#11 説明の続きと祝1年
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ありがとうございます!!
これからもがんばりますのでよろしくお願いします!!
本編は装備品説明の続きからです。
それでは続きをどうぞ!!
エルザに関しても特に問題は無かった。
ただエルザの装備が皆と異なり、フルプレートアーマーなので実際に動いてみないことには、はっきりと大丈夫とも言えないとのこと。
まあそれは武器の慣らしと同時にすることになったので、今は装備品の説明をすることで話が進んだ。
「んじゃ、装備の説明をするぞ。
例のごとく、武器と盾、あと服の説明は割愛な。
じゃあ、まずはその全身を包むフルプレートアーマーから説明するか。
主な材質は金剛鉄で出来ていている。
関節部などの可動部位は古代竜の革を使用することで余裕を持った可動域を確保しているはずだ。
手甲部分に拳大のひし形があるが、そこには一部神鉄を使用している。
これは盾を固定する為に付けているもので、任意で意思を伝えれば盾を固定出来るはずだから状況に応じて使ってくれ。
あとは俺のコートみたいに防熱と防寒の為に属性が付与されているから、着けていても蒸れたりすることはないだろう。
次…というかこれもフルプレートアーマーの一部なんだが、そのフルフェイスのヘルムについてだ。
着けているのでもう判っていると思うが、これは装着すると透明化する仕組みになっている。
エルザは敵の攻撃を受ける役割もあるから、イヤーカフとの2重防護にしてみた。
後は『遮光』と『防音』の魔法も付与しているから、怯みに対しては相当強くなっているはずだ。
最後は左右の肩に繋がっている2本の翼の様な物についてだ。
これは6角形の盾が6枚1組で出来た盾の集合体だ。
これには『気功術』と『飛行』が付与されていて、任意で切り離して自由自在に動く盾として使える。
また盾にはお馴染みの『フォートレス』と『ラミネート』も付与されているから、離れている仲間や護衛対象を守るのに役立つはずだ。
以上がエルザの装備品の説明だが何か質問はあるか?」
「…言葉が出ないな。
質問…あ~そうだな…
鎧の方は特に何もないが、この翼盾でいいのか?
これはトールの盾みたいに攻撃には使えるのか?」
「ふむ、それはエルザ次第だな。
因みにそれは鱗翼の飛盾と言う。
この盾を飛ばすのには魔力、操るのには氣が重要な要素になっている。
それらの量の調整や操作が精密に出来れば、自然と盾での攻撃も出来る様になるはずだ」
「む…『魔力操作』はLv.7だからまだ良いとして、『気功術』はLv.3か。
攻撃には使えるレベルではなさそうだ。
せめて『気功術』が一流レベルにならないと…訓練が必要だな」
「ああ、積極的にそれを使えば自然に『気功術』が鍛えられるだろう。
さて、質問は以上かな?」
「ああ、とりあえず今質問することは無いな」
「そうか。んじゃ、エルザもこれを読んでおいてくれな。
最後はドミニクだな」
俺はエルザに前の2人と同様に鑑定結果の紙を渡すと、質問と確認の為、ドミニクの目の前に立った。
「トール様、皆さんの質疑応答を聞いていた限りですと、私の装備も特に問題はないと思われます。
それは省略して頂いて、装備品の説明に移った方が良いでしょう。
そろそろ夕食の時間になりますので…」
俺が質問を開始しようとすると、ドミニクはそう忠告をして来た。
確かにさっき鐘が5つなっていたから、もう夕方6時になっている。
夕食まで1時間もないな…
仕方ない。
ドミニクの意見を取り入れて、装備品の説明を始めるとするか!!
