#34 探索者として・・・
今回も、ギルマスです。
「まずは選んでちょうだい。聴くか否かを…
これは、強制ではないわ。
もう、お昼だしね。お腹空いてるでしょう?」
ギルドマスターは微笑みながらそう言ったが…
俺は、知る必要があると思った。
確かに、“今は”必要性が無いだろう。
だが、“今後”その情報は絶対に必要だ。
それに…
「聴きます…いや、聴かせて下さい。お願いします。」
「ふふ…やっぱり「良い」わね。キミは…」
「・・・1つ質問を許して下さい。さっきの回答が「聴かない」であったなら…貴女は、どういう対応をとりましたか?」
俺は問われている、探索者としての…
「それを訊くのね……多分、貴方の予想通り、「探索者を止めなさい」と忠告したと思うわ。」
「やはり、そうですか。貴女は…俺に“覚悟”を問うていたのですね。」
“覚悟”を・・・
「ええ、私は“探索者としての覚悟”を問うたわ。このチャンスを逃すくらいの“覚悟”だと、すぐ死ぬわ。まあ、経験則だけどね…
じゃあ、探索者の先輩としての助言をするわね。」
「はい!!宜しくお願いします!!」
「まずは、質問です。トール君は、魔物を“殺し”たこと…ある?」
「はい。あります。」
「人を“殺し”たことは?」
「・・・ありません。」
「次よ。親しい人を除いて、他人の“死”は見たことある?」
「ありません。」
「じゃあ、親しい人の“死”は?」
「あります。」
地球では、祖父母の葬式をしたな…
「その“死”は、“殺し”だった?」
「いいえ。違います。」
「……うん。大体、判ったわ。
今から、話すけど…これは、私からのお願いよ。
この話から…
“人としての覚悟”を知り、考えて!!」
続きます。(主観が入ります。)




