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すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第4章 死闘の果て
132/329

#10 トップがアレか…

明けましたおめでとうございます。

今後とも宜しくお願い致します。


では、続きです。

「「「はいぃぃぃ!?」」」

イヤイヤイヤ、おかしくね!?

何でこんな人に依頼が出来ちゃうの!?

胃が痛くなってきたわ…


何でギルドマスターという役職の人は、出来るけど迷惑な依頼ばかり持ってくるかね・・・


では、時をギルドへ訪れた時間まで戻すとしよう。



・・・



「すみませ~ん。お待たせしました。ギルドマスターの下へご案内致します」

長かった…30分くらい待ったぞ。まあ…


「いえいえ、こちらもお茶を頂いてたので。御馳走様でした」

きちんと対応してくれたから、そこまで不満は無い。


「お粗末様です。では、付いてきてください」

俺たちは魔人の受付嬢…ニノンの後に付いてギルドマスターの執務室に向かった。


余談だが、ちっちゃくてかわいいニノンを初めて見たとき、俺の顔が緩んだらしく…

ティアに脇腹をつねられ、エルザにはおもいっきり拳骨を後頭部に頂いた。

気絶するかと思ったわ!!

…って反論したら、絶対零度の目で見られたわ。


はい!!全面的に俺が悪かったデス!!



さて話を戻そう。


執務室の前まで来たニノンと俺たちは、ニノンのノックで部屋に入室した。


「おー、よう来たな「日月」の諸君。ワイがここキューチドゥのギルマス…マクシム・ラヴィスや。よろしゅうな。あー、言葉が訛ってるやもしれへんが、堪忍な。これでも直そうと努力してんねん」

関西弁?京都弁?よく分からんが、訛りが強くて折角の容姿と名前が若干台無しだ…

ギルマスの容姿だが、赤髪のオールバックで糸目、褐色の肌にニヒルな笑顔、そしてフォーマルなスーツのような服…もう、ホストか!!と叫びたいね。


「は、初めまして。「日月」のリーダーをやってますトールです」

「…セレスティアじゃ」

「・・・はっ、エルザだ」

かろうじて俺が正気を保っているものの、2人はギルマスの雰囲気に呑まれてしまったみたいだ。


「そー緊張せんと、3人ともここ座り」

マクシムさんはそう言うと、ソファーをポンポンと叩き、自分は向かい側に飛び乗るように座った。


「ギルドマスター…威厳のある行動をとは言いませんが、もう少し落ち着いて行動してください」

ニノンが淹れてきたお茶を出しながら、マクシムさんをたしなめた。


「なっはっはっ、堅いこと言いなんな、ニノンちゃん。これがワイや、そう簡単に変えられへんよ」

マクシムさんはカラカラと笑いながら、ニノンさんにそう言った。

それを見たニノンさんはひとつため息を付くと、諦めたように肩を落としてドアの前で一礼し、部屋を退出した。

苦労してるんだな…頑張れニノンちゃん!!


「ため息て…反応薄いな~。お兄さん哀しいわ。トール君もそう思わへん?」


「ハハハ…そ、それよりランクアップの依頼なのですが…」

応えにくい質問するな!!

俺は苦笑いを返しながら、若干苦しい軌道修正を行った。


「ああ、せやったせやった。その件で来とるんやったな」

忘れんなよ!!


