#6 戦闘回避…働きたくありません…
ちょっと物語が進められたかな。
5の月12日
出発して11日経ちました。
え?過程?せいぜいヴォルフ4体とシューティア1体が襲ってきたくらいだったよ。あ、俺たちのとこだけでね。他の人たちはもっと戦ってたよ。
魔石を手に入れたので、俺の『付与』のレベルアップと、ティアの『闇魔法』、『時空間魔法』、『虚無魔法』を発現させる為に付与を行った。特訓の末、無事発現させることが出来たことはお察しの通りだろう。
ビックリさせられたのが『虚無魔法』だ。レベル表記が無いと思っていたが、付与出来たことから認識が間違ってたことが判った。レベル=『イネイン』の制御度合らしい。ティアを見てたら、レベル1の制御は無生物で拳ほどの石を消すことがやっとだった。ティア曰く、生物を消すのは高レベルの『魔力操作』と多くの魔力が必要だろうとのこと。そりゃ、俺の『虚無魔法』がカンストするわ…
・・・
俺たちはラウンド市まであと1日ちょっとの所まで来ていた。
今度こそゆっくり過ごすぞ!!…と思っていたんだが・・・
『マップ』を見ると、俺たちの進行方向に赤いマークが1、2…30以上!?
「エリオットさん!!俺の索敵に多くの敵対者が引っ掛かりました。場所は前方約5kmです。シモンさんに報告するため、ティアをここに残して俺は先頭に向かいます」
「!!…分かりました。急いで下さい!!」
俺はエリオットさんに現状を説明し、先頭のシモンさんに報告に向かう。
「シモンさん!!緊急の報告があります!!そちらの馬車に乗り移らせて下さい!!」
先頭に到着した俺は馬車と並走しながら、シモンさんに呼び掛ける。
「トールさん!?…分かりました。御者台の方へ来てください」
俺は馬車に飛び乗り、シモンさんと「男祭」を交えて先ほどの情報を展開した。
「・・・それは…「男祭」さんは何か感じますか?」
「ちょっと待ってくれ………ちっ、シモンさん、トールの言ってることは本当みたいだ。数の詳細は分からんが、いくつかの敵が進行方向にたむろってやがる」
ハンスさんが『気配察知』を集中して感じ取ったのだろう。しかめた顔をしてシモンさんに裏付けの報告をした。
「!!…分かりました。馬車を停めますので、ハンスさんは先行して偵察をお願い出来ますか?」
「了解した」
ハンスさんは馬車が停まるのを待たずに、勢いよく飛び出していった。
「グスタフさんは停車後、各パーティーを私の下へ召集してください。トールさんはセレスティアさんを連れて来てください」
「応!了解だ」
「はい、分かりました」
5分後、馬車を停車させ、各パーティーがシモンさんの下へ召集された。
「現状、「男祭」と「日月」の索敵の結果、進行方向に敵がいると予想されます。今、ハンスさんが偵察に…」
「戻ったぞ」
シモンさんが説明していると、ハンスさんが偵察から帰ってきた。
「お待ちしてました。報告をお願いします」
「分かった。俺たちの進行方向にスケルトンやゾンビのアンデット集団が約30体確認出来た。スケルトンは武器持ちもいるので、少々倒すのが困難ではある」
「アンデットですか…なぜこんな所に。時間は夕暮れ…アンデットの行動時間ではありますが…」
「それは、俺にも分からん。だが、ラウンド市に行くには殲滅するしかないな」
シモンさんもハンスさんもアンデットが出現する理由が分からないみたいだ。あとで聞いたが、アンデットは基本魔力溜まりが多い魔の森くらいにしか出現しないらしい。
「では、護衛の皆さんに討伐をお願いします。馬車はここに停車させておくので、1パーティーを護衛として残して下さい」
そりゃそうか、全員で行って馬車が襲われては本末転倒だしな。
「ふむ、誰が残る?」
と、グスタフさん。
「俺たちが残りましょうか?」
「トールか…では、「日月」が残ってくれ」
「残るのはいいんですが…」
「分かってるさ。こいつは共同戦線だ。素材は折半するぞ。お前らもそれでいいだろ?」
「男祭」と「鎌鼬」は全員頷いているが・・・
「ちょっと待て!!なぜ、そんな簡単に即決するんだ!!護衛なら俺たちでもいいだろう!!」
アーサー(バカ)が何か言っている。戦わず、素材を貰いたいのだろうか?
まぁ、俺はそれを狙っているが…
「まず、こいつらには俺たちよりも優れた索敵能力がある。真っ先にアンデットの存在を感知したからな。そして、トールは「男祭」全員を破った強者だ。俺たちが否定できるほど弱くはねーよ。最後にアンデットの討伐に人数をかけたい。つまり、速攻で終わらせたいわけだ。以上が「日月」に護衛を任せる理由だが、反論はあるかい?」
「自分もグスタフに同意する。そんなに強いとは思わなかったが、やはり「日月」に任せて良いと思う」
グスタフさんもサイラスさんもなんか俺の評価高くね?いや、嬉しいんだが…
「ぐっ…分かった。もういい…」
もういいって…アーサーのやつ子供か!!
