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欠陥だらけの天才魔術師(副題:天災魔術師になった天才魔術師はスローライフを生きて行けるか?)  作者: Seisei
第二章 仲間編

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054 タララ、ラッタラ〜!

 アメリアがまゆから出て来た時、翔はその美しさに感嘆の声を上げた。


「妖精王。なかなか綺麗だな」

 アメリアは全裸でまゆから抜け出た。


 見事なプロポーションが際立って美しいが、さらには背中の羽が綺麗な色で輝いているのが神秘的で美しさをより一層引き立てていた。


 翔があまりにもジロジロ見たため、メロに雷撃を受けてひどい目にあった事は言うまでもない。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



「おい。また変な所に転移したな」

 翔が呆れた感を半端なく出しつつ言った。

「ここは何処なんだ?」


 どこでもいいので適当に転移しろと言ったのは翔だったのにそれを棚に上げている。


 しかしメロは文句を言いもせず、いつものように頰を膨らませもしなかった。


「『エクスプロージョン』!」

 いきなり極大魔法『大爆発エクスプロージョン』を発動したからだ。


 もちろん翔を相手に極大魔法を発動した訳ではない。メロは一度に前、後、左右の四ヶ所に『大爆発エクスプロージョン』を発動したのだ。


 しかし攻撃魔法の結果を見ていたメロは深刻な表情になり言った。

「翔。死なない」

 メロの顔は青ざめていた。


 翔達は、巨大な魔物に囲まれているのだ。


「メロ。大丈夫。たくさん死んだが復活しているだけだ」

 アメリアがそう言いながら第八グレイドの広範囲魔法である『大隕石メテオライト』を発動した。


 空間転移してきた隕石群が恐ろしい破壊力で魔物群に激突する。


 その時、我を忘れたメロが次元転移しようとしたので翔は『キャンセル』で魔法を緊急停止した。


「メロ。ここからは転出系の魔法は使うなよ。折角の獲物がうじゃうじゃいるんだからな」


 巨大な黒い影が翔達を取り囲んでいる。その巨大さにメロは我を忘れて狼狽うろたえてしまったのだ。


炎の巨人(フラミス・ギガンテス)、レベル350、恐ろしくタフで丈夫な魔物。第七グレイドの炎の魔法を使い、魔法に強いので物理的攻撃か爆発系、隕石などの魔法が有効』

 鑑定メニューにはそう書かれている。


「皆。外側を向いて輪になれ。ルル。ララ。ミケは輪の中に入れ。セーラは変身。輪になったら自分の前方に向けて火属性以外の自分の得意魔法を放て!」

 翔が命じた。


 翔の命令の通りに、新しく仲間になったマム村のララ、ルルと猫魔獣ミケと翔を真ん中にして、メロ、アメリア、イリス、レイラ、アリス、セーラの六人が丸く輪になって彼等を取り囲もうとする巨人の群に向けて魔法を放ち始めた。


超階位(オーバー・コート)魔法の『核爆発』ニュークリア・エクスプロージョンを放ったのはもちろんメロだ。


第九階位(グレイド)の魔法である『時間飛消クロノエクトル』『煉獄炎パガトリーフロミス』『絶対零度アブソリュートゼロデグリー』『極大破壊マキシマムフラクタル』などの魔法を次々に放っているのはアメリア、レイラ、イリスの三人だ。


 セーラは虹色の神龍レジェンドドラゴンに変身し、体力の続く限り、霜の咆哮(フロスト・ブレス)を吐いている。


 いきなりの惨状に、ララとルルは只々驚くばかりだ。巨大魔物の群に囲まれるなど信じられない出来ごとなのだ。


 猫魔獣ミケは、周囲を威嚇いかくしつつ、少しでも足しになれと祈りつつ、第六階位グレイド魔法を放っていた。


 翔は周りの様子を見ながら猫魔獣ミケの頭を撫で撫でしているのだ。


 ルルはいつもレイラがポジショニングしている翔の背中バックにここぞとばかり張り付いている。先輩のイリスから翔が胸を押し付けると喜ぶと言うことを思い出して胸を翔の背中に押し付けて一人で顔を赤くしている。


 その様子にララは困った子ねといったしかめ面を向けた。


 さすがにレベル350の超・魔物達も翔達の恐ろしい魔法に何十体単位で倒れていった。しかしどこから湧いてくるのか魔物の群は次から次に現れる。


「『出口探索サーチイグジット』!」

 翔が出口を探す魔法を発動した。


 この魔物の群の発生する特殊な場所の出口はセーラの前方、約三キロ先にあるようだ。


「転移するぞ」

 翔はそう言うと出口近くに転移した。


「よし、出口を背にこちにして扇型になり、魔物が近寄るのを防げ」

 翔はそう命じた。


 皆は翔の命令通り各々、魔法を発動し始めた。


 突然位置が変わった翔達に向けて炎の巨人(フラミス・ギガンテス)が集まってくる。


 翔は彼ですらまだ無詠唱では使えないほどの大魔法を唱える為の下準備を始めた。


 ます最初に魔法の発動を加速させる術式を何重にも展開する。次に焦点を合わせ魔法の発動範囲をセーラの前方に集中させる術式を展開する。次に魔力をエネルギーに変換する術式を展開して翔の持っている膨大な魔力を注ぎ込んだ。それだけではなく、周りの魔物達から魔力を奪いそれら全てを注ぎ込んで行く。燃費の良い翔がそこまでする程、この魔法には魔力が必要なのだ。

