#58 盗賊発見
今回、盗賊初登場
4の月13日
この日は街を離れる前に、最後の討伐依頼でも受けておこうかなと思い、ギルドでシュバイン(猪)×2討伐を受けました。もちろん、肉目当てです。1匹多めに狩って非常食にしようかなと思いまして…
案外居るもので、計4匹狩りましたよ。
え?戦闘?
レーヴェに比べると速くもなく硬くもなく、新しいスキルもなし、しかも『無魔法』で身体や武器等を強化した上に『アクセル』、『スロウ』の合わせ技………苦労しませんでした。
街に帰ろうとすると、森の出口付近で『気配察知』に人間の反応が…近付いてくる。
「誰か助けて」と聞こえたので、そちらに向かって全速力で走ります。
「きゃ!」
女性が俺に驚いたのか、小さな悲鳴があがった。
「驚かせてすみません。助けてと聞こえましたが、どうしたんですか?」
「そ、そうです。助けて下さい!
パーティーメンバーが盗賊に捕まって連れていかれたんです!!
救出したいんですが、早くしないと奴隷商に売られてしまいます!!
盗賊の話を盗み聞きしたんですが、今日中に奴隷商へ売るそうなんです!!
お願いです!!助けて!!」
お、おう…捲し立てるように・・・
パーティーメンバーか…それに奴隷商への売却ね…
しかも今日中か…もう昼過ぎだし、街に戻ってると間に合わないな。
「手伝うことは出来ますが、盗賊の実力が俺より上だと助けるのは不可能に近いですよ」
自分の命を優先しますよ。
「で、では、盗賊の拠点で敵の確認をして、倒すのが無理なら情報収集してギルドに行きましょう!最悪、売買経路が判れば、後々助けることも出来るはずです!!盗賊の拠点は、盗み聞きする為に追跡して、その時に発見しています。だから・・・」
うーん………
それなら危険も少ないかな?
「・・・わかりました。手伝いましょう」
「ありがとうございます!!あ、私はドナ。ランクFの19歳、メイン武器は短剣です」
赤く短い髪に、活発そうなヒューマンの女性だな。背が低い…140cmくらいか?なのに、胸がデカイ!!カップサイズは分からんが、これがロリきょぬーというジャンルか…
感動した!!
「俺はトール。ランクDだ。15歳でメイン武器はこの刀だ」
「15歳ですか!!私より若いのに…凄腕なんですね!」
「いや、偶然が重なっただけだよ。ランクDを決闘で倒してね…」
・・・ん?一瞬、彼女の顔が曇った気が…気のせいか?
「ほー、やっぱり凄腕じゃないですか!!では、行きましょうか!」
うん、気のせいだな。それにしても元気が戻ったみたいだ。よかったよかった。
「あ、年下の君に忠告です。女性の胸は凝視してはいけませんよ!」
おー、バレテーラ…ドナさんの笑顔が黒いです…
「すみませんでした!!」
全力で腰を折り、謝りました。
「まーいいです。行きましょう」
・・・
森の出口から東南東に5kmくらいか?盗賊の拠点が見えてきたみたいだ。
「着きました。あれがそうです」
500m先くらいに建物が見えた。
俺は『気配消失』のおかげで見つかることは無いと思うが、ドナさんには掛からないので、事前に『隠蔽』で『気配消失』と同様の効果を与えております。レベルは落ちますが…
あと、このことはドナさんに内緒で進めているのであしからず。
というかこの人『気配消失』も無しにどうやって見つからずに追跡したんだ?不思議だ…
あ、因みにスキルについてはギルドカードや口頭で確認済みだ。ランクFってあんなにレベルが低いんだと初めて知りました。
「じゃあ、俺が先行します。まず調べるのは、敵の戦力です。ドナさんは敵の動きに注意しておいて下さい。敵に動きがあれば肩を叩いて知らせて下さい」
「わかりました」
「正面の見張りを確認したあと、裏手に回り、窓から敵の人数と捕まっている人を確認しましょう」
まあ、『気配察知』があるから判るんだが、目視の方が信憑性が増すからな…
「では、行きます」
100mを1分以上かけながら慎重に進む。
と、残り60mくらいの地点で突然鳴り子が鳴った。
「なぜだ!?」
「すみません!私が罠にかかったみたいです!!」
そんなバカな!?何も無かったはずだぞ!
「誰だ!!」
「侵入者発見!敵襲だ!!数は2!!」
バレたか…
次回、戦う?逃げる?
 