「では、お願いします。お気を付けて」
シモンさんの言葉を聞き終わると、各パーティーはアンデット討伐へ向かって行った。
・・・
「じゃあ、ティア。俺たちは俺たちの仕事をしよう。まず、この魔物避けを隊列の四方に刺そう」
3パーティーが出発して直ぐ、俺は盗賊から奪った魔物避けを利用して安全地帯を作った。
「主殿、終わったぞ。次はどうするのじゃ?」
「…ティア、俺は『ルーム』でさらにここを覆う。一時索敵を受け持ってくれ。そんなに時間はかからない。そして、キャメロン商会の皆さんに魔物避けから出ないように伝えてくれ」
俺は小声でティアに提案をする。
「…分かったのじゃ」
ティアは早速行動を始めた。
「よし、『ルーム』・・・成功だ」
俺は『隠蔽』を掛けつつ、万が一のことが無いように予防策を講じた。
「主殿、伝えてきたのじゃ」
「ありがとう。ここからは索敵をしつつ警戒だ」
「了解なのじゃ」
「・・・そういえばティア、アンデットに効く魔法って無いのか?」
「あるのじゃ。『パーゲーション』じゃな。光と無の合成魔法でイメージは光で闇を塗り潰して呪縛を解く感じじゃな」
『パーゲーション』?読みにくいな。イメージはそのままで『浄化』にするか。
「ほー、やっぱりあるんだ。イメージを聞いたから多分もう使えるな」
お!?これってアレにも使えそうだな…
「くっ、我も頑張れば使えるのじゃが…なんか悔しいのじゃ」
「ハハハ…」
ちぃーとすみません!!なんちゃって。(かけたの分かったよね?)
・・・
約20分後、3パーティーとも多少の怪我が見られるが、無事戻ってきた。
俺はティアに指示を出し、魔物避けを回収に向かわせ、『ルーム』を解除した。
「ご苦労様です。終わりましたか?」
シモンさんが労いの言葉を掛ける。
「応!全員無事だ。アンデットも討伐し終えたぜ」
グスタフさんが笑顔で応える。
「お疲れ様です。皆さん。こちらは異常無しです」
「おー、お疲れ。素材…つっても、魔石やらボロの装備くらいしかないが、これの分配は夜でいいな」
「はい」
「では、出発しましょうか。ここを急いで離れて、野営の準備をしましょう」
シモンさんの号令で俺たちは再び、ラウンド市を目指し歩を進めた。
・・・
今日の報酬は闇属性の小魔石を8個と中魔石を2個貰えた。アンデットの装備を辞退することで、魔石を少し多めに貰うことが出来た。
ヤッフー!!!
しかし、アンデットが何故発生したのか知らぬまま、報酬が増えたことに喜んでた俺は、王都で起こっている面倒事に巻き込まれるようになっていく。
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名前:トール
種族:ヒューマン
年齢:15
ギルドランク:D-パーティー:「日月」
犯罪歴:無し
保持者
・『魔人』
エキスパートスキル
・『威圧』・『心眼』
・『物品鑑定』・『魔物鑑定』
・『人物鑑定』・『一撃必殺』
・『アイテムボックス』・『魔力譲渡』
・『天恵眼』・『すきと~る』
・『隠蔽』
マスタースキル
・『気配察知』・『気配消失』
・『威嚇』・『突撃』
・『指揮』・『投擲』
・『異常状態耐性』・『算術』
・『奪取』・『体術』
・『剣術』・『看破』
・『物品知識』・『魔物知識』
・『接客』・『槍術』
・『斧術』・『騎乗』
・『料理』・『性技』
・『透過』
レアスキル
・『マップLv.9』・『薬剤Lv.9』
・『調理Lv.9』・『錬金術Lv.7(↑)』
・『服飾Lv.7』・『以心伝心Lv.7』
・『罠使いLv.8』・『農業Lv.8』
・『採取Lv.8』・『魔力吸収Lv.4(↑)』
・『魔法破壊Lv.4(↑)』
スキル
・『罠術Lv.9』・『弓術Lv.7』
・『棒術Lv.2』・『盾術Lv.8』
・『鎚術Lv.4』・『鞭術Lv.3』
・『杖術Lv.2』・『鎌術Lv.5』
・『調合Lv.6』・『農工Lv.7』
・『裁縫Lv.3』・『調教Lv.3』
・『測量Lv.6』・『錬成Lv.3』
・『付与Lv.6(↑)』・『詐術Lv.5』
所有奴隷
・セレスティア
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名前:セレスティア
種族:エルフ
年齢:167歳
職業:奴隷-探索者-ランクD「日月」
犯罪歴:違約金未払い-200000モル
レアスキル
・『心眼Lv.6』
スキル
・『弓術Lv.6』・『杖術Lv.3』
・『気配察知Lv.6』・『気配消失Lv.5』
・『看破Lv.6』・『魔力操作Lv.7(↑)』
・『並列思考Lv.6』・『接客Lv.3』
・『算術Lv.3』・『異常状態耐性Lv.4』
・『魔物知識Lv.3』・『物品知識Lv.3』
・『調合Lv.3』・『異常状態付与Lv.2』
・『裁縫Lv.1』
魔法スキル
・『無魔法Lv.6』・『水魔法Lv.5』
・『風魔法Lv.4』・『光魔法Lv.4』
・『火魔法Lv.3』・『地魔法Lv.3』
・『闇魔法Lv.3(new)』・『時空間魔法Lv.3(new)』
・『虚無魔法Lv.2(new)』
所有者
・トール
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