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すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第5章 魔闘技会開幕
142/329

#2 リーン現る!!

久々に見たら、42万PV、ユニーク5万人、ブックマーク350件超えていました。

みなさんありがとうございます。

今後とも宜しくお願いします。

 「ふふふ、驚いてるわね」


「「リーン!!」」「…?どなたでしょうか?」

リーンの突然の登場にティアとエルザは驚き、彼女を知らないドミニクは困惑の表情を浮かべている。


「あら?貴女は初めましてよね?私はアイリーン・アイドル、トールの恋人の1人よ。貴女は?…もしや!!トール!!私に内緒で新しい恋人作ったんじゃないでしょうね!!」

自己紹介する為に俺から離れたリーンが、勘違いして今度は俺の襟を掴み突っ掛ってきた。


「違うわ!!彼女は最近仲間になった「日月」のパーティメンバーだ!!」


「アイリーン様、(わたくし)はドミニクと申します。先月、「日月」に加入させて頂きました。以後、お見知りおきを」

ドミニクがリーンに恭しく一礼すると、俺への誤解が解けたのかリーンが腕を解いてくれた。


「ふーん…そうね。お互い色々話し合う必要があるみたいだから、落ち着ける場所で話しましょう」

リーンが困惑顔の俺を見て気を利かせてくれたのか場所の移動を提案し、移動し始めた。当の俺はドミニクのことをどう説明するかを考えながら、リーンのあとを無意識に追っていた。





 所変わって、リーンの行きつけの喫茶店に到着。店名は「猫カフェ」…店員が全て猫獣人の綺麗な女性だけで構成された理想郷(ユートピア)である。俺はこの衝撃に慣れるまで『無表情』をフル活用した…これを切らしたら、フルボッコ決定ですからね。


落ち着いて話をする為に店の奥の静かな席に陣を構えた俺たちは、互いの近況を話し始めた。


「まずは私からね。と言ってもそれほど報告することなんて無いんだけど…

えーと、まず仕事だからと言ってトールに逢わなかったけど…それは今日びっくりさせる為のウソ。ゴメンなさいね。ちょっとやってみたかったのよ。

で、トールと最後に逢って3日後くらいに引継ぎが終わったから仕事を辞めて家も引き払ったわ。そして直ぐ馬車に乗ってマハムートを目指したの。驚かすのも面白かったけど、愛する人と長い間逢えないことがこんなに辛いとは思わなかったわ…慣れないことはするものじゃないわね」


「うん…まあ、ツッコミたい所もあるがやったことは誰にも迷惑掛けてないからいいや。でも、連絡が取れなくて心配はしたんだから自重はしてくれよ。

 それじゃ、次はこっちの近況だ」

俺はリーンと逢えなくなってからのことを事細かに話した。エレー聖樹国に着いてからのこと…トリスタンと初めて会った時の心境…トリスタンとの死合…そして受け継いだもの。リーンは口を挟まず、静かに俺の想いを聴いてくれた。次に口を開いたのは俺が全てを話し終わり、一息吐いた後だった。


「そう…大変だったわね。まさか【現世神(うつしよのかみ)】とまで呼ばれていたトリスタン様と戦って、その上殺し…いえ、倒していたなんてね。

それで、ドミニクさん…いえ、これからパーティを組むんだからドミニクと言わせて貰うわ。ドミニク、トールの想いを聴いた上で敢えて問わせてもらうわ。貴女がトールを害することは無い…そう思って構わないわね?」


「はい。アイリーン様が心配されている理由は分かります。ですが、私はトール様に感謝こそすれ、恨み辛みはありません。人を殺すという辛い選択を、(わたくし)は押し付けた…それを理解した上での現状です。

 私の償いは父の願いを聴き遂げ、トール様の行き着く先を見届けることで果たされる…そう思っております。よって、害することなどありえません」

…重い、その想いは重いぞドミニク!!

