表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第3章 王国の戦友
117/329

#34 Peace of Mind

帰ると待ってくれている人がいると嬉しいですよね。

1日ぶりの奴隷商もといテリーサさんです。


「こんにちはテリーサ店長。今回(・・)はちゃんと買いに来ました」


「ええ、ありがとうございます。今回はあの様な不様な格好は見せませんよ」

あの時と違って自信がある顔だ。よかったよ立ち直ってくれて。


「よろしくお願いします。今日は屋敷を頂いたので管理を出来る人や門番等を探しに来ました」


「それはそれは、おめでとうございます。では、どのような奴隷が欲しいのかをお教え下さい」

テリーサさんにこちらの要望を伝えると、テリーサさんは「お待ち下さい」と俺たちに言い席を外した。


10分くらい経っただろうか…テリーサさんが10人の男女を引き連れて戻ってきた。


「お待たせしてすみません。条件に合う奴隷はこちらの10名です。

まずは執事としてヒューマンのグレタを紹介させて頂きます。現在当店には男性の候補は居ませんので女性のみの紹介となります。文官並の能力を持った奴隷は少ない為、今回は1人しか用意できませんでした」

グレタはショートの黒髪に女性としては170cmくらいの長身で、目がつり目になっていて凛とした印象を受ける。能力はカードを見せてもらえるのかな?


「彼女のステータスは見れますか?」


「ええ、構いませんよ。能力を見ずに奴隷を買う人は稀ですから。こちらがカードになります」

そういうとテリーサさんはグレタの市民カードを渡してきた。


詳細なステータスは割愛するが、グレタは年齢が28歳でレアスキルの『人物鑑定』、『書士』、『経理』を所持している。もう少しで『物品鑑定』も発現しそうだ。奴隷としてはかなり優秀な部類になるだろう。しかも、『体術Lv.5』も持っているから護衛としても使えそうだ。まあ、俺には必要ないが…


「買う買わないはあとで決めてもらうとして、次にメイドを紹介させて頂きます。

候補は全てヒューマンの女性です。トール様から見て右からケイティ、ラナ、メラニーとなっております。今回は当店でも若く有能な人材を持ってきましたので、この3人誰を選んでも問題ありません。そして、これが3人のカードになります」

テリーサさんの凄い自信から紹介された3人を見た。

ケイティは水色のロングヘアーでウェーブが少し効いている。背は155cmくらい、左目に涙ぼくろがあるので若干の妖艶さが見てとれる。

ラナはピンク色のショートボブで、背はケイティと同じくらい。表情が柔らかい為、優しそうな雰囲気がある。

メラニーは茶髪で後ろにポニーテールを結っている。背は145cmくらいで、顔が強張って緊張が見てとれるが、悪い人には見えない。

その3人のステータスを見ると年齢はケイティが20歳で、18歳のラナ、17歳のメラニーと続いている。スキルは3人とも『接客』と『料理』がLv.5なので優劣がつけ難いのが選定の難点ではある。


「次は庭師です。これは男性2人となります。

トール様から見て右からエルフのランディー、ヒューマンのミックです。力仕事を任せるならミック、植物を上手く育てたいならランディーがおすすめです。こちらがカードとなります」

ふむふむ…

ランディーは俺と同じくらいの背で、茶髪のツンツン髪。肌が若干焼けているせいであまりエルフに見え難い。ステータスを見ると、年齢は221歳、スキルは『調合』と『農工』、地水無の魔法が育っているので武術スキルを身に付ければレアスキル『農業』が発現するだろう。

ミックはアメフト選手のような身体をしており、スキンヘッド…ちょいコワイ。背が190cmくらいあって俺が見上げなきゃいけない。年齢は34歳でスキルは『農工』が確かに育っているが、『斧術』や『鎌術』等の武術系が突出しているので何故庭師として紹介されたかが不思議だ。


「最後に門番です。こちらも男性で候補は4人です。

こちらから馬獣人のディーター、牛獣人のトビアス、ヒューマンのヘイデンとケネスです。で、これが彼らのカードです」

ディーターは面長で2m近くの長身、主要武器は槍か。年齢が36歳で落ち目に見えるが、『槍術Lv.7』と手練れで『一撃必殺』も所持している。

トビアスはさっきのミックよりも筋肉隆々で身長も180cmくらいある。年齢は30歳で『斧術Lv.6』とレアスキル『威圧』を所持している。まだ前線で戦えそうだが何故門番なんだ?

