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すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第4章 死闘の果て
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#2 漁師トール

ふー、何とか投稿できた。

「貴族に薬草ですか…詳細をお願いします」

と、ギルドマスターに問いかけた。


「はい。まずは採取してくる薬草について説明しましょう。

採取する薬草の名はアルラミシア草と言います。この薬草はベリベリ病という病気の薬の原材料です。

この病…ベリベリ病は身体への倦怠感から始まり、動悸、息切れ、感覚が麻痺するなどの症状が出てきて最悪死に至ります。よって、なるべく早い対応が必要となります。


ここで貴方たちへの依頼に移ります。

このアルラミシア草10株を明日から20日以内…つまり8の月26日までに直接依頼人に納品することが貴方たちへの依頼となります。薬草を採取してきて頂いたら一度ギルドへ寄って頂き、私から貴族の屋敷への地図をお渡しします。その際は受付で私をお呼び下さい。依頼人に関しては現在、詳細を申し上げられませんが、私から話を通すほどの貴族だと思って頂いて結構です。


依頼の達成料と致しましては、期日内に規定数の薬草を納品して50万モル。期日よりも早ければ早いほど料金を上乗せすると依頼人はおっしゃっております。また、2株を追加するごとに達成料を1万モル上乗せするともおっしゃっておりました。


長々と説明をして申し訳ございません。何か不明な点はありましたか?」

追加料金ね・・・


「何を採取して何処に届けるのかは判りました。しかし、薬草を採取する場所が判りません。何処かを教えて下さい。またそこに行くまでの地図等はありますか?」


「すみません。言っていませんでしたね。アルラミシア草は聖都サンクダムより北西方向にあるスプリクトの森にあります」

そう言うとギルドマスターは机から地図を取り出した。


「この地図でいうとここがサンクダム、5日ほど歩いてスプリクトの森の入り口に着き、さらに森を3日ほど北西方向に歩くとフール極地手前にあるこの湖に着きます。この湖がアルラミシア草の群生地になっています」

ギルドマスターは地図を指で指し示しながら、場所の説明をしてくれた。


「うーん…ギルドマスター、この湖周辺は危険な場所なんですか?」


「そうですね。フール極地に存在している魔物が、餌を取りによく訪れているので危険性はあります。フール極地は雪に覆われて満足な食料がありませんからね。さらに寒さ環境に対応する為なのか、よく変異種の目撃例がありますので、その時は危険度がさらに上がります」


「そうですか。だからあれほどの達成料に追加条件があるのですね」

危険だから金を出す…依頼としては妥当かな。


「ええ、それもあるのでしょう…しかし以前はランクCの依頼としてこの依頼を出していたんです。そして、ランクCのパーティーが受けたのですが誰も帰ってこず、依頼は達成されませんでした。それ以来、呪いだのなんだのという噂がたち、気味悪がって誰も受け手が居なくなりました。誰も受けずに緊急性が上がってきたので、依頼人は達成料を上げようと思ったのではないかと思われます」

噂ね~…情報操作だったりして。


「そんな依頼を何故私たちに?不利になるような話もきちんとしてくれるなんて…普通断られるのを嫌がって隠しませんか?」

疑問に思い、少し睨む様にギルドマスターの目を見た。


「ふふ、ここでは誰もが知っている噂です。隠す意味なんてほとんど無いですし、危険であるならば注意をするのは当然でしょう。私は貴方たちを使い潰すことをしたくはありませんから。

そして、貴方たちに依頼したのは緊急性が高くなっていることに加え、ランクがBだからです。ランクBを退けるほどのナニかがあるなら、今度はギルド全体で処理する案件にしないといけないでしょう?」

つまり、ランクCパーティーが消えた原因もついでに調べてくれたら嬉しいな~ってことですか…


「は~判りましたよ。しかし、原因調査はついでです。依頼優先ですから判らなくても文句は無しですよ」


「はい、もちろん!!それではお願いしますね」

ちゃっかりしてるよ…まったく。



・・・



翌7日、予定通りに出発。11日、スプリクトの森の入り口に到着。13日、予定より早く湖に到着した。

あれ?道中何も起こらなかったよ…魔物さえ出てこなかった・・・


ナニコレ…いや、何も騒動が無くて平和だよ。

でもね、ギルドマスターの話を聴いたのに、ここまで何もないとこの先嫌な予感しかしねーよ!