せめて娘の幸せを願っていたトリスタンの気持ちを酌んでくれよ。自分の幸せのこと考えて無いよね!!


「…そう。ふふ、よく分かったわ(・・・・・)。貴女が気持ちに整理を付けていて「日月」として行動をするのなら私は歓迎するわ。よろしくねドミニク。私のことはリーンと呼んでくれて構わないわ」

…?なんか一瞬俺の方を見て笑ったような…まあ、いい。リーンは「貴女のことを認めたわ」という様にドミニクと握手をする為、テーブルの上で手を差し出した。


「はい、よろしくお願い致します。ア…リーンさん」

ドミニクはその手を取ると微笑むようにリーンの名を呼んだ。


しかし、ドミニクさん…何故俺だけ様付けを止めてくれないんですかね?





 あのあと、リーンの「今日はもう宿屋で休みましょう」の声の下、皆が賛同し、一路リーンの宿泊している宿屋トラオムに向かった。…宿屋の名前、マレノ王国だけが特殊なのか?


「宿屋トラオムにようこそニャ。宿泊かニャ?食事かニャ?」


「ええと…宿泊で」

初だよ!!初の特殊語尾だよ!!定番だけど「ニャ」がキター!!


「はいニャ!!えーと、人数は5名…いや、4名かニャ?アイリーン様はご宿泊中でしたニャ!!

で、部屋割りはどうするかニャ?」


「じゃあ、ダブルかクィーンを…」


「ちょっと待った!!私もトールと同じ部屋がいいわ!!」

俺の言葉を遮ってリーンも同室がいいと主張してきた。


「あ、ああ…分かったよ。じゃあ、4人なら思い切ってキングサイズの部屋にしようか。で、今リーンが泊まっているシングルの部屋をドミニクに使ってもらえばいいよね」


「うんうん、それでいいのよ!!」


「では、その条件で処理するニャ。シングルの方はアイリーン様が既に翌年の1の月30日分までは払ってあるニャ。期限前に切り上げる場合や宿泊追加をするならその都度更新してほしいニャ。キングは1泊9000モルニャ。何泊する予定かニャ?」


「うーん、とりあえず7日で頼むよ」


「分かったニャ。キングの部屋を7泊…1の月1日までの宿泊で計63000モルになりますニャ」


「では、これでお願いします」

俺は猫女将にギルドカードを手渡した。


「…はいニャ。確かに63000モル頂いたニャ。そしてこれが部屋の鍵ニャ。夜の食事は5つの鐘から6つの鐘までニャ。ちょっと早いけど今からでも食事は食べられるニャ。どうするかニャ?」


「えーと、それじゃ今からでお願いします」

俺は部屋の鍵を受け取ると、皆を見渡して食事をどうするか確認し、全員が首肯したので食事の準備をお願いした。


「承ったニャ。お好きな席に着いてお待ち下さいニャ!!」





 やられた…やられたよ…忘れた頃にやって来やがった。7色のソース、その1つ…赤色にやられたー!!


出だしは普通の食事だったんだ。串カツみたいな食い物が出て来た時に、ウェイターが「味の変化をお楽しみ下さい」と言って3種のソース…オイスターソース?、ポン酢?、そしてケチャップみたいに赤くさらっとしたソースを置いて行った。


ここで日本と同じ食べ方をしなければ良かった…しかし、俺はやってしまった。しかも、ソースやポン酢は普通だと思い、初っ端から赤いソースに串カツを浸した。そこからが最悪だった。辛かった…ひたすら辛かった…つーか痛い!!『異常状態無効』さん何やってんすか!!


その後、2時間ほど辛さが抜けなかった…このソースの存在、皆知ってたみたいだし。教えてくれてもよくない!?


