#33 ビューティホー
ブックマーク500件超え、71万PV超え、 ユニーク7万7千人超え…
有難うございます!!皆様のおかげで続けられております!!
感想もお待ちしております!!
それでは続きをどうぞ!!
「それでは準備が整いましたので表彰式を行います!!
まずは第3位!!【斧鉞乱舞】シビーユと【忍び寄る刃】エレイン!!」
実況者がそう言うと壇上の端に2人が登った。
シビーユは観客に軽く手を上げて挨拶をし、エレインは会場を見渡しながら軽く手を振る。
無表情でな!!
2人ともニコリとも笑わずにそれを行っていたよ。
やはり、3位という上位に入賞しても悔しいのだろう。
「そして第2位!!【魔法の書】プリシラ!!」
こいつに至っては機嫌の悪さを隠そうともせず、壇上に登っていた。
ムスッとしながらじっーと真正面を見続けている。
「さ、最後にこの方!!大会優勝者であり、獣王を破った男!!
【心滅の無限者】トーーールーーー!!」
俺は1位ということで、右にプリシラ、左にシビーユとエレインに挟まれる位置に登壇しなければならなかった。
めっちゃ気まずい…特にプリシラな。
あの顔でこっちを睨んでいるし…目、反らしとこ。
しかし、俺は俺でヤバい状況にある
何故なら試合よりも緊張しながら壇上に上がっているからだ。
自分では見えないが、表情はめちゃくちゃ硬いだろうな。
手汗がやべぇ…
試合よりも人前に居るという意識が強くて緊張感が半端ない。
「この方々が今大会の上位者です!!皆様、更なる拍手をお願い致します!!」
実況が更に煽り、先ほど紹介されていた時よりも大きい拍手が会場に響き渡った。
「そ・れ・で・は!!贈呈式に移ります!!
贈呈者はこの方、ゴート獣王国王妃アンネリーゼ・E・ライヒ・ゴート様です!!」
…あれ?獣王はどうした?
「えー、獣王様なのですが…
先ほどのエキシビション戦で気絶してから目覚めておりませんので、急遽王妃様にお越し頂きました!!
それでは王妃様、第3位のお二方から賞金の贈呈をお願い致します!!」
まだ起きてない…ま、いいか。
自業自得だ。獣王のことは忘れよう、うん。
しかし、件の王妃様だが…
う~ん…耳がピンと立って、顔がシャープだから王妃は猫の獣人かな?
ドレスで特徴ある部分が隠れているからよく判らんぞ。
俺が馬鹿らしい考えをしている中、贈呈式は淡々と進む。
まずは第3位、第2位と順に賞金の贈呈が粛々と行われていた。
時折、王妃が入賞者に語りかけているので、多少時間が掛かるも遂に最後の俺の番が回ってきた。
「優勝おめでとうございます。
そして、夫がご迷惑をお掛けしました。ふぅ、あの人にも困ったものです。
さて、それは置いておきまして、どうでしたかこの大会は?」
賞金を受け取りに王妃の前へ行くと、溜息交じりに言葉のみで謝られた。
まあ、こんな公衆の面前で頭を下げられたらたまったもんじゃないからありがたいがな!!
それに結構お怒りですよね、王妃様は。獣王をバカ呼ばわりですよ。
はぁ…それはあっちの問題として、大会の感想か…
「そうですね…様々な刺激を受けることが出来てとても有意義な時間を過ごせました。
それに私が考えていた戦法も試せましたので、もっと強くなれそうです」
「そうですか。それは良かったです。
ですが、今よりも強くとは…
貴方はそれ以上強くなって何を成そうというのですか?」
何を成すか…か。
「取り敢えずは迷宮踏破ですね」
当初の目的とは若干方向性は変わっているけどね。
しかし、まさかあのギルドマスターの部屋でのリーンの台詞がフラグになっているとは思わなかったよ。
公衆の面前でランクSを圧倒してしまったからな。
「私の夫でさえ100層中90層踏破するのがやっとでした。
その夫を貴方は軽々と超える力をお持ちです。迷宮の踏破など簡単なのでは?」
そうか…迷宮の先を知らない人はそう思うんだな。
だが…
「ある人の著書にその先の事が書いてありましてね…
95層から先は1人では進めないらしいのですよ、迷宮は。
そこから先に進む為にはパーティー6人全員の力が必要となるらしいのです。
私1人の力で引っ張って行っても踏破は出来ない。
だから皆で強くなって迷宮を踏破する…それが私の今の目標ですね」
ま、著書と言っても日記に殴り書きがプラスされているものだったがな。
トリスタンの奴、心の中は闇だらけ…読むのに苦労したぜ。精神が壊されそうだったよ。
「そう…なのですか。
引っ張って行くのではなく、仲間を信じ、育て、共に歩む…貴方の目標は途轍もなく難題なのですね。
貴方が偉業を達成できることを祈っています。
今日は優勝おめでとうございました」
王妃は何か言いたそうな顔をしていたが、それを呑みこみ、俺を祝福してくれた。
