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すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第3章 王国の戦友
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#5 押して引いて…押し強くて…

槍の基本は、突き・なぎ・払いだったはず

さて、イルテミナ市に着いたがどうするか…


商会の方は1日使って荷物の積み降ろしをするから、5の月2日の9時に北門集合ってことで解散となっている。解散時に時間に遅れなければ、正直1日何をしてもいいと言われたんだが…魔石のために1日使って討伐するべきではないなとは思っている。折角、新しい街に来たんだからな。


とりあえず、ギルドでヴォルフの素材を売って、ツバメのお宿をに入ったところで5の鐘が鳴ったので、今日は休むことに決めた。

余談だが、シングル2部屋取ろうとしたのに、宿の女将さんにツインでいいと勢いよくティアが詰め寄って、なし崩しでツインになってしまった。明日の朝何もなかったら、俺の自制心を誉めてほしい…



・・・



5の月1日

朝…チュンチュン…



な~んにも無かったですよ!!ええ…


さて、今日は何をするのかというと、昨夜話し合って朝は装備の点検や軽く訓練をしようという話になった。昼からは休息がてら街をぶらぶらする予定だ。


だが、どうしてこうなった…


「ガッハッハ!実はお前と闘ってみたかったんだ!!」


俺はグスタフさんと向き合っていた…



・・・



「ふっ…ハァッ…」

朝、ご飯を食べて少し時間が経った頃、俺たちはギルドの訓練場に来ている。

俺は仮想敵を想像しての組手を行い、ティアは弓やサブ武器の訓練をしている。


「おっす、「日月」も訓練か?」

グスタフさんが「男祭」の皆さんと一緒に訓練場に入ってきた。


「おはようございます。「男祭」の皆さんも訓練ですか?」


「ああ、今回の護衛ではあまり体動かせなかったからな。いや、いいことなんだがな…」

「男祭」全員頷いてやがる…戦闘狂かよ!!


「ハハハ…勘を鈍らせるのはよくないですからね」


「お、分かってるじゃねーか。お、そうだ!!トール、模擬戦しようぜ!模擬戦!!」


「おい、グスタフ!!いつも言ってるだろう、相手の今後の予定も聞いておけと…」

あっれ~?何か模擬戦受ける前提で言ってませんか?ネイサンさん…やっぱ、言いにくい。


「そうだった、そうだった。で、トールはこの後予定あるか?」


「ええ、一応…装備の点検に行こうかと・・・」


「じゃあ、ヤれるな!!」


「はぁ?」


「模擬戦しようぜ!!依頼に行かないなら出来るだろう?」


「いや、確かにそうですが…」


「夕食奢るからさ!!それに、闘いの勘は一人じゃ育たないぜ!!闘おうとしない限りな!!」

やっぱり戦闘狂だよ…だが、一理あるか。自己完結する訓練じゃ、限界があるしな。


「分かりました。こちらにも得がありますし、やります。ただし、ちゃんと奢って下さいね!」


「応!!じゃあ、セレスティアの嬢ちゃんも呼んできな。模擬戦の見届け人がお互いに必要だろう」

見届け人?何のことかと思ったら、難癖つける奴がいるんだと…勝った負けたで。で、慣習で見届け人を配置するようになってるらしい。素直に負けくらい認めろよ…



・・・



「ガッハッハ!実はお前と闘ってみたかったんだ!!」

模擬戦の準備を終え、俺たちは向き合っていた。

確かに模擬戦の同意はしたが、その台詞は無いわ~…


「それでは、模擬戦を始める。ルールは基本寸止めで、放出系の魔法はなし。勝敗は戦闘不能及び相手の降参だ。両者準備はいいな?」


「はい」

「応」


「それでは、始め!!」


ハンスさんの号令の下、俺とグスタフさんは同時に身体を強化し、俺はいつも通り地面を硬くしようとしたが、グスタフさんは一足で俺に近付き、槍を突き出してきた。


「クッ!」

俺は半身を引き、槍を回避したが、追撃で横凪ぎが来た。それを両腕を立ててガントレットで防御、そして槍が当たると同時に後方へ跳んで衝撃をにがしつつ、間合いを取った。


「やるな!」

グスタフさんが空けた間合いを詰めようとしてきた。さっき、グスタフさんがやっていた移動法…地面を壊さずに素早く動いていた。俺にも出来るはずだ…見極めろ!!


