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すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第4章 死闘の果て
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#8 友好の契りと防壁の盾

聖国編ラストです。

しかし、章はまだまだ続きます。

「これはまた…大変なモノを持ってきましたね」

只今、ランドルフ公爵家でブレーリー侯爵家から失敬してきたモノを手渡すことが出来ました。

メイナードさん困惑してるな…まあ、俺のせいなんだが。


あ、余談だが今回のことで犯罪歴が付くかと心配していたが、特に変化は無かった。多分、誰にも盗みを働く姿を見られなかったからだろうな。これが暗殺等の人殺しだとどうなるか判らんが…試す気は無い。


「トール君…これは何処で?」

そりゃ、出所がどこか疑問に思うわな。


「落とし物です。道端にポンッと置かれていたんですよ。で、メイナードさんの名前が書いてあったので持ってきました」

あの書類には確かにメイナードさんの名前があった。陥れる貴族の筆頭として…ね。


「・・・ハッハッハ!!そうですか、そうですか。

ええ、トール君の言う通り確かに私の名前が書いてありますね。

これは然るべき所に提出した上、このような重要書類を落とした持ち主を罪に問えるよう私が段取りを整えましょう。

トール君たちは結果が出るまでサンクダムに居ますか?」

遠回しに断罪するって言ってますね、この腹黒公爵様は。いやー、普段怒らない人が怒るとやっぱり怖いね。


「いいえ。今日、ここを発つつもりです。このあと、ギルドに昨日迷惑行為を行った強盗を引渡しに行くので、そのあとにでも出発します」

あとは勝手にやってほしい…今回はただ巻き込まれただけなんだから。

いや、今回も…か?クリフの時は、半強制だったからな。

つーか、今回は本当に巻き込まれたのか?何か違和感が…


「そうですか。では…渡したいものがあるので少し待っていて下さい」

そう言うとメイナードさんは急に立ち上がり、俺が言葉を挟む間も無く部屋を出ていった。


5分くらい経った頃、メイナードさんが執事さんと共に戻ってきた。


「お待たせして申し訳ない。これを君たちに…」

メイナードさんの言葉に合わせ、執事さんがトレイに載せた銀色の紋章を差し出してきた。


「これは…?それに何かの紋様が描かれていますが?」

手に取ってみると、紋章の真ん中に騎士の盾、その両側に狼の紋様が描かれているのが判った。


「この聖銀紋章は私の家、ランドルフ家との友好の証だよ。その紋様は私の家の家紋でね、これを見せれば、王城ですら入れる代物です。因みに王家御用達の店で見せれば、割引もしてもらえますね」

素材がミスリルかよ!!とか、最後の情報いる!?と、驚いていたが王城へのフリーパスですか…信用度高過ぎじゃね!?


「あの…」


「君たちはその紋章を渡す程、私が信頼のおける者たちです。是非、それを受け取ってほしい」

断ろうとしたが、それを遮るようにメイナードさんが言葉を重ねてきた。

はー…そこまで言われては断ることも出来ないじゃないですか。


「有り難く頂戴します」

そう言って俺たちはランドルフ公爵家と友好の契りを結び、屋敷をあとにした。



・・・



「また貴方たちですか…たった数日でそれほど命を狙われるとは・・・

余程、運がわるいのでしょうね」

会って第一声がそれですか!?ねぇ、ギルドマスター!!


「酷くないですか?一番最初にこの件に巻き込んだのはギルドマスターでしょうに…」


「あら、流石に判りましたか」

くっ!!この女!!驚いたふりしやがって!!

あの口に手を当てた「これが私の年収!?」ポーズ、ムカつく!!


「貴方たちの戦力や人柄をジャイルズから聴いたとき、使えそうだと思ったわ。実際、このまま行けばブレーリー侯爵は裁かれて終わる所まで来てるんですもの。望んだ結果になって良かったわ」

ジャイルズ…マレノのギルマスか。っていうか、この人性格軽くなってね!?

