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すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第3章 王国の戦友
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#32 真意の有無は?

王女様の受け入れを保留中

「さて、まずは今後の話をしようか」

俺はティアとエルザ王女に目をやり、話始めた。


「今後…というと旅のことか?」

エルザ王女がこう発言したが…


「違います。まずは貴女のことです」

見当違い過ぎる発言はやめて欲しい。


「私?」


「そうです。貴女の真意は先ほど聴いて理解出来ましたし、嬉しかったですよ。

しかし、方法が…正直に言ってやり過ぎです。陛下と王妃が何を考えてエルザ王女を私に与えるのか…その真意を問いたださないといけません」


「それは私のことを考えて…」


「エルザ王女はトールの強さを知っておろう。国を治めるものならその強さの秘密知りたいと思うのではないか?」


「そうティアの言う通りです。こんな若輩者がランクSを討伐出来るんです。何かしら秘密があると勘ぐる人が居てもおかしくはない。確かにエルザ王女のことを考えて王様たちが行動したのは確かでしょう。しかし、裏に真意が有るのか無いのか、それを確認しなければ俺はエルザ王女を受け入れることを考えないといけません。俺たちはクリフを信頼出来ても、王族全てを信じるところまでは至っていません」

心苦しいが…これは俺の…俺たちの安寧に関わるからな・・・


「くっ…」


「エルザ王女殿下もそう言われて悔しいかもしれん。じゃが、自国に有用なモノを欲しがる(やから)が多いのは判っておるじゃろう。国王陛下がそうとは限らぬが、力を得たせいで暴走する輩も最近前例としてあったことじゃし、こちらが気にかけるのも当然だとは思わぬか?」

その前例はリッチになって国を滅ぼそうとしてたしね…誰とは言わんが。


「確かに…父上たちがそんなことを考えてないと私は思うが、人伝(ひとづて)に聞いたところで信用出来るとは私も思わん」


「理解を示してくれてありがとうございます。なので、早急に陛下に会わなければなりません。エルザ王女、陛下との話し合いの場を作っていただくことは出来ますか?」

まあ、お偉いさんだから数日会うことは無理だろうな。


「ああ、ちょうどいい。明日…15日の4つの鐘がなる頃に迎えを寄越すと言伝てを頼まれていてな。内容は恩賞の受け渡しだそうだ」


「出来んのかよ!数日間は予定が空くと思ってたんだが…まあ、早いにこしたことはないか。ティアとエルザ王女は明日何か予定あるかな?」

ツッコミの大声にビックリしていた2人がジト目で俺を見てる…が、無視して質問を投げ掛けた。


「ハァ…我は何もない」

「・・・私も大丈夫だ」

ティアさん最近俺の言動に呆れすぎでは?エルザ王女、これがウチの普通です。


「じゃあ、朝はゆっくりして英気を養って、時間になったらお城へ…という動きに明日はしますか!」

「了解じゃ」

「分かった。ああ、それとさっきから気になっていたが、私に敬語を使う必要は無いぞ。名前もエルザと呼び捨てでいい」


「それは明日次第なので、今日はご勘弁を…」


「そうか・・・」

あー…そんな哀しい顔をされると心が・・・


この日はこのあと何事もなく終わった。

3日連続で盛ることはありませんでしたよ…猿じゃないんだから。

まあ、ベッドを追加して、エルザ王女が一緒の部屋に居るので出来なかっただけだけどね…



・・・



夜が明けて15日、場所は謁見の間。


「さて、陛下。エルザ王女の件どういうことか説明頂けますか?」

『威圧』チョイ増しでお送り致します。


「う、うむ、そこに居るエルザから聞いていると思うが、エルザがトール殿を敬愛しているらしくてな…こちらとしては降嫁しても問題無いので、トール殿が受け入れてくれるのならば連れていってはもらえないだろうか」