 次に物理法則を無視したエネルギーを倍加する為の術式を今までに無く大々的に展開した。エネルギー保存則を無視するこの魔法が最も難しい魔法を精緻せいちかつ大きく展開して行くのはもはや神業をすら超えている。そしてそのエネルギー倍加の術式をさらに何重にも何重にも重ねがけし、魔力をどんどん注ぎ込んで行った。


いにしえなる炎の神。炎の最高精霊インフリート。大魔王サタン。大玄武。大青龍。大朱雀。大白虎の四聖。大猿神たる斉天大聖ら力ある全ての者に命じる。ここに請来し、あらゆる原初の怒りたる大魔法。大魔術を活性化し、爆発させその御技みわざを実現せしめよ! 『超新星』(スーパーノバ)!!!」


 翔はそう唱えるとその魔物の巣窟の出口に向かって歩き始めた。


「おい、直ぐに魔法が発動するぞ、そこにいたら魔物と一緒にあの世行きだぞ」

 翔が皆に言った。


 皆は翔が展開した魔法の術式である魔法陣のありもの巨大さとあまりもの鮮明さとあまりもの精緻せいちさに度肝を抜かれて唖然と只々見とれていたのだ。


 彼らはその大魔法陣によって照らしだされて初めて、自分達がいたその空間が本当に巨大な空間であり、その大空間の遥かな彼方まで炎の巨人(フラミス・ギガンテス)が埋め尽くされている恐ろしい空間に出てしまっていたことが分かったのだ。


「行くぞ!」

 翔が厳しく叱咤しったした。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 翔達がその空間から出て暫くしてから、ユグドラシルは今までに経験したことがない巨大な揺れに見舞われた。


 『超新星』(スーパーノバ)は、火属性の魔法であるが、あまりにも破壊力が高いため、同じ火属性の魔物である炎の巨人(フラミス・ギガンテス)を一瞬で燃やし尽くしたのだった。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 悪魔皇帝(デーモン・エンペラー)ベルゼブブは、その揺れの前に、全身を硬直させた。


「うぬ。恐ろしい魔力が集中しておるぞ」

 地獄の底から聞こえるような地響きのしそうな声でベルゼブブは言った。


 その直ぐ後に揺れが起こった。


「ぐぬ!」

 ベルゼブブは全身に力をいれて揺れが収まるまで様子を伺っていた。


 その時にベルゼブブが発した闘気バトルオーラの為に側近のレベル100を超える悪魔貴族(デーモン・ロード)達が意識を失った。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


天界ヴァルハラ


 戦女神ヴァルキューレブリュンヒルデは、ハッとして身構えた。


(何かが来る)

 そんな感覚だった。


 次の瞬間、世界樹の大枝な大きく揺れた。


「何重にも防御されているはずなに」

 ブリュンヒルデは呟いていた。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


【天使宮】


 翔をユグドラシル世界に引き入れた天使レリエルは、その時背筋に恐ろしいオーラを感じた。それはもう記憶の彼方にあったあの生意気な転生者の男の子を思い出させた。


 次の瞬間、天使宮が恐ろしい揺れに見舞われた。そんな事は天界では有ってはならない事だった。


 脳裏に終末ラグナロクではないかとの危惧が激しく湧き上がり吐き気がした。


 あろう事か、この高位の天使が住まう階層で天使達の悲鳴を上げている声が聞こえた。


 なぜか悪寒のような物が走り背筋に冷や汗が流れた。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


魔界(ヘル・ヘルム)


「翔様。凄いです」

 叫んだのはルルだ。


「は?」

 翔が怪訝そうに聞いた。


「レベルがバババババンって上がりました」

 ルルが嬉しそうに言った。


 数えられないようなレベル350もある超・魔物を退治すればそういう事になるだろう。


 翔達は、レベルが爆上がりすることは日常茶飯事なのだが、ルルもララも初めての経験だ。


 翔にしてみると、ララもルルも単に可愛いから連れてきただけであまり深い意味はなかった。


 他のメンバーは、何もかも翔に負んぶ抱っこだから文句の出ようはずがない。


 彼等が歩いていると遥かな先に人影が見える。その人影はこの近くに住む村人らしい。


 少し近づいて見た感じは魔人風の人族だった。ただの村人なのだがレベルは32もある。


 やはり魔界(ヘル・ヘルム)は凄いところなのだが、マム村の村人達があまりにもレベルが高過ぎたため翔達にはその村人が可哀想過ぎる人に見えている。もはやレベルインフレが半端なさ過ぎて翔達の感覚は完全崩壊中だ。


