表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第5章 魔闘技会開幕
158/329

#18 油断との戦い

いつもながら戦闘描写悩むわ~


あ、報告です。

総合評価が1000pt突破しました!!

評価人数も増えてて嬉しー!!

今後ともよろしくお願いします!!


では続きです。

どうぞ!!

~side ティア~


 「それでは、トーナメント第2回戦第4試合、カミラ対セレスティア!!試合開始!!」

【鮮血姫】…1回戦では防御を無視した突貫攻撃だったのう。

並の攻撃では1回戦の再現になってしまうやもしれん。

なんとかスキを作り出して最高の一撃を…


「様子見ですか?

来ないのであればこちらから仕掛けますよ!!」

い、いかん!!思考に意識を向けすぎたのじゃ!!

戦鎚を抱えたカミラが急速に近づいておる!!


仕方ない、賭けじゃ!!

訓練中トールに視せて(もろ)うた技…やってやるのじゃ!!


そう決意し、我は実の矢を番えた。

それを弓の能力で雷を纏わせて強化。

カミラを迎え撃つ準備を攻撃される寸前で完了させる。


次の瞬間、己の間合いに入ったカミラは、我の頭へ目掛け戦鎚を振り下ろす。

我はそれに対し、矢を引いたまま戦鎚の面の中心に矢尻を合わせることを試みる。

そして衝突の時…面と点が重なる瞬間、左足を軸に身体を回転させる。

右足を出して身体が半身になるように動き、その円の動きに合わせて弓矢を左下側へ動かし、戦鎚を誘導。

結果、ギリギリの防衛は戦鎚が我の横を通り過ぎて地面を穿ったことで成功となった。


トールの言う、合気を習っておいてよかったわい!!

じゃが、この技はここで終わりではないのじゃ!!


横に流すために受けていた戦鎚の振り下ろした力、その余剰は半身になった身体を更に回転させる。

身体は左軸足を中心としてそのまま1回転。

下向きの力を受け流した為、片膝を着くことになったがそれで体勢が安定し、番えたままの矢を射つ準備が必然的に整う。


発射!!


雷を纏った矢はカミラの左脇腹に命中…

するやに思われた。


しかし、カミラは咄嗟に左腕を引くことで、矢を手甲に当てることに成功。

矢は防がれる結果になってしもうた…


じゃが、それだけでは終わらん!!


「あーっと!!

セレスティア選手の一矢をなんとか防いだカミラ選手!!

何故か吹き飛んだー!!

どういうことですか、獣王様!!」


「うむ、矢が弓に押し出された直後、一番威力が出ることは皆判ると思う。

風などの影響をほとんど受けないからのう。

それに加え、今回は雷を纏っておるので威力は通常の倍以上は出ておるはずじゃ。

そう考えれば、カミラが吹き飛ぶのに何の違和感もない。

更に言えば、体勢が悪い状態じゃったのも影響したのう。

それらの要因が合わさった結果、カミラは吹き飛んだということじゃ」

そう、並大抵の奴じゃったらここで気絶しておったはずじゃ。

じゃが、あ奴は…


「くっ…効きますね。

雷により軽い麻痺を起しておりますが、何とか動けます」

麻痺を受けながらも問題が無いように立ち上がりおった!!


化け物か!!

じゃが、今が好機であるのは間違いないじゃろう。

攻めるは今じゃ!!


我は即座に『フラッシュバン』を発動。

相手の眼と耳を潰しに掛かる。

同時に『隠蔽』で姿を消し、一気にカミラとの距離を空けた。


一時して光が晴れるとカミラは眼を若干見開き、直ぐにキョロキョロと頭を動かし始める。


多分じゃが、気配が感じられずに困惑しておるのじゃろう。

魔法を放った時に距離を取れたのは幸いじゃったな。

これでアレ(・・)が撃てるのう。


我は魔力を隠し、魔法を放つ為に魔力を高める。


じゃが、我はトールほど上手くは出来なかったようじゃ。

カミラが我の方に顔を向けおった。

我の魔力を感知したようじゃのう。


あ奴が来る前に魔法を放たせてもらう!!

まずは拘束じゃ!!


「『シャドウバインド』!!」

カミラの影から黒い帯が数本飛出し、瞬時に両足、両腕、腰、両肩そして首に巻き付く。

魔法発動と同時にカミラは回避しようとしていたが、麻痺の影響でそれも叶わず拘束に成功。


逃れようとあがいておるが、直ぐには無理じゃろう。

ここで奥の手の1つを放つ!!