それに色々ぶっちゃけてるし!!薄々思ってはいたが、俺たちを騙して利用してたのか!?


「性格、そっちが素なんですね。はぁ…というか、もう深夜の襲撃について報告は終わりましたよね。次の国に行きたいのでこれで失礼します」

内心イラついていた俺は、踵を返して早々にギルドから出ていこうとし、ティアたちは戸惑いながらも俺に付いてきていた。しかし、部屋を出る前にギルマスが待ったをかけてきた。


「ちょっと待ちなさい!!巻き込んだのは悪かったと思ってるわ…ごめんなさい。それに、まだ今回の報酬を渡してないじゃない。これ、受け取ってちょうだい」

そう言うと、ギルドマスターは道具袋から1つのカイトシールドを取出し、机に置いた。


「私が持っている最高級の盾よ。魔導具でもあるわ。見たところエルザさんだけが魔導具を持ってないじゃない。是非、役立ててほしいわ」


「これを私に?…トール、どうした?」

エルザが差し出された盾を見ていると、驚いた俺に気付いて声を掛けてきた。

そりゃ、驚くさ。これはとんでもない代物だ。鑑定結果を見たら判る。これは「防壁」だ。


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フォーネートシールド

品質:最高

状態:金剛鉄(アダマンタイト)の魔力伝導率、耐久度共に最高。『地魔法』により、2つの形態を使い分け可能である。

1つ目は『フォートレス』。これは盾に魔力を通し、キーワードを唱えると前方に広範囲の金剛鉄の壁を出現させる。範囲は任意で広さに応じ、魔力消費量も増加する。

2つ目は『ラミネート』。これは盾の表面に金剛鉄の積層型盾を出現させ、衝撃の吸収率を上げる形態である。金剛鉄の積層1枚1枚は薄いので魔力消費量は『フォートレス』より少ない。積層の数は魔力消費量に比例する。

価値:300万モル程度

付与スキル

・『地魔法Lv.8』

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「いいんですか!?こんな凄い盾を頂いて!!」

金剛鉄って言えば魔武器の材料じゃねーか!!オリハルコンやミスリルと同じってことだぞ!!


「おい、驚いてないで私にも判るように説明してくれ」

「エルザだけでなく我にも説明してほしいのじゃ」


「すまない…この盾はな・・・」

俺は2人に盾の効果や価値を説明し、盾の効果的な運用例もいくつか挙げた。

2人はこの盾の価値にようやく気付き、俺と共に再度ギルドマスターに問い掛けた。

すると…


「いーのよ、使わないし。貴重だから持ってただけだもの。報酬額が多すぎると思うかも知れないけど、これから起こる結果を予想すると、それくらいは妥当なのよ」

このように軽い感じで、俺たちが貰うべき報酬の説明をしてくれた。


「ハア…今回仕組んだことについては、これで流します。今後はちゃんと依頼をしてくださいね」


「さあ?どうしようかしらね…フフ」

この女・・・まあ、騙された俺も悪かったのも確かだ。今回の教訓としてお偉方や女の言葉には要注意しておこう。・・・それでも騙されそうだが…な。


そうして、とんでもない報酬を受け取り、遺恨無くギルドをあとにした俺たちは、再度船に乗るべく港町に向かった。


まあ、また船の中じゃ暇になるだろうから、今回のもうひとつの教訓…十全に使用したスキルの効果をきちんと確認しておきますかね。

多分、『透過』の様に役立つスキルがまだあるだろう。




さあ、船に乗ったら次の目的地はカーミュ魔国だ。今度は何をさせられることやら…


どうか…どうか!!普通の依頼でありますように!!


12日から22日まで諸事情により書けない状況になると思います。

今年中にあと2、3回は更新したい…

上の期間中にもし書けたら更新しますので、少々お待ち下さい。

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