余談だが、『異常状態耐性』は食事の時は基本的に利いてないらしい。俺が最初に酒を飲んだ時、酔わなかったのは「悪酔いしちゃだめだ」という無意識がスキルを発動したみたいだ。


ついでにもう一つ余談だ。前回紫のソースを食べた時に言った、エレー聖樹国でかつ丼喰ってやる宣言は達成出来ておりません。あんな状況(4章参照)で、食の好奇心に突っ走れるかってーの。今回の出来事で旧トリスタン邸に転移可能になったから材料はいつでも買いに行けるようになっている。色々落ち着いたら心行くまま作って喰ってやるんだ…





 事件が落ち着いた夜、リーンがちょっとした爆弾発言をして来た。


「あ、言い忘れてたけど私も『魔人』…発現したわよ」


「なぬ!?」

変な声出たじゃねーか!!…っと、それよりステータスはどうなってんだ?


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名前:アイリーン・アイドル

種族:エルフ

年齢:257歳

職業:元探索者ギルドギルドマスター

探索者-ランクS

犯罪歴:無し

保持者(ホルダー)

・『魔人』

エキスパートスキル

・『人物鑑定』・『アイテムボックス』

マスタースキル

・『算術』・『看破』

・『接客』・『鞭術』

・『剣術』

レアスキル

・『錬金術Lv.9』・『魔物鑑定Lv.9』

・『物品鑑定Lv.9』・『心眼Lv.9』

・『薬剤Lv.9』・『一撃必殺Lv.9』

・『威圧Lv.7』・『マップLv.9』

・『罠使いLv.8』・『農業Lv.8(new)』

・『すきと~るLv.7(new)』・『天恵眼Lv.8(new)』

・『隠蔽Lv.9(new)』・『服飾Lv.7(new)』

・『調理Lv.9(new)』・『書士Lv.6(new)』

・『経理Lv.8(new)』・『整体Lv.8(new)』

・『魔力吸収Lv.2(new)』・『魔法破壊Lv.3(new)』

スキル

・『調合Lv.8』・『鎌術Lv.6』

・『農工Lv.5』・『錬成Lv.7』

・『付与Lv.8』・『弓術Lv.8』

・『体術Lv.8』・『奪取Lv.7』

・『魔物知識Lv.9』・『物品知識Lv.9』

・『気配察知Lv.9』・『気配消失Lv.9』

・『異常状態耐性Lv.8』・『投擲Lv.8』

・『指揮Lv.7』・『突撃Lv.6』

・『威嚇Lv.6』・『速読Lv.6』

・『料理Lv.5』・『裁縫Lv.4』

・『測量Lv.6』・『罠術Lv.6』

・『騎乗Lv.5』・『水泳Lv.6』

・『速記Lv.5』・『舞踏Lv.8』

・『美術Lv.6』・『解剖Lv.5』

・『詐術Lv.8』・『性技Lv.5(new)』

・『透過Lv.6(new)』・『歌唱Lv.2(new)』

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 流石ランクS。スキルレベルとスキル数が多い!!これを見ると「ギルドマスターは万能か!!」かと思うね。しかし、『融合』の有用性を教えただけでレアスキルが随分と増えたな。…っと、『魔人』だったな。うん、確かに発現してるな。


「おめでとう、リーン!!」

「おめでとうなのじゃ、リーンよ!!」

「先を越されたか…しかし、めでたい!!おめでとう、リーン!!」

「おめでとうございます、リーンさん!!私も早く発現するように努力しないと…」

『魔人』の発現が確認出来ると全員がリーンを祝福した…若干2名が悔しがっていたけどな。



その後のドミニクを除いた夜の営みは、頑張ったご褒美と今までの禁欲でリーンがハジけた。他の2人がダウンしたあとも、リーンは主導権を握ったまま俺を離してくれなかった。スキルを超えた人間の力を体験出来た気がするよ…ハハはぁ~…





次の日の朝…

ゲッソリした俺とは対照に、リーンはつやつやしたいい笑顔を浮かべていた。

お金

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トールの所持金

・預金:515万5000モル

・所持金:5万モル


リーンの所持金

・預金:約5000万モル

・所持金:50万モル


支出

・宿代:6万3000モル

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