 一方の村人は突然大勢の美女がゾロゾロやってくるので驚いている。

「おお。あんた等、どこからやって来たぞな?」

 彼はそう言って翔達がやって来た方向に視線を走らせた。

「ワシは今日一日中ここで働いていたがあんた等は通らなかっぞな。まさか炎の巨人の世界からこちらに来たわけはないだろが。さっきはびっくりするような地震が来たが……」


「ここはどこだ?」

 翔が村人に尋ねた。


「ここは、ヤンダと言う村の外れぞな。ここは時々そこの出口を通れる巨人がやってきてこの辺を荒らすからワシのような者しかおらんがの」


 村人はワシぐらいレベルの高い人間しかいる事が出来ない危険な場所と密かに自慢しているのだが翔達には全く違う意味で通じている。


「しかし、あんた等。こんなところをウロウロしていたら危ないぞな。ここは魔力がとても高い。魔界キノコがたくさん取れてワシはウホウホだがな。あはは」

 村人は豪快に笑いながら言った。


「俺たちは、ウートガルザの首都エルューズルニルに行きたいんだが」

 翔が言った。


「はい?」

 村人はひどく驚いて尋ねた。

「こんな辺境の村からウートガルザになんぞ行く者はおらんぞな。この道を遥かに真っ直ぐ進むと、悪魔伯爵様が住まう館があるぞな。その周辺はここよりも繁盛してとるからそこで聞けばいいぞな」

 村人はそう教えてくれた。

「しかし、あんた等はどこから来なさった?」


「あっちの穴からだが」

 翔が答えた。


「まさか。あっちの穴の中は炎の巨人(フラミス・ギガンテス)の巣じゃないか。あんなとこに入ったら悪魔の大旦那様でもひとたまりもないぞな。あそこは異常スポットとかで伯爵様が調べなすったことも有ったが魔物の強力さに調査を断念したと聞いておるぞ。お前等が伯爵様以上の能力者ならいざ知らず」

 村人は笑って相手にしない。


 しかし、村人は信じられない光景を見せられる事になる。


 それはこの瞬間、一匹の炎の巨人(フラミス・ギガンテス)が彼らを追うように背後から走ってくるのが見えたのだ。


 村人は一瞬で凍りついて死を覚悟するほど、炎の巨人(フラミス・ギガンテス)は威圧感を振りまいていたが、先頭の少年があごをしゃくって合図すると、隣の端正な顔だちの山高帽子を被った魔術師風の少女が驚くべき跳躍力を示して巨人に飛びかかるとあろう事か、巨人を鷲掴わしづかみして恐ろしい勢いで地面に投げつけていた。


 物理法則を全く無視したように見える攻撃により、炎の巨人(フラミス・ギガンテス)はあえなく退治された。


「ありえない……」

 村人は翔達が見えなくなるまでぼんやり彼らの後ろ姿を眺め、視線を外す事が出来なかった。


 ルル、ララを含めた翔達総勢十一名はゾロゾロ、無駄口を叩きながらのんびりした足取りで歩いて行った。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆


【翔達のレベル】


○翔

レベル602

職業 大魔術師、創造師クリエーター槍術師ランサー、『幻妙流』相伝者、調合師、半神英雄エインヘリャル


○メロ

レベル588

職業 神使セオマスター、大魔術師、魔女ウィッチ、杖術師、半神英雄エインヘリャル


○アメリア

レベル580

職業 至高者オプティマス、魔術師、聖騎士パラディン、大妖精使、半神英雄エインヘリャル、妖精王


○イリス

レベル568

職業 魔王女デビルプリンセス魔物使モンスターテイマー、魔術師、魔騎士、半神英雄エインヘリャル


○レイラ

レベル583

職業 戦半女神デミヴァルキューレ、魔術師、大魔導士、神聖魔法師、半神英雄エインヘリャル、女神


○アリス

レベル586

職業 魔法情報師マギインホマスター弓師アーチャー、調合師、魔術師、半神英雄エインヘリャル


○セーラ

レベル554

職業 龍神、竜騎士ドラクーン、魔術師、召喚師、半神英雄エインヘリャル


あおい芹那せりな

レベル604

職業 大魔王、大魔術師、半魔族


○ミケ

レベル388

職業 猫魔獣、賢猫、炎の猫


○ルル

レベル293

魔界戦士、勇者の末裔


○ララ

レベル210

魔界の守り手(ガーディアン)、勇者の末裔


054 了

すみません。

少し更新が遅れました。

どんどん更新しますので。よろしくお願いします。

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