますので転生後の情報端末としてご利用ください》


「そいつは助かる。お前と話している感じで話せば良いのか?」


《いいえ。ここは転生のための魔法空間ですので、普通な感じで会話ができます。情報端末は翔様の精神と直接リンケージさせてただきますので頭の中で考えるだけで話すことが可能だと思います。何か名前でもつけていただけると呼べば答えるようにします》


「名前? それじゃ女の子の声だし、こんな感じの時はそうだな……アリスと名付けようか」


《承知しました。アリスと無言で呼んで頂ければ私の分身がお答えします》


「因みに、その世界樹ネットとやらで本家のアース神に今回の不正を暴くと言うのはどうなんだ?」


《アース神様も様々な方がおられます。翔様が想像されるように公平な方ばかりもは限りません。恐らくアース神族方はレリエル様の肩を持たれると思います。それよりも早くレベルを上げてレリエル様を超えてください。それが翔様の目的のための近道でしょう》


「しかし、多少レベルアップしてもバカ天使が神器を所持していたら敵わないんじゃないか」


《ユグドラシルでは、翔様の世界には存在しない魔物、聖獣、魔獣、妖精、精霊、不死者、悪魔、魔族や最高精霊の巨神族、アース神族、ヴァン神族などが存在します》

《そして、魔物などと闘うことで、レベルアップを図ることが可能です。それに才能次第でどこまでもレベルアップする事ができます。翔様のレベルアップには魔核精製の能力が重要なカギになるでしょう。転生後は、かなり酷い状態ですが悲観されず頑張ってください》


「他人事だな」


《申し訳ありません。それでは転生の第二シーケンスに入らせてもらいます》


 次の瞬間、強い衝撃が翔を襲った。気づいた時にはまた別の場所にいた。


002 了

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