「君らにやってもらう依頼はコレや」

マクシムさんはそう言って1枚の依頼書を差し出し、俺はそれを受け取った。


で、3人で依頼書を読んでいたら、最初のリアクションが出たわけだ。


「イヤイヤイヤ、依頼人がギルドマスターなのはいいですよ!?依頼内容が面接なのも、ここでは目をつぶりましょう…」

「じゃが、この面接官…」

「魔王様じゃないか!!」

俺たちは、示し会わせたように連携して依頼書に突っ込んでしまった。


「なっはっはっはっはっ!!良いリアクション頂きました!!いやー、良い反応やな君ら」

ギルドマスターは俺たちの反応を見てパンパンと手を叩き、大笑いし始めた。


「な、なんだ…冗談なのか…」

エルザがマクシムさんの言葉を冗談と捉えたのか、安心した表情で胸を撫で下ろした。

エルザよ…それはフラグだ・・・


「いんや、エルザちゃん、冗談やあらへんよ。そいつはマジもんの依頼や」

マクシムさんはイタズラが成功したようなニヤケ顔でエルザの間違いを訂正してきた。


やっぱりな…


「それで…魔王クロード・ヴァノ・アスラン様が面接官なのは判りましたが、どうしてこうなったのか説明お願いします」

俺は広い心でこの状況を受け入れ、マクシムさんに質問すると共に、2人の背中を叩いて意識を正常に戻してあげた。


「おう、よう聞きや。単刀直入に言うとな、君らに適切な依頼が無かったことが事の始まりや」

そう言ってマクシムさんは経緯を話し始めた。

ティアとエルザはマクシムさんの声を聞き、瞬時に姿勢を正した。

君たちやっと元に戻ったのね…


「君らのランクアップ試験の話を聞いて、色々探したんやが魔国の探索者が優秀なのか、魔国が平和なのか、全ての依頼が消化済かもしくは消化中やったんや。

で、それをクロランに愚痴ったんや」

ん?


「ちょ、ちょっと待った!

クロランって魔王様のことですか?」

あだ名で呼ぶってことは知り合いか?


「そうや。クロラン…クロードはワイの元パーティーメンバーでダチなんや。

で、飲み屋でそのことを愚痴ったんや。したらクロラン奴、「そいつらを魔王で元探索者ランクSの俺が見極めてやろう」って言い出してな…へべれけの状態で。

ワイはコレ幸いと言質をとって、依頼書作ってその場でサインさせたわ。翌日、拳骨もろたがな…

まあ、結局優しいクロランは引き受けてくれたというわけや。持つべきものは親友(ダチ)やな」


「ちょっと待てーい!!

元パーティーメンバーとか、ランクSとか、酔っぱらいがなにやってんだとか色々ツッコミたいが…

コレだけは言わせて…あんたらみたいなお偉いさんがいい加減すぎじゃい!!」


「なっはっはっはっはっ、良いツッコミやトール君!!」

くっ…ニノンちゃんの苦労が判ったよ・・・


「は~もういいです。依頼内容が「魔王様と面接」の一文だけだった意味がよく判りましたよ。

で、報酬や開始日時が書いてないんですがどうなってるんですか、コレ?」


「ああ、それな。面接内容とか色々聞いて、報酬は決めようと思ててん。

で、報酬額は40万モルや。日時は明日の13時がいいってさっきの連絡で決まったわ。馬車をギルド前に寄越すから12時にはギルドに居ってほしいそうや」

さっきの連絡って…俺たちが待ってた時か!!


「日時はいいですが…40万モルって面接にしては高くないですか?面接内容って教えてもらえますか?」


「悪いな~…内容は秘密やねん。ただ、内容に合った報酬額やとワイが判断したとだけ、もう一度言うとこか。まあ、ランクBなら大丈夫な内容やとは言っとくわ」


「判りました。覚悟だけはしておきますよ」


「まあ、そう気張らんとほどほどに頑張りや」


「ギルドマスターはこれ以上俺たちにいい加減な依頼をしないように頑張って下さいね」


「あら…こら一本とられたわ」

俺はギルドマスターに小言を言うと、ギルドマスターは「ナハハ」と笑って流した。

依頼を受けた俺たちはギルドをあとにし、その日は休養のためにのんびりした。



そして、翌10の月22日…

俺たちは馬車で城の門をくぐった。


トールの所持金

・預金:407万モル

・所持金:5万モル


ティアの所持金

・預金:7万モル

・所持金:3万モル


エルザの所持金

・預金:145万モル

・所持金:5万モル


トールの支出

・宿代(2泊):12000モル

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