「うん、了解した。
ドミニクが問題無いと言ったので、それは信じるが、もし何かあれば直ぐに言ってくれ。
速攻で直すから」
俺がそういうとドミニクは「はい」と言って短く首肯した。
それを確認した俺も1度コクンと頷き、装備品の説明を開始した。
「じゃあ装備品の説明に入るが、性能が同じイヤーカフと武器の説明は省くぞ。
まずはメイド服の説明から行う。
これにはイヤーカフと同じく防御シールドが張られるようにしてある。
ただ、防御範囲が大きい関係で常時張ることは出来ない。
理由は『魔力吸収』だけでは魔力の供給が追い付かないからだ。
なので、戦闘時は魔力を服に通してほしい。
一応、繊維状の神鉄を織り込んでいるので、並の攻撃くらいでは貫かれることはないだろう。
そしてもう1つ、そのメイド服には特殊な機構が備わっている。
判っているとは思うが、スカートの裏に縄鏢が仕込んであるんだ。
使い方の例としては、単純に攻撃に利用するパターンもあるが、床や壁に突き刺して急激な方向転換を図れるなどの特殊な使い方も出来るだろう。
材質は金属縄の部分が神鉄で鏢が金剛鉄になっているので、殺傷能力は勿論のこと、縄の長さ調節などがし易い仕様になっている。
『飛行』も付いているので、上手くやれば鏢は自由自在に動いてくれるだろう。
最後にブーツだな。
これはほとんどリーンの物と同じ性能だが、一部違う点がある。
それはヒールがピンヒールになっている所だ。
ここはオリハルコンで出来ているので、任意でレイピアの先端のように鋭い刃を形成することが可能になっている。
以上がドミニクの装備の説明だが何か質問はあるか?」
「質問といいますか…1つ確認をさせて頂きたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」
そのドミニクの問いに、俺は首肯をすることで答えた。
それを見たドミニクは続けてその確認事項を話し出した。
「それでは…
先ほど仰ってはいませんでしたが、このメイド服のエプロン…何か特殊な加工はされていませんか?
購入した時よりも少し厚くなっていると思われるのですが…」
ドミニクは胸元のエプロンを軽く引っ張りながら俺に問うてきた。
「あ、そうだった、すまん!!
それを言い忘れていた!!
そのエプロンの裏地には古代竜の革を使ったんだ。
流石に神鉄を織り込んだといっても、服だけじゃ不安だったからちょっと追加しておいた。
効果は耐熱、耐寒と俺の独断でエプロンの白さを保つために魔法の『洗浄』を付与してある」
やっぱりメイドや執事っていったら、毎日清潔なパリッとした服を着ているイメージがあるからな。
あとは熱さや寒さにも動じないイメージもある。
このエプロンはメイドのドミニクにはピッタリだと俺は思うな。
「そのような素晴らしい物を…ありがとうございます。
メイドとして、そして探索者として、更に精進出来るようこの装備と共に努力致します」
ドミニクが恭しく頭を下げると共に、己の決意を再度俺に宣言してきた。
うん、もうこの重たさも含めてドミニクだと思える様になってきたよ。
まぁ、いつかは主人として息抜きさせなきゃならんな!!
責任感で潰される前に!!
「うん、よろしく頼むよ。
さて、もう言い忘れたことは無いはずだが、他に何か気になることはあるか?」
「いいえ、ありません」
「そうか。
鏢に関しては武器と一緒に使い心地を確認してくれ。
それとこれ鑑定結果の紙な。
読んでおいてくれ」
ドミニクは「分かりました」と一言って紙を受け取ると、夕食の準備を始めるということでリビングを退出して行った。
他の女性陣も自室で部屋着に着替えてくるという事でリビングを退出。
俺は再度1人になったので夕食までソファーでくつろぐことにした。
さて時間が出来たことだし、もう一回皆の装備姿を思い返して、おかしな所が無かったか考えてみるか。
まずはティアだ。
ベースの服装はエメラルドグリーンのフレア型ミニワンピースに紺のジャケットを着用し、ワンピースの下にはスパッツを着用して動き易さと可愛さを両立している。
また、耳にはお揃いで色違いのイヤーカフに、胸には銀に輝くプレートアーマーを装備。
さらにその上には全身が覆える濃い緑のマントを着用し、下にはベージュとホワイトが配色されたグリーブを装備していた。
次にリーン。
ベースの服装はインナーにグレーのシャツ、下にはピッチリとしたホワイトのロングパンツを着用している。
耳には同じくイヤーカフを着け、上着兼防具として太ももくらいまでの長さの濃い紫のコートを装備。
さらに足下は膝まであるダークブラウンのロングブーツを装備していた。
3番目はエルザだな。
まずベースのインナーだが、これはスポーツインナーのようなピッチリとした物を着ている。
長袖の上着と膝丈のパンツを着用し、色は赤を基調として黒のアクセントが付いていたのを確認している。
鎧自体は銀を基調としており、関節部の革や装飾用アクセントには赤を使用した物を装備。
鱗翼の飛盾に関しては深紅を基調とし、6角形の盾の縁を金色にした物が組み合わさって翼の様に装備されていた。
最後はドミニクだ。
とは言っても、服はメイド服。特に今までと変化は少ない。
ヴィクトリアンメイド型のデザインで、紺のワンピースに白のエプロンを着用している。
因みに鏢はスカートの中に隠してある為、見えることは無い。
そしてブーツは濃いブラウンのロングブーツを装備しており、傍目から見ても普通の可愛いメイドさんにしか見えないだろう。
……うん。
皆似合っていたな。
変なところ無し!!
