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欠陥だらけの天才魔術師(副題:天災魔術師になった天才魔術師はスローライフを生きて行けるか?)  作者: Seisei
第二章 仲間編

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055 あんた母さんの僕(しもべ)ね

 ここは、悪魔伯爵デーモンカウントハルファスの城下町だった。


 魔界ヘル・ハイムの住人は見ていて楽しい。魔族や魔人という言葉には、恐ろしいや醜いと言うイメージがあるがそれは誤解だ。地上の亜人種が多かったオーラヴ聖王国を少し過激にしたら魔界の住人という感じになるだろうか。


 特に目を引くのは魔物に毛の生えたような魔族だ。知能が高く誰彼構わず攻撃して来ることは無いと分かっても恐ろしいものだ。


 メロなどはエンカウントの度に魔族をほふろうとするので、翔はメロの横に付きっ切りならざるを得なかった。


 ポールポジションとばかりに張り付いていたイリスはおかげで一歩引き下がらざるを得なかった。


 翔はウロウロしそうになるメロの手を引いて歩いていた。


「あっ」

 メロの可愛い声がする。


「待て。何だ? 勝手に方向を変えるな」

 翔はメロの手を強く握って引き寄せた。


 メロは何かを見つけたのか子供のように手を振っている。


 バタバタと人の駆けてくる音がして、見ると女性だ。


「アンジェリーナ」

 メロが声をかけた。


 昔、翔が転生間際に出会った女性だ。ゾリ伯爵令嬢でありながら悪魔崇拝組織に入ってしまった気の毒系の女の子だった。魔界に来ていたんだと何となく納得する。


「あなた達。久しぶり。随分多彩なメンバーが増えたわね」

 アンジェリーナが翔のメンバーを見回しながら言った。

「あの時は三人だったわよね。あの男の子とはお別れしたの。このイケメンさんは?」


「俺だよ」

 翔は怪訝な顔で言った。


「メロは前の翔が好き。今はエッチ感が増した」

 メロが辛辣に言ったがアンジェリーナには何の事か分からない。


 見かねたアメリアが割って入る。

「彼が翔だ。天使の呪いで平凡な男に見せられていたが呪いが解けて今の様になったのだ」


 アンジェリーナは盛大に驚いた。

「へええええ」

 よだれを流さんばかりにイケメンになった翔を見る。

「何か貴方。グアリテーロみたいね」

 アンジェリーナが周りの美女達を見回しながら言った。


「あいつなら夢燦河ムサンガの王子になってよろしくやっているよ」

 翔が教えてやった。


「そうらいわね」

 アンジェリーナが笑い出した。

「でも、貴方達はやっぱり凄い人だったみたいね」


 アンジェリーナは、翔のメンバー一人一人に視線を移しながらいちいち納得して言った。


「貴方は見た目は平凡だったけど趣味だけは一流だったもの。今は見た目も趣味も一流よね。しかもこちらの二人からは恐ろしいオーラを感じるわ。でもお二人の様子からして皆の中では下っ端みたいだし。貴方達ってどんなレベルなの?」

 アンジェリーナにはまだ闘気バトルオーラの制御が下手くそなルルとララの実力はある程度分かるようだ。


「まあ。こいつらのざっと二倍だ」

 翔が適当に答えておく。


「に、二倍?」

 アンジェリーナは呆れて声を上げた。


 アンジェリーナはルル、ララを100前後のレベルとみなしていた。それほどルルもララも闘気バトルオーラの制御が上手くなって来ていたのだ。その為、翔達のレベルを200前後だと誤解していた。


 アンジェリーナはマジックバックから世界樹の端末を出して何やら検索し始めた。


「ふふふ。貴方達。“焼鳥号”ってパーティー名はどうかと思うわよ。なるほど、グアリテーロから家宝のアイテムを貰ったようね。でもレベル35はひどすぎよ。改ざんするならそれらしく80ぐらいにしなきゃ」

 アンジェリーナが世界樹ネットの端末を操作しながら言った。


 その様子を見ていた翔はメニューでアンジェリーナの事を見る事にした。


『アンジェリーナ・ゾリ。レベル78。魔界騎士。ゾリ伯爵の令嬢。彼女は幼少から魔力が高く黒髪に黒い瞳だったため、魔人と恐れ嫌われた。その為、本当に魔人になってやると家出した。美しく真面目な性格であるが芯は強い。今は悪魔崇拝組織の人族の地位向上に尽力じんりょく中。魔女カロンが作った組織『魔界の人族の権利を守ろう会』の後進の組織『解放戦線』の主幹事の一人』


 翔はそのメニューを読んでなるほどと納得した。


「おい。メニューを読んでみろ」

 翔はメロの耳元でそう言った。


「おお」

 メロがそんな頓狂とんきょうな声を上げる。

「アンジェリーナ。貴方は母さんの(しもべ)


「なんでそうなる」

 翔がツッコミを入れた。


 アンジェリーナが怪訝そうな顔になった。


「このメロは、大魔女カロンと大賢者ゾングアルスの隠し子なんだよ」

 翔があっさをと秘密を明かした。


「ええ?」

 驚いたのはアンジェリーナだ。


 アンジェリーナは大きなため息をつき改めて翔達を見回した。


「なんか運命ね。こんな時に大地母カロン様の娘が現れるなんて。いいわ。いろいろ話したい事があるから私達『解放戦線』の本部に案内するわ」


055 了

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