多分、情報の出所とかを知りたかったのだと思うが、俺が内容を濁して話していたので、聞き出すのは無理だと諦めたのだろう。
もしくは情報の出所を知っていて、俺が誰と何のために戦ったのか全て判っていたから言葉に詰まったのかもしれない。
王族なら色々な情報網を駆使することで、俺が最近何をやったかくらい調べることが出来るはずだしな。
さて、王妃との話の後だが、賞金500万モルを受け取って普通に降壇。何事もなく出番を終えることが出来た。
因みにエキシビション戦に勝利した際の賞品については、この後の立食パーティーの時に伺うとのこと。
良く考えておくようにと念を押されました。
だがしかし…
何事もなく式が進行し、終わろうとしていた所で、突然実況が大会の振り返りを熱く語り始めるという暴走事件が勃発。
それを聞き、俺たちは呆然、大会関係者が慌ただしく動くという事態に陥った。
事件は暴走し始めたバカを無理矢理気絶さるという力技の消火を大会関係者が行い、早急に解決。
事件は最小限の被害で済んだ。
最後が締まらない結果となったが、大会の全日程がようやく終了。
魔闘技絢爛大会は閉幕となった。
…
しかし、今日はまだ終わらない。
大会が閉幕して選手としての時間は終わったが、今度は優勝者としての活動をしなくてはいけなくなった。
王家主催の立食パーティーが王城で行われるのだ。
服とかどうすんだと思ったが、王城に服飾関係の職人が来て事前に作ったサンプルの服をその場で手直ししてくれるんだと。
何でも王都中の有名どころの職人が招集されたらしい。
手直し中に大変じゃないかと質問し、話を聞いてみたが、職人さんも4年に1度だからとめちゃくちゃ張り切っておりましたよ。
そして件のパーティーの参加者だが、今大会の本選出場者はメインゲストとして全員招待されたらしい。
それに加え、招待者は1人のみ同伴者が許されるとのことだ。
俺たちはリーン以外、全員招待されているので、リーンは俺の同伴者として出席することになった。
現在は4人全員がドレスなどの手直しとメイクアップの最中。俺は控室で待ちの状態である。
一時待ったが戻ってくる気配は無く、入場の時間になってしまった。
案内人に誘導されながら会場に向かう途中、彼女たちがどうしているかと問うてみた。
すると、既に会場へ入っているらしい。
何でもドレスの調整時間を大幅に越えてしまった為、控室に戻る時間が無かったとのことだ。
案内人の誘導の下、俺は会場へと到着し、その扉を開ける。
すると、目に飛び込んで来たのは何時もの凛々しい彼女たちでは無く、煌びやかなドレスを身に纏った可憐な女性たちだった。
ティアは膝丈までのワンピースドレスで、ふわっとしたスカート部はかわいらしさを演出している。光沢のあるエメラルドグリーンと金色の髪がティアを輝かせているので一段と綺麗に見える。妖精と言っても過言ではない!!
一方、リーンは足首まで隠れているドレスだが、身体のラインが出るタイプのドレスで登場だ。背中部はパックリと割れて丸見えで、紫色が大人っぽさを演出しているので、妖艶さ増し増しの状態である。正直、誰にも見せたくない程の完成度だ!!
次にエルザだが、彼女はやはり赤が似合うな。一見、赤いドレスに目が行くかと思われるが、その赤がエルザの金髪と快活さを引き立てて、より彼女という個を主張している。またスカート部の前方が膝丈なのに対し、後方では足全体を隠すというアンバランスが妖艶さのアクセントとなり、彼女を更に引き立たせている。流石、姫だな!!
最後にドミニクだ。全身白を基調としたベアトップのドレスで、リーン同様身体のラインが出るドレスだが、膝くらいからフレア状にドレスが広がっている。その為、妖艶さの中にもドミニクの可憐さが現れている。肌が小麦色を越えた色黒なので白のドレスに目が行きそうだが、白に反射された光がドミニクを輝かせているので全体として纏まった形になっている。トリスタンに見せたかったな…ドミニクもそう思っていることだろう。
なんだかんだ御託を並べたが…
総じて最高だ!!
おっと、いつまでも見惚れてないで早く皆の所へ行かねば!!
予想以上に話数が延びた…
あと2、3話くらいで5章終わるはずです。
ヒロインの容姿(ドミニクのみ、他の3人は#Ex02へ)
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ドミニク
・ベースはエルフの魔人
・髪は薄紫で肩までの長さで少しボブになっている
・目は赤紫
・肌は色黒
・顔立ちはキャリアウーマン風の大人なお姉さん。但し、少し童顔
・身長は160cmくらい
・胸はCくらい
・ウェストはティアと同等
・足は太くないが筋肉は程よく付いている