でもまあ着いたので採取始めます。


「さて、湖に着いたがお目当ての薬草は何処だ?」

アルラミシア草出てこいや!!


「お、あったぞ、トール」

「こっちもだ。こう見ると湖の周辺に群生地が何ヵ所かあるな」

別れて湖の周りを散策すると、ティアとエルザがすぐに薬草を発見したみたいだ。


「おお、そりゃ結構。じゃあ、各々10株くらい採取しよう。根を傷つけないように注意しろよ!!」


「わかったのじゃ」

「了解だ」



・・・



その後、30分ぐらい経って俺の分の採取は完了した。


「おーい、終わったか?」


「うむ、こっちはこの1株を採って終わりじゃ…っと、終わったぞ」

「私はすでに終わってる。これはどうすればいい?」


「おう、じゃあ俺の所に・・・

全員、湖に注意!!戦闘態勢に移行しろ!!」

湖に敵が20体くらいか。


俺の号令を聞いた2人は薬草を道具袋に入れて瞬時に武器を構え、湖の方を警戒しながら俺の所に集まってきた。


「来るぞ!!」

突然、水が跳ねた。


俺は首を傾け、その水を避けた。


「この水は危険だ!!エルザは前面へ…盾を強化して防御しろ!!ティアはエルザの後ろへ!!敵を確認できたら攻撃を開始する!!」


「「了解!!」」


さて、敵さんは誰だ?・・・視えた!!


---------------------------------------------------

アーチャーフィッシュ

特徴:全長40cm~50cmの魚の魔物。水中から放たれる水は動物を即死させるほどの威力を持つ。基本的に群れを作る魔物で、群れの場合は脅威度が数に比例して上がる。同時に放たれる水は避けることが困難な為、注意が必要。この魔物は食用として人気があるので狩ろうとする人が多い。しかし、力量の伴わない人が多く殺されているので、別名「マーダーフィッシュ」とも言われている。


レアスキル

・無し

スキル

・『魔力操作Lv.4』・『指揮Lv.3』

・『気配察知Lv.4』・『気配消失Lv.4』

・『水泳Lv.7』

魔法スキル

・『無魔法Lv.4』・『水魔法Lv.5』

---------------------------------------------------


リーダーの脅威度はランクD~Cか?他のやつらは少し弱いくらいだな。

群れた方が強いなら、今の脅威度はランクBの下位とみた。

やれやれ、群れと水中は厄介だ。水中ならね…


「ティア、エルザ!!敵はアーチャーフィッシュだ!!

水中に居られると面倒だから引き揚げる!!注意を引き付けておいてくれ!!」


「引き揚げるじゃと!?」

「道具も無いのにどうやって!?」


「こうやってさ!!」

そう言うと、俺は『飛行』で一気に湖の上空へ行き、氣で投網を作って投げ込んだ。


「大漁じゃー!!」

氣の投網を引き揚げた俺は、地面があるところで投網を解除してアーチャーフィッシュを陸に揚げた。


さあ、あとは蹂躙のお時間です。

俺は2人に水鉄砲への注意を促して1匹1匹首を落とすよう指示を出した。

合計で20匹、おいしく頂きました。


魔物から魔石を剥ぎ取ったあと、2人が…

「久々にトールの非常識さを見たのう…」

「真剣に魔物と対峙するのが馬鹿らしくなるな…」

と、若干失礼なことを言いながら、俺をジト目で見てきた。


失敬な!!危険性が減って喜びなさいよ!!


とは言えない俺は渋い顔をして顔を反らせた。少しは喜んでくれてもいいと思いません?



まあ、魔物は蹂躙の一言で終わったんだが…ランクCが居なくなった原因はコレか?

水から出れない魔物がランクCパーティーを殲滅することが出来るとは思えないな。


・・・うーん、結論は保留だな。


では、薬草も採れたことだし、帰りますか!!


闇属性魔石(小)340個、(大)1個、(特大)1個

水属性魔石(小)4個、(中)31個←+20個

無属性魔石(小)37個←+5個

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