つーか、眼福!!
俺が脳内で皆の姿を回想していると、リビングのドアをコンコンと叩く音が聞こえた。
「はい」
「トール様、お食事の準備が整いました。
食堂へと参りましょう」
もうそんな時間か…相当回想に浸っていたみたいだな。
「分かった。直ぐに行くよ」
俺は素早く立ち上がると、ドアを開けて食堂へと向かった。
そして、食堂のドアを開けると…
「「「「「「「「「トール(様)、(お)誕生日おめでとう(ございます)!!」」」」」」」」」
皆が俺にお祝いの言葉を掛け、拍手で出迎えてくれた。
「…?…あ、あー!!
すっかり忘れてた!!」
そうだ!!1年前の今日は俺がこの世界に転移してきた日じゃないか!!
「ふふふ、やっぱり忘れていたのね」
「駄目じゃぞトール!!装備品の製作に夢中になってこんな大事な日を忘れるなど…」
「だが、まあ嬉しい事が重なるのは良いことだ。
装備の完成とトールの誕生日…めでたいな!!」
「トール様、今日は腕によりをかけて食事をご用意いたしました。
楽しんで頂けると幸いです」
そうか…16歳か。
いろんなことがあったけど、無事にここまで来られたのは皆が居たおかげだよな。
今も1人だったら、どこかで挫折したり、最悪人生が終わっていたかもしれない。
ほんと、ありがたいよ。
「皆、ありがとう!!
そして、これからもよろしくな!!」
俺は色々な意味を込めて皆にそう言った。
これから先も彼女たちが居れば、何があっても乗り越えられる。
そう信じて俺は疑わない。
だって俺たちはまだまだ心も身体も強くなっていけるのだから!!
その夜は賑やかな中で仲間の絆を確かめ合い、そして静かな営みでお互いの愛を確かめ合った。
この出来事により俺たちの結束が、より強固なものになったのは言うまでもないだろう。
次回からやっと魔の森に行ける?
