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すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第3章 王国の戦友
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#38 戦友よ……また会う日まで

3章最終話です。

「ハァッ!!」


ビュッ……ボッ……


クリフがツインズを振るい、俺がそれを難なく回避する。


「チィッ……せりゃっ!!」


ギャリッ!……ガキュッ!!


再度振るわれてきた剣を避けつつ、懐に入ってクリフのボディに蹴りを放った。

クリフにはヒットしたが、当たりが軽かったので後ろに跳んで衝撃を逃がしたのだろう。


「さて、そろそろ準備運動は終わったか?本気で来ないと俺には当たらんぞ」

俺は今、クリフと本気で戦っている。経緯は想像出来ると思うが説明しておこう。



・・・



7の月4日

俺たちは出発を明日に控え、お世話になった王様たちへ挨拶に行こうという話になった。

そういうことで今、私的に王様たちと会談中だ。


「そうか。明日出発かね。無理矢理預けた私が言うのもなんだが……エルザをよろしく頼むよ」

王様がそう言うと、王様に加え、王妃様たちも俺に頭を下げてきた。


「はい。ですが、エルザは守られることを良しとはしない性格ですから……」

そう言って俺はチラッっとエルザを見た。


「ハハハッ、確かにそうかもしれんな。エルザよ、頼るべき時には仲間を頼るんだぞ。1人で出来ることなど少ないのだから」

俺の冗談で王様は笑ったが、すぐに親の顔になり、エルザに忠告した。


「判っております!!忠告は素直に受け取りますが、トールも父上も私をからかうのは止めてください!」

嬉しいが迷惑を被ったエルザは、表情がコロコロ変わり、終いには恥ずかしくなったのかプイッっと横を向いた。


そのあとも他愛ない話を続けながら、最後に会食をするという話になった。

ここで、王様たちは職務があるとのことで俺たちは待つことになったんだが……


「トール、一戦手合わせをしてほしい。お前の全ての力を使って・・・」

クリフが試合を申し込んできた。


「本気で……ということか?」


「いや、全ての力を使って本気で……だ」

ハァ……隠していたんだがな・・・

やっぱ、『転移』とか目の前で使ったのが不味かったか?


「分かった。俺の全力を使い本気で相手をしよう」

俺が隠していたことを責めず、ただ全力を見たいと言ってきたクリフ……やっぱ、イイ奴だよお前は。



・・・



まあ、こんな経緯があったわけだ。


「ああ、そうだろうな……そんじゃ一気にいくぜ!!」

クリフは身体強化や武器に魔力を通し、一気に突っ込んできた。


間合いに入るとクリフは俺の頭を割るように大剣状態のツインズを振り下ろし、俺はそれを半身をずらして回避する。最初の時のようにツインズを分割するかと思われたが、地に打ち付ける前に無理矢理手首を返してツインズを横薙ぎに振るってきた。


クリフの狙いは足下!!


俺は『飛行』を使い、上空に逃げて大剣を回避し、そのままクリフの顔に蹴りを放つ。クリフはそれを回避……せず、剣から片手を離して蹴りを受け、残った手で剣を振り上げて俺を襲う。俺は慌てずに『飛行』で後方に飛び、間合いをとる。


しかし、逃がす気の無いクリフは瞬時にダッシュし、再度間合いを詰めてきた。俺が迎え撃つ為に構えていると、突然クリフは跳躍し、上空から剣を振り下ろしてきた。威力を高める行動かと考えていた時、クリフの落下軌道が突然変化した。


「なっ!!」

「ハァッ!!」


クリフは俺の右側に降り立ち、横薙ぎに剣を振るってきた。それに対し、俺は『並列思考』で『威圧』を十全に使ってクリフの動きを鈍らせ、『思考加速』で『ウィンドボール』を5つ発動してクリフを吹き飛ばした。


「・・・ッつ、あれでも届かなかったか……」


「いや、正直危なかったぜ。その足の防具、魔導具か?」


「そうだ。詳細は教えんがな……」

そんな無粋なことはしねーよ……俺だって見せてないんだから。


「さて、お前の本気を見せてもらったんだ。今度はこっちから行くぜ!!」


「やっとかよ……よし来い!!全部防いだ上でお前を倒す!!」

言ってくれるね~。


「どこまで耐えれるかな?『炎無(えんむ)』、『零氷(れいひょう)』」

俺は右に『炎無』、左に『零氷』の『魔纏剣』を発動した。

『炎無』は無色の炎を剣に纏い、超高温で焼き斬る『魔纏剣』、『零氷』は刀身の周囲を絶対零度にして対象を斬ることで凍傷と裂傷を併発させる『魔纏剣』だ。


「さあ、終わらせようか!!」

俺の一声により、俺たちは戦いを再開した。



・・・



「じゃあ、行ってくるから家の方よろしく」

翌5日、俺たちは出発の日を迎えた。


「お気を付けていってらっしゃいませ」

グレタが代表して声を発すると、あとに続き皆も「いってらっしゃいませ」と声をかけてくれた。


「いってきます」

「いってくるのじゃ」

「いってくる」

三様の挨拶をすると俺たちは出発した。


俺は出発前まで馬車が買えなかったことを悔やんでいた。しかし、街並みを見て暫く歩くうちに「時間に追われている訳でもないし、歩くのもいいか」と思い始めた。

そんなのんびりした時間を過ごしているうちに、俺たちは王都の西門に到着した。


手続きを済ませ、門を出たその時、後ろから駆けてくる馬の蹄の音が聞こえた。


「トール!!次こそ絶対に勝つ!!覚悟しておけ!!」

クリフだ。クリフが門を挟んで宣誓してきた。


昨日は『魔纏剣』を使ったあと、俺が一方的に切り刻み、勝利した。

クリフは圧倒的な敗北をしたあと気絶していたので、俺たちと会わずに今日を迎えてしまっていた。


そのクリフがまたヤろうと言ってきたんだ。応えないわけにはいかないな……


「ふんっ……今度も俺が勝つさ!!そっちこそすぐに倒れないように鍛練しとけよ」

俺は若干皮肉めいた言葉をクリフに返した。


「「ふっ……ハハハハ!!」」

一瞬目を交わすと俺たちは互いに大笑いした。


「またな、戦友!!」

クリフが手を挙げ、大声で俺を送り出す。


「ああ!!またな、戦友!!」

俺もそれに応えて手を挙げ、大声で返すと、門に背を向けて歩き出した。


さあ、俺は俺の歩を進めよう!!



一瞬の邂逅が1つの友情を創り出してくれた。

その偶然(きせき)に俺は感謝しよう。


歩む道は違おうとも絆は(ここ)で繋がっている。

いつか交わる道もきっと来るだろう。



その時はまた笑い会おうぜ……戦友(とも)よ!!


このあと閑話を1話入れるつもりではありますが、とりあえず3章終了です。


4章については、まだ3国を回ることしか決めてないので、開始まで1か月ほどかかるかもしれません。


まあ、長い目で見てもらえるとありがたいです。完結まで頑張ります。

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