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すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第5章 魔闘技会開幕
170/329

#30 エキシビション…その前に二つ名?

短めです。


それでは続きをどうぞ。

「やり過ぎよ…」

「やり過ぎ…じゃな」

「どう考えてもやり過ぎだ!!」

「えーと…やり過ぎましたね」

昨日来た食堂で説教みたいなものを受けています…トールです。

皆が厳しいのです…いえ、確かにやり過ぎましたよ!!

でもね、精霊の思考にやり過ぎという言葉は無いのですよ!!


ナポレオンの様な言い回しをしましたが、これは思っただけです…

ええ、正直にこれを言うとまた責められそうなので黙ってその場を(しの)ぎます。


数分後、とりあえず(・・・・・)の責めは終わりました。

また夜にと言われましたがね…「せめ」の文字が変わるのですね!!判ります!!


「そういえばトール様。『疑似精霊(フェイクスピリット)』の魔力切れの問題は解決していたのでしょうか?

今回の試合は圧倒的過ぎて判りませんでした」

あーそういえば言ってなかったか…


「聞くよりも実践した方が話は早いか…」

俺はそう呟くと、皆にちょっと魔力を送り込んだ。


「きゃっ!?」

「ひぅ!?」

「あっ!?」

「んむぅ…」

突然の『魔力譲渡』に驚いた4人は色っぽい声を発した。

因みに奇声を発したのは上から順番にリーン、ティア、エルザ、ドミニクだ。


「とっ!!突然何をするのじゃ…!!」

エルザはここが大衆の面前であることを思い出したのか、一度大声を出した後、小声で俺に怒りをぶつけて来た。

チラチラ周りを見ては若干頬を染めているな…多分、恥ずかしいのだろう。


「え、さっきの質問に対しての答えを実践してみたんだけど…」

俺はそれを知りながらも、わざと呆けたようにこう答える。


「やるならやるって言いなさい。変な声出たでしょう」

リーンがいたずらっ子をたしなめるように叱ってきた。

少し微笑んでいるのを見ると、俺の心情を見透かしているのだろう。


「ごめん、ごめん。でも、俺が何したか判っただろ?」

少しばつが悪いと感じた俺は、謝ることで話の話題を本筋に戻した。


「『魔力譲渡』を受けたのは判ったが、私にいつ触った?」


「いえ多分触っていませんよ、エルザさん。

トール様、予想ですが『気功術』で糸を繋いだのではありませんか?」

何を行ったかは分かったエルザだが、どうやって行ったかまでは分からなかったらしい。

だが、そこに間髪を入れず自分の予想を答えるドミニク。


「お、ドミニク正解。よく判ったな。

一応、『隠蔽』を掛けていたはずだが…」

その回答の早さに少し驚いた。『隠蔽』を見破ったのかと思ったからだ。

しかし、そうではないらしく…


「ええ、お父さんもよく糸を用いていましたので…」

一種の連想ゲームのような感覚で答えていたみたいだ。

頬を掻きながら少し恥ずかしそうにそう答えたのは、強かった父を思い出しているからなのかな?


「あー確かに俺もトリスタンを参考にしたな。

『イレブンバレット』…あれが魔力供給の答えと言ってもいい」


「…それはどんな魔法なの?

私は当事者じゃないから分からないのだけど…」

確かにあの時居なかったリーンに判れと言うのは無理な話だな。

リーンのことだ、説明すれば直ぐに理解してくれるだろう。



数分後、魔法の説明を行うと直ぐに今回の魔力供給方法の仕組みが判ったようで、ウンウンと頷いていた。


「なるほどね。

『気功術』で魔力の問題は解決。

そして、あれだけの力を持っていることが判明…

であるなら、エキシビションでも使っていく予定ではいるのよね?」

あー確かにあれだけ圧勝したなら次も使って必ず勝ちに行くよな…普通なら。


「いんや。使わんよ。

精霊は相手が魔法使いだったから使ったんだ。まさかあんなことになるとは思わなかったけど…

で、獣王は俺の予想だが近接戦闘職だと思うんだよ。勝手な想像だけど…」


「だから自分も近接戦で行くってこと?

確かに私の知っている獣王は格闘戦を好んでやっているけども…

それを聞いてブレる人ではないわね、貴方は…」

「それがトールの良い所じゃろ?」

「頑固者とも言えるがな。ハハハッ!!」

「フフフ…そうですね。トール様であれば己を貫き通して獣王にさえ勝ってくれるはずです」

全員が微笑み、笑いながら俺を信じてくれている。

…やべ、顔がにやけそう。

こりゃ、期待に応える為にも勝ちにいかなきゃな!!





 「とうとう…とうとうこの時が来てしまいました!!

魔闘技絢爛大会、最後の戦い…エキシビションマッチ!!

東の入場口より登場するのは、現獣王【()(こぶし)】ハーゲン・ダウム・ゴーーーートーーーー!!」


ワーーーー!!


「それに対し西の入場口より登場するは、先ほど会場を混沌に叩き込んだ「日月」のトーーーールーーーー!!」


ワーーーー!!ブゥーーーー!!


あ、歓声とブーイングが半々で聞こえる…やり過ぎの代償か。

まあノリでやっている人もいるだろうけどね。


「今、両者が闘技場へと入場しております!!

ここで獣王様に変わる解説者をご紹介しましょう!!

元はランクSの探索者、そして探索者ギルドのギルドマスターを経て、今は「日月」のパーティーメンバー!!

【彩の舞姫】ことアイリーーーン・アイドルーーー!!」


何やってんすかー!!アイリーンさーん!!


「えー、大会関係者の説得1割と実況者の泣き落とし9割に屈したアイリーンです。

公衆の面前での泣き落としは最悪であると実感しました。

一応、両者のことはある程度知っているつもりなので、きちんと解説が出来る様に努めますので、どうぞよろしく」

あー…実況(バカ)のせいですか。ご苦労様です!!


「はい!!ありがとうございます!!本当は王妃様にも来て頂きたかったのですが、獣王様の公務を肩代わりしているから無理だとのことでした!!

さて、それではもう少しで試合が始まりそうなのでトール選手へ注意事項を1つ!!

今回は獣王様の「静かに戦いたい」というご要望により、試合中は会場の音が遮断されます!!

よって、観客や実況・解説の声がいきなり聞こえなくなりますが、動揺しないようにお願い致します!!

なおその分、お2人の声は会場の皆様に届きやすく設定しておりますので、発言には注意して下さいね!!」

良いのか悪いのか判断に困る内容だな。まあ、集中出来そうだから良しとしとくか。


「そして重大発表をここでもう1つ!!

なんと!!私が探索者ギルドへ申請していたトール選手の二つ名が決定したと、先ほど情報が上がってきました!!

申請してから1日も経たずに、周囲の人々から情報収集を行い、二つ名を決定した探索者ギルド…流石です!!」


な…なんだと…

行動が早すぎる!!俺に二つ名が付くとしたらこの大会後だと思っていたのに!!

ここで発表されたら周知の事実になってしまうじゃないか!!

いやもう、本気(マジ)でこのコートに認識阻害の為の『隠蔽』を付けよう…

マレノに戻るまでは『隠蔽』常時発動で完璧に顔バレを(しの)いで見せる!!


「それでは発表致します!!

トール選手の二つ名は…」

獣王戦は1か2話で終わらせる予定です。


再度連絡!!

【募集】

トールの二つ名の案がある方は感想に書き込んで貰えるとうれしいです。

2/16の00:00までにお願いします。

理由も書いて頂けると、とても助かります。

2/17までには決めて、18日に次話投稿する予定です。

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