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すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第2章 覚悟の在処
77/329

#62 全てを賭けて-all or nothing-

通常視点に戻ります。



7/16:セレスティアの『料理』スキルを削除しました。

「簡単に説明すると、こう言うことね。でも、あなた本当におかしいわよ。ここまで用意した計画がほとんど通じなかったんだもの」


「そりゃ良かった。まだ、死にたくはないからね」

俺はニヤッと笑った…

虚勢くらい張らねーと、怪我が痛ーんだよ!!

…っは~っは~


「ムカつくわね…その顔…」

ドナが苦虫を噛み潰したような顔をしている。


「実際、余裕だからね。この状態でも、君たち2人くらいは倒せるからさ」

ドナが状況を説明している間に、『人物鑑定』と『天恵眼』で能力の確認は済ませてある。



---------------------------------------------------

名前:ドナ

種族:ヒューマン

年齢:19歳

職業:探索者-ランクF

犯罪歴:詐欺罪-1件、殺人未遂罪-1件

レアスキル

・なし

スキル

・『算術Lv.5』・『物品知識Lv.4』

・『接客Lv.5』・『料理Lv.5』

・『看破Lv.3』・『異常状態耐性Lv.2』

・『性技Lv.4』・『魔力操作Lv.2』

・『剣術Lv.1』・『詐術Lv.3』

魔法スキル

・『無魔法Lv.2』・『火魔法Lv.2』

所有奴隷

・セレスティア

---------------------------------------------------



---------------------------------------------------

名前:セレスティア

種族:エルフ

年齢:167歳

職業:奴隷-元探索者ランクC

犯罪歴:違約金未払い-200000モル

レアスキル

・『心眼Lv.6』

スキル

・『弓術Lv.6』・『杖術Lv.3』

・『気配察知Lv.6』・『気配消失Lv.5』

・『看破Lv.6』・『魔力操作Lv.4』

・『並列思考Lv.5』・『接客Lv.3』

・『算術Lv.3』・『異常状態耐性Lv.4』

・『魔物知識Lv.3』・『物品知識Lv.3』

・『調合Lv.3』・『異常状態付与Lv.2』

・『裁縫Lv.1』

魔法スキル

・『無魔法Lv.6』・『水魔法Lv.5』

・『風魔法Lv.4』・『光魔法Lv.4』

所有者

・ドナ

---------------------------------------------------



「ウソね!この奴隷は元ランクCなのよ!!そんな傷負ってるお前なんかに負けるはず…」


「ウソじゃないさ。『キュア』、『リカバー』」

やっと回復できる隙ができた。

俺は膝立ちから立ち上がった。


「なっ!無詠唱!!しかも、『キュア』って…そんな早さで治らないはずよ!!」

ドナが驚愕の表情をしている…が、奴隷の方は最初から無表情で動かねーな。気味が悪い。


「知らんがな…だが、それだけ俺の熟練度が高いということさ」


「くっ…」


「俺はランクCに相当する盗賊のボスを倒している。そして、今の俺は疲れもない。

これで、勝てないことが分かったかい?降参してくれないかな?」

こんだけ余裕を演じれば、諦めてくれるかな?


「ふふ、ふふふ…勝てない?降参?

そんなことで私の憎しみは消えないのよ!!!

力押しが無理なら、こうするわ!!」

ドナは激昂したあと、持っていた短剣で自分の心臓を突き刺した。


「なっ!一体何を…」

突然すぎて、俺は彼女の奇行を止めることが出来なかった。


「本当は…使いたく…なかった、けどね…お前を殺す為に…何でもやる…って決めていたのよ!!

ゴホッゴホッ・・・これは『カース』…『闇魔法』に適性が無くても…使える…自分の命を使った…呪いの魔法…

私が死ねば、発動するわ…」

彼女は咳き込みながらも、説明を始めた。死刑宣告をするかの様に…


「なら、貴女を助ければいい!」

俺は彼女の下に向かおうとした…が、


「む、ムダよ…セレスティア!全力であいつを足止めしなさい!!

ゴホッゴホッゴホッ・・・私が死ぬまで…ね…」

奴隷--セレスティア--が俺の前に立ち塞がり、絶え間無く短剣を振るってくる。



「これで…終わり・・・ゲルト、私もそっちに行くわ…そして、約束を・・・」

ドナは笑っており、何かを呟いていた…が、俺はセレスティアの猛攻を避けている為に、聞き取ることが出来なかった。



「ちっ、じゃあ『スロウ』、『アクセル』!!」

俺はドナに近付こうと『時空間魔法』を掛けた…が、


「『アイスウォール』」

セレスティアが魔法を放ち、俺の進行を遮る。


「ちっ!!」

経路を変えながら進もうとしても…


「『アイスウォール』…『アイスウォール』…『アイスウォール』・・・」

防がれる一方だ。『スロウ』使ってんのに…予知能力でも持ってんのか!?…って、そうか!『心眼』か!!


俺はまず、セレスティアを倒そうと方向転換しようとしたとき…



突然、魔法が消えた…


「なっ!…まさか!!」


「そうじゃ、ご主人様は死んだ。よって、命令は解除されたのじゃ」

今まで何の反応も示していなかったセレスティアが、突然話始めた。


「あんた喋れたのか!?」

表情も見てとれるようになっている。


「ご主人様が「喋るな」、「何があっても表情を出すな」と命令していたのでな…」


「まだ、俺を殺しにくるか?」


「いや、ご主人様が死んだことで、我の所有者がそなたに移っておる。ご主人様を殺せる奴隷などほとんどおらんよ…そんなことをすれば我が死んでしまうのでな…」


「所有者が移る?ご主人様?一体どういう…」


「そんなことより、『カース』の心配をした方がよいのではないかの?そろそろ…」


「くっ!左手が!!」

左手を見ると、手先から腕に向かって肌の色が黒へと徐々に変色し始めていた。


「ご主人様は『カース』の侵食速度が遅いの~。常人なら数秒で全身が黒くなって死ぬんじゃが…余程『異常状態耐性』のレベルが高いのかのう?」


「呑気に話してないで、対処方法があるなら教えろ!!」


「それもそうじゃな。『ディスエンチャント』…解呪魔法で『光と無魔法』の合成魔法じゃ。

魔法のイメージは、黒い呪いを追い出すイメージじゃな。

詠唱は『我、願う。光と理を司る者よ、悪しき(まじな)いを振り払いたまえ』じゃ。

我はこの魔法を使うことは出来るが、如何せん命を使った呪いを解呪するほどの力量は持っておらん。

どうするのじゃ?」


「…判った。・・・ふー…」

俺は精神を統一し、一時的に呪いの痛みを無視する。


「ご主人様?」

心配しているのか、セレスティアが俺に声を掛けてくる。


「『ディスエンチャント』!!」

俺の命を呪いになんかにやるものか!!!!


「なっ!!」

魔法を使った俺に驚いているのか、セレスティアが声をあげる。


左腕の肘に達しそうだった呪いは、白い光に押し返され、徐々に呪いを手先の方に追いやっていく。


やがて、呪いは指先から追い出され、光に包まれて…消滅した。


「・・・よし!!終わった~…」

俺は疲れから尻をつき、


「今度のご主人様は異常じゃのう」

セレスティアは俺を見て若干呆れていた。



こうして、俺と「草原の狼」との戦いは一応の終わりを迎えた。

次回、後始末①

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