#37 魔石とは
ゆ○ラララ作ーろーう…
さて、魔石生成の謎を解き明かしますか!!
と言っても大体はパターンが出来てるんだけどね。多分この2パターンだと思う。
魔力を氣で包むか、氣の塊に魔力で包むか。
俺は後者だと思うんだが……まあ、やってみよう。
じゃあ俺の予想の方から……掌に氣で小魔石くらいの塊を作って、魔力で覆うっと・・・
なんか出来たけど…これ魔石じゃねーな。一応視てみるか。
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ませき?
品質:-
状態:魔石のなり損ない。使えず、売れず、消滅する運命。
価値:-
付与スキル
・無し
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完全に失敗作だ……あ、消えた。
くそ!!次にいこう。
じゃあ魔力を氣で包むか。・・・ダメだ。上手く纏まらずに霧散する……これも失敗か。
えーと、最初にやった方が可能性があるな。どう工夫するか……魔物には何で魔石があるかを考えてみるか。
魔力は細胞内にあるから全身に魔力があると言っていい。氣は体内……人だと丹田付近に氣のタンクがある感じだ。
ということは、氣が魔力に包まれてる……ってこれじゃさっきと変わらんな。あとは……肉体か?
でも肉体だとアンデットのスケルトンは無くても魔石があるから、多分違う。
となると更に外側のになるんだが・・・
そうか!!大気圧だ!!
宇宙では宇宙服を着ていないと、身体の内圧で弾け飛ぶと聞いたことがある。
最後の材料は圧力に違いない。
さて、判ったのはいいが圧力をどうやって掛けるかだが……身近にあったもので圧力を掛けるっていったら圧力鍋しか思い付かねーな。
確か圧力鍋の圧力を上げる原理は、水の蒸気を鍋を密封して閉じ込め、中の体積を増やして内圧を上げる感じだったはず。
であるなら、密封空間を『時空間魔法』で作り、中を魔力で満たして、その中に氣の塊を入れる。そして密封空間をどんどん小さくして圧力を掛けるようにしてみればいいかな?
では、早速実験をするか。魔法名はまんま『圧力空間』でいいか。氣の塊を作って、魔法を発動。
圧力を掛けていくと・・・
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魔石に成りきれなかったモノ
品質:-
状態:魔石(小)に成るまでにより多くの氣が必要。時間が経つと消える。
価値:-
付与スキル
・無し
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氣が足りない!?じゃあもっと大きめでバスケットボールくらいならどうだ!!
・・・これでもダメだ。
その2倍なら・・・ダメか。
なら更に2倍の4倍だ!!・・・これでもダメか……
・・・
数分後
・・・フフフ……出来たーーーー!!!!
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魔石(小)
品質:最高
状態:魔力の減衰やキズ等が無い最良の状態。
価値:100モル程度
付与スキル
・『無魔法Lv.1』
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いやー大きさにして直径約2m……今日だけでほとんどの氣を使ったよ。
小さな魔石を作るのに、こんなに労力を使うとは思わんかった。
今度からは疲れてない時に1日1個のペースで作ろう。
魔石を得る効率は自作より狩りの方が断然にいいね。
だが、まあ出来てしまったし、人に言えないことがまた増えたな。
ああ、恋人ズには驚かれ……いや、呆れられるかな?
うん、後悔はしない!!
さーて、疲れたしそろそろ寝るか……
・・・
7の月3日、朝
「チーム「日月」の家族会議~!!ドンドン、パフパフ!!」
「トールよ……何をやっておるのじゃ」
「トール、そのテンションは若干気味が悪いぞ」
「家族会議なのに私は何でここに居なきゃいけないんですか?」
順にティア、エルザ、グレタの発言だが、前2人は反応が素っ気ないよ。悲しいわ~……
「グレタはこの家の管理者兼奴隷たちのまとめ役として聴いておいて。家に住んでるんだから家族みたいなもんだろう?
さて、素っ気ない2人は無視して話を進めます。議題は世界一周のランクアップ試験についてです」
ジト目の2人はため息をつきつつも、姿勢を正して聴く体勢を作ってくれた。
「俺たちはマレノ王国を除く全ての国に行き、首都でギルドマスターの依頼を受ける必要があります。で、相談なんだがどっち回りで行く?
聖国から魔国、聖樹国を通って獣王国へ行き、マレノ王国へ戻って来るか、若しくはその逆。
そして、ここから近いのは聖国だな」
「うーむ……我は聖国じゃな。近いから」
「私もティアに同意する。ヒューマン主義が多い為、あまり行きたくない国ではあるがな」
あー、それがあったか。関わり……おっとフラグは建てないでおこう。
「やっぱり俺と同じか。じゃあ聖国から順に回ろう。交通手段は王都の西にある港町から船でノーチス周運河を通ったらいいとクリフに聴いたのでその方法で行こうと思う」
ノーチス周運河は魔の森を円形に囲むように流れている川らしい。この運河は全ての国と接している為、各都への最速の交通交易手段なんだと。川の流れは右回りで俺たちの経路は左回りだから、流れに逆らう形で進むことになる。スピードが遅くなるから魔物や川賊には注意が必要らしい。
「了解じゃ」
「判った。準備はどうすればいい?」
「今日の昼から買いに行こう。そんなに買うものは無いだろうがな。他に質問あるか?
・・・無いようだな。では、次だ。屋敷の管理について…ここからはグレタも参加しろよ」
俺は今まで居心地の悪そうにしていたグレタに声をかけた。
「はい!!」
俺の注意に気付いたのか、グレタは姿勢を正した。
「まずグレタは他の人たちと連携していつも通り屋敷の管理をしてくれ。生活費はとりあえず50万モルあればいいか?」
「50万モル!?そんなに要るとは思えませんが……」
50万モルという大金に驚いてグレタが椅子をガタガタと鳴らした。
「いつ戻れるか分からないからとりあえずね…まあ、定期的には戻ってくるつもりだけどね」
「うーん……判りました。しかし、ご主人様は奴隷に対して気を使いすぎです。こんなに衣食住が整っている奴隷なんていないと思いますよ」
「まあ、それは俺の特性とでも思っておいてくれ。
あとグレタたちには言っていないが俺は転移魔法でいつでもここに戻ってこれる。出現位置は工房にしておくから俺たちが居ても驚かないように。なお転移魔法については秘密だから誰にも話すなよ……命令だ。他の人たちにも伝えておいてくれ」
「え?……え!?」
グレタはビックリし過ぎて、目線が右往左往している。
「グレタ、判ったか?」
「は、はい!!判りました!!誰にも話しません!!」
あとから聴いたら転移魔法は伝説上の話だったらしい。そりゃ驚くわ……
「議題は以上だが、質問は?
・・・無いみたいだな。それでは会議終了!!」
若干グダったが会議は終了し、俺たちは旅の準備を始めた。
出発まであと少し……
そろそろ3章の終わり見えてきた。
…が、4章のストーリーが見えてこない・・・
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トールの所持金
・預金:183万モル
・トールの所持金:5万モル
※計188万モル
・奴隷の生活費:50万モル、準備:2万6500モル
闇属性魔石(小)340個、(大)1個、(特大)1個
大4つで工房に結界(『秘密の部屋』)設置
無属性魔石(小)1個
 