「『鋼弓(こうきゅう)』次いで『穿矢(せんし)』」

我が魔法を行使すると左手に持った弓と右手に持った矢が変化し始める。

弓は全体が軟鋼で補強され、弦に鋼糸が追加。

矢は矢尻が3倍以上大きくなり、螺旋状に変化。


これで1つ目の準備は完了じゃ。

最後に…


「最後に『アクセルゲート』」

我が矢を番え目一杯引き終えると同時に最後の魔法を発動。

直径10cmほどの膜が矢尻の前に等間隔に10枚形成される。


猶予は無いのじゃ!!


「当たれ!!」

準備を整え、放った矢は膜を突き破りながらカミラへ向かう。

矢は膜を破るごとに加速。

あとで聞いた話じゃと、リーンがギリギリで視えたくらいの速さじゃったらしい。

ランクSでギリギリとは…トールに教わる魔法はいつも規格外じゃのう。


それはさておき、最後の膜を破りカミラへ向かって行った矢は、今だ動けずにいるカミラの額に寸分違わず命中。

命中した後、額の前に張られていた障壁に矢の動きを止められてしまい不安に駆られるも、数秒後には矢が障壁ごとカミラを貫通。

結果、カミラは倒れることとなった。


「カミラ選手、ダウン!!

私には閃光がカミラ選手を貫いたように見えました!!

しかし、事前の行動を見るにあれはセレスティア選手が放った矢です!!

何故ああなったのか、詳しくは分からないので…獣王様!!解説お願い致します!!」


「恐ろしい…

あれはワシでも喰らえば最悪死ぬのう。

…おっと、さて解説じゃったな。

あれは弓と矢の強化が前提のモノじゃというのは観ておった者ならば判るじゃろう。

あれだけ変化があったのじゃからな。

しかし、それだけではあの攻撃力は出せん。

セレスティアが最後に矢に施した魔法…これがこの攻撃、最大の胆じゃ。

ワシはセレスティアが矢に施した強化は『アクセル』じゃろうと予想しておる。

『アクセル』の重ね掛けによる速さと貫通力の上昇が、あのカミラが作る防御壁をいとも簡単に貫く結果を生んだのじゃ。

『アクセル』を何重にも施す手間を1つの魔法で行う工夫…

この魔法の創意工夫が観られただけでもこの大会を開催した甲斐があったというものじゃのう」


「試合終了!!勝者、セレスティア選手!!」

終了の宣言…異様に遅かったのう。

あの状態であればすぐに判断出来そうじゃが…

まあよいか。勝ちは勝ちじゃ。


「なるほど、この試合がかなりハイレベルな戦いを行っていたことがよく分かりました!!

あーっと、獣王様の解説の終了と同時に審判が試合終了を宣言!!

セレスティア選手が3回戦進出を決めました!!

しかし、これで「日月」は2人目の3回戦進出です!!

彼女らの快進撃は一体いつまで続くのでしょうか!?

今後も注目していきたいですね!!…」


疲れたのう…

早々に戻るとしよう。





「ううう、痛いのじゃ…」

ティアが額を押さえながらうめき声を上げている。


「油断したら駄目って言ったじゃない。

私たちの心配がそれに詰まっていると思いなさい!!」


「ティアさん、すみません。

しかし、私もパーティーとして仲間として言わせて貰います。

自分の力をきちんと使いこなして下さい。

あの時『並列思考』をきちんと意識しておけば、危険な賭けに出ることなく試合が出来たのですよ!!」

リーンとドミニクがそれぞれ真剣な顔でティアを注意する。

その光景はまるで母が娘を、姉が妹を心配する姿のように見えた。

言ったら怒られるので言わないがな…


「俺からは特に言うことは無いよ。

2人が代弁してくれたからな。

そして、軽くだがデコピンという罰も与えた。

だから注意はこれでおしまい。

気を取り直して、3回戦進出おめでとう、ティア!!」


「「おめでとう(ございます)!!」」

説教というちょっとした重苦しい空気を一変させ、俺たちはティアに称賛の言葉を贈った。


「皆の心配も尤もじゃ。我が悪かった。

今後は同じ間違いを起こさないよう注意するのじゃ。

そして、ありがとうなのじゃ!!」

ティアは皆の想いを受け取ったのか、満面の笑みで称賛の言葉に対して返答した。


その後は試合中の動きや魔法のタイミングなどの良し悪しや疑問点について軽く話し合った。

まあ、そこまで悪い内容ではなかったので、ティアを褒めるのが8割を占めていたのはご愛嬌だ。


そして俺たちの話が終わるころには、闘技場の中では次の試合…

エルザとドバイアスの試合準備が整い始めていた。

次はすぐにエルザの試合ですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