・・・そうか!体重移動と重力か!!接地している足だけで速度を出すんじゃなく、重力で前に倒れるように足をスライドさせて前に出し、後ろ足で地面を蹴る。すでに前への力が働いているから衝撃で地面を壊すこともなく、また初速を上げれるから間合いがすぐ詰められる。


これだけでも、模擬戦を受けたメリットがあったな。『身体強化』のデメリットが減った。


再度突きを放ってきたグスタフさんの槍を、左手のガントレットで横に弾き、軸をずらして回避する…が、流石槍使い、槍の引きが早く連続で突きを放ってくる。これも左右のガントレットで弾き、摺り足で徐々に間合いを詰める。


グスタフさんは仕切り直しなのか、攻撃を止めて後方へ跳んで間合いを空けた。


「お前本当にランクDかよ…どんどん動きが良くなっていくしよ~。自信無くしそうだぜ。…だが、面白い。もう一度いくぞ!!」


そう言うとグスタフさんは間合いを詰めて槍を振り降ろしてきた。これを身体を引いて回避したが、振られた槍が地面に当たる前に止まり、グスタフさんが再度間合いを詰めて今度は股下から槍を振り上げる。これを両手で抑えた…スゲー力…


グスタフさんは槍を引こうとしたが、俺は槍を掴んで思い切り引っ張った。俺が槍を奪うと思ったのか、グスタフさんも思い切り引っ張っり返してきた…が、ここが俺の狙いだ。


槍が引かれると同時に間合いを詰めつつ、槍に俺の魔力を込めながら半回転させてグスタフさんの両手を槍から弾き飛ばす。そして、石突きをグスタフさんの首に突き付けて寸止めした。


「止め!!勝者、トール!!」

ハンスさんの軍配を聞き、俺は大きく息を吐いた。


「いやー、負けた負けた。つえーな、お前。やっぱ、ランクDじゃねーよ」

「ハハハ、ありがとうございました」

槍を返却しながら、グスタフさんに返答をする。


「そうだな、グスタフに勝つ程だ。ランクBでもおかしくはないだろう」

「だな。これでまだ魔法も使うと…」

「末恐ろしいな…だが、味方なら頼もしい」

ハンスさん、ネイサンさん、マーカスさんの順で俺を褒める。止めろよ~…恥ずかしい。


「主殿、格好良かったぞ。だが、あれを見るとやり過ぎたかもしれんのう」


「ありがとう、ティア。あれってなんだ?」

ティアが指差した先を見ると…「男祭」の皆さんが笑顔でこっちを見ていた。


「「「俺(私)ともヤろう(ぜ)!!」」」


「あ、ハイ…」

この後、残りの3人ともヤりましたよ。ハンスさんとネイサンさんはグスタフさんと同じルール、マーカスさんは魔法ありで…全勝しましたよ。盾の使い方を学べて良かったです。(マル)



・・・



5の月2日

昨日は大変だった。模擬戦に始まり、訓練が終わってやっと休息出来ると思ったら、夜にめっちゃ飲まされた。この世界では15歳の成人時から飲酒が解禁される。こっちでも全員潰したぞ…『異常状態耐性』の凄さを知ったわ。初めて酒飲んだのにほとんど酩酊感が無かったからな。


ティアが酒に弱いのも初めて知った。宿に帰ってきて、吐きそうになったときは慌てたね。


そして今日、北門に集合したが、「男祭」の皆さんとティアはぐったりしていた。

まあ、覇気が無いわけではないから大丈夫だろう。


酒は飲んでも飲まれるな…日本人は良い格言を作るね!



そんなこんながあったが、俺たちは護衛依頼を再開し、一路ラウンド市を目指し始めた。

預金:8780750モル

※所持金:50000モル、計8830750モル


素材の売値:750モル、宿泊費:9000モル、昼飯:1000モル


次回、騒動が始まるか?

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