以下、装備品の説明です。
エルザの装備
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守護伝心のイヤーカフ
品質:最高
状態:装備品として最高位に属す魔武具である。神鉄の魔力伝導率、耐久度共に最高。他者を惑わし、本当の姿は不明。見破れるのは神のみである。時空間属性が付与されている為、魔力を伝えると最高の品質まで戻すことが出来る。ただし、魔力消費量はとても多い。また、同種の装備を装着している者との念話が出来るが、遠距離になるほど魔力消費量が増加するので注意が必要である。『時空間魔法』の『断壁』を常時発動し、頭部を保護している。
価値:最低2千万モル
付与スキル
・『隠蔽』・『魔力吸収』
・『以心伝心』・『時空間魔法』
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(補足)
トール:瑠璃色、ティア:エメラルドグリーン、リーン:金色、エルザ:緋色、ドミニク:乳白色
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銀紅のフルプレートアーマー
品質:最高
状態: 装備品として最高位に属す魔武具である。金剛鉄、古代竜の革、神鉄の魔力伝導率、耐久度共に最高。他者を惑わし、本当の姿は不明。見破れるのは神のみである。時空間属性が付与されている為、魔力を伝えると最高の品質まで戻すことが出来る。ただし、魔力消費量はとても多い。手甲の一部が変形して盾の固定が可能。また、フルフェイスヘルムは着用すると透明化する。火属性と水属性が付与されている為、意思を以って魔力を伝えると防熱、防寒の効果で体の表面を快適な温度にすることが可能。ヘルムには闇属性と風属性により、『遮光』と『防音』の効果が付与されている。
価値:最低1億モル
付与スキル
・『隠蔽』・『魔力吸収』
・『透過』・『時空間魔法』
・『火魔法』・『水魔法』
・『風魔法』・『闇魔法』
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鱗翼の飛盾
品質:最高
状態: 装備品として最高位に属す魔武具である。神鉄の魔力伝導率、耐久度共に最高。他者を惑わし、本当の姿は不明。見破れるのは神のみである。時空間属性が付与されている為、魔力を伝えると最高の品質まで戻すことが出来る。ただし、魔力消費量はとても多い。盾は6枚1組として2組存在し、計12枚の盾を任意で切り離して自由自在に操作することが可能。但し、自由度は操者の力量による。盾1枚に付き、『地魔法』による2つの形態を使える。1つ目は『フォートレス』。これは盾に魔力を通し、キーワードを唱えると前方に広範囲の神鉄の壁を出現させる。任意で範囲調節は可能だが、応じて魔力消費量も増加する。2つ目は『ラミネート』。これは盾の表面に神鉄の積層型盾を出現させ、衝撃の吸収率を上げる形態。神鉄の積層1枚1枚は薄いので魔力消費量は『フォートレス』より少ない。積層の数は魔力消費量に比例する。
価値:最低1億モル
付与スキル
・『隠蔽』・『魔力吸収』
・『気功術』・『飛行』
・『時空間魔法』・『地魔法』
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ドミニクの装備
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アンタッチャブルメイド
品質:最高
状態: 装備品として最高位に属す魔武具である。聖銀蚕の布、古代竜の革、神鉄、金剛鉄の魔力伝導率、耐久度共に最高。他者を惑わし、本当の姿は不明。見破れるのは神のみである。時空間属性が付与されている為、魔力を伝えると最高の品質まで戻すことが出来る。ただし、魔力消費量はとても多い。スカートの裏に縄鏢が6つ等間隔に収納されており、任意で金属縄の長さを調節・操作が可能。また、『時空間魔法』の『断壁』を発動し、全身を保護が出来る。
価値:最低8千万モル
付与スキル
・『隠蔽』・『魔力吸収』
・『飛行』・『気功術』
・『時空間魔法』
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エプロン
品質:最高
状態: 装備品として最高位に属す魔武具である。聖銀蚕の布、古代竜の革、神鉄の魔力伝導率、耐久度共に最高。他者を惑わし、本当の姿は不明。見破れるのは神のみである。時空間属性が付与されている為、魔力を伝えると最高の品質まで戻すことが出来る。ただし、魔力消費量はとても多い。火属性と水属性が付与されている為、意思を以って魔力を伝えると防熱、防寒の効果で体の表面を快適な温度にすることが可能。また、『洗浄』の魔法が付与してある為、常にエプロンは清潔に保たれる。
価値:最低6千万モル
付与スキル
・『隠蔽』・『魔力吸収』
・『時空間魔法』・『火魔法』
・『水魔法』
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ソアピンヒールブーツ
品質:最高
状態:装備品として最高位に属す魔武具である。古代竜の革、金剛鉄、神鉄の魔力伝導率、耐久度共に最高。他者を惑わし、本当の姿は不明。見破れるのは神のみである。時空間属性が付与されている為、魔力を伝えると最高の品質まで戻すことが出来る。ただし、魔力消費量はとても多い。神鉄により、ピンヒールの形状をレイピアの刃状にすることが可能。『飛行』によりグリーブの重量が半分以下に抑えられている。また、『時空間魔法』の『天駆』を任意で発動し、足下に足場を作る事が可能。
価値:最低7千万モル
付与スキル
・『隠蔽』・『魔力吸収』
・『飛行』・『時空間魔法』
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