ヘイデンとケネスだが突出して特徴が無い。武術スキルのレベルや『気配察知』など門番として問題は無さそうだが、なんというか覇気が無い。やる気が見えないのはマイナスポイントだろう。


「以上で奴隷の紹介は終わります。どうでしょうか、お気に召す奴隷は居ましたか?」


「すみません、仲間と相談する時間を下さい」

当たりは付けたがティアとエルザの意見も聞いておかないと、あとで何か言われたら困る。


「それでは私共は退出しますので終わりましたら私をお呼び下さい」

俺が「はい」と返事するとテリーサさんと奴隷は部屋を出ていった。


早速、俺の意見を言うとティアとエルザもほぼ同じ意見だった。ただ、メイドは色々な補助をさせる為に2人ではなく、3人とも買おうとエルザが言ったのでその意見を採用した。


意外にも早く意見がまとまったので、テリーサさんを呼び戻し、購入希望の奴隷を伝えた。

そうするとテリーサさんはまた部屋を退出し、希望の奴隷を連れて戻ってきた。


「お待たせ致しました。グレタ、ケイティ、ラナ、メラニー、ランディー、ディーター、トビアスの計7名をお買い上げでよろしいでしょうか?」


「はい」

執事とメイドは自動的に決まり、庭師は力よりも技術ということでランディー、門番は意欲無し2人を排除して獣人の2人となった。


「それではお値段ですが、陛下のご紹介とまとめてのご購入ということで合計400万でどうでしょうか?」


「えーと…どうかな2人とも?」

良いか悪いか分からん!


「かなり良心的な値段じゃと思うぞ」

「父上の名を出したのだ。そこまでして不敬なことはしないだろう」

一時期奴隷だったティアが言うのだからかなり値引きしてくれたんだろう。しかも、エルザが言っている内容はもっともなので、問題無しと判断しよう。


「はい。買います」

そう言って俺はテリーサさんにお金を払い、契約を終わらせると店をあとにした。

俺たちが店を出る前にテリーサさんの顔を見たが、安堵したような顔をしていたので凄く贔屓してくれたんだろう。


あざーす!!



・・・



奴隷商を出たあとは服や家具、日用品、食材、門番の装備、剪定用具などを買いに行き、屋敷へと戻ってきた。

今日だけで530万モルも金が消えた…買い物で130万モル使ったのは誤算だった。一番金がかかったのは俺のキングサイズベッドで50万モル…俺はシングル、大きくてもダブルでいいと言ったんだよ!!

けど、ティアとエルザが先を見越して大きいのを買っておけと推してきたので、根負けしてキングサイズになりました…

ハァ・・・


結果、屋敷の2階で一番大きな部屋が俺の寝室になった。仕方ないよ…ベッドのせいだもん。


ティアたちは各々で自分の部屋を決めたが、奴隷たちに1部屋づつ与えようとしたら拒否された。何でも贅沢過ぎるんだと…そんなもんかな?

空き部屋がある方が勿体無いと思うんだが。


まあ、気が休まらないと言うので、グレタとケイティ、ラナとメラニー、ディーターとトビアスを2人1部屋にして、ランディーの1人部屋に奴隷たちの共有棚を置くことにした。これでもめちゃくちゃお礼を言われたけどね。普通は男女別れて2部屋で雑魚寝らしい…働いてもらうのに疲れが残るような待遇は駄目だよね。


で、こんなやり取りが風呂の使用や食事の待遇など色々な所で勃発した。あまりにも意見がまとまらないので、俺たちを優先してもいいが、みんな俺たちと同じように風呂などを使って生活することを最終的に受け入れさせた。待遇が良すぎて、お礼に留まらず、泣き出す人も居て困ったわ~。


とりあえず、屋敷の稼働は出来た。

もう奴隷の一気買いはやらねー!!

本気で疲れたわ…


その後、俺たちが宿を引き払い帰ってくると門でディーターとトビアスに、屋敷に入るまでの間でランディーに、屋敷の玄関でグレタ、ケイティ、ラナ、メラニーに「おかえりなさいませ」と出迎えられた。



ああ…やっぱり嬉しいもんだな。帰ってくる場所あるということは・・・



この日俺は安らげる場所を手に入れることが出来た。


次回、やっと鍛冶屋です。


----------------------------------------------------

トールの所持金

・預金:346万1500モル

・トールの所持金:5万モル

※計351万1500モル


・宿3泊分返金:2万7000モル

・奴隷7名:400万モル、

 家具(ベッド、テーブルetc.)・服etc.:129万6100モル

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