王様は冷や汗をかきながらも、現状の説明を行った。


「ええ、それは問題ではないんですよ。何故あんな面倒なことをしたんですか?直接言えばよかったのでは?」

さっきの質問の応えは本心だったな。この質問でアクションが無ければ突っ込んでみるか。


「そ、それはな、ちょっとしたイタズラ心だったのだよ。模擬戦やリッチの件でトール殿にはビックリさせられたからな。どうだったかな?私のイタズラは」

うーん…これも本音か・・・


「では、俺たちを利用するなどの考えは無いと思っていいですね?」

本音を出させるなら切り込むしかないか…


「うむ?ああ、君たちが懸念しているのはその力を軍事利用するのではないかということか?それはないから安心したまえ」

王様は俺の雰囲気を読み取ったのか、真剣な表情で受け答えをしてくれた。


「本当ですね?もしエルザ王女が短期間で強くなったとしても、その秘密は絶対に教えませんよ。それでも…?」

俺も少し真剣味を増した声で、もう一度想いをぶつけた。

周りの人は俺たちの『威圧』で息を飲んでいる状態みたいだ。


「無論そんなこともせんよ。エルザを契約で縛ってもいいがどうする?奴隷ほど従順には出来んが、契約内容次第では相応の制限が出来るぞ」

最初から『読心術』を使ってるが揺るがないなこの人…流石としか言いようがない。


パチパチパチ・・・


「流石ですね陛下。そこまで言われたら信じさせて頂きます。契約も要りませんし、エルザ王女…いや、エルザも受け入れさせて頂きます。まあ、お互いに知らないことが多いのでこれからどうなるかは分かりませんが…

ただし、1つ言わせて頂けるなら、王族以外の方がちょっかいをかけてきたら力ずくで排除しても構いませんね?」

俺は王様の心に拍手を贈ると俺の敗けを認めてエルザを受け入れた。

他の王族も問題は無いし、大丈夫だろう。

『読心術』便利だな…『並列思考』と『思考加速』が無かったら血吐くような情報量だけど・・・


「ハッハッハッ、構わんよ。エルザや君たちにちょっかいをかけるなら潰してしまえ。寧ろその時は私にも言いたまえ、こちらも力を貸そう」

王様も俺が試していたのが判ったのか、ニヤニヤしながら冗談を交えてきた。冗談だよな?


「ええ、その時はお知らせしますよ。しかし、よく雰囲気に呑まれませんでしたね。経験値の差ですか?他の方は全員やられてましたから」


「うむ、確かにそうだろう。しかし、私の願いとしては王子全員は耐えて欲しかったところだがな。

それより、ここまでの駆け引きが出来るトール殿もおかしいと思うぞ。本当にクリフォードと同じ歳かね…」

王様は少し残念そうに3人の王子に目をやった。その3人はばつが悪く、サッと目を反らした…

そのあとの俺への言葉は嫌味ですかねぇ。


「まあ、こっちも状況の種類を理解し、知識を活用しただけですから。それだけでこのような雰囲気になるとは思いもしませんでした。内心はブルブル怯えてましたよ」

日本にはテレビに小説、ゲーム、色々情報元はあるからな…人の妄想って凄いと思うね。

今回はその知識から、余裕があるように見せるように不敵に笑って偽りの姿を見せただけだ。


「経験を知識で補ったのか…なんとまあ、どれだけの情報量があるのか君の頭の中を覗いてみたいよ」

王様は苦笑いをして冗談交じりの言葉を発した。


「それは遠慮したいですね…まあ、雑談程度の話ならしてもいいですが。

・・・っと、私からの話は解決したのでエルザに伝えていた拠点の話に移りませんか?」


「そうだな。お茶の席を楽しみにしておこう。

・・・恩賞の件の前にトール殿、1つ質問がある。先程の『威圧』は本気だったのかね?」

軽い口調だった王様が、一転真剣味のある口調に変化した。


「いえ、本気ではありません。何故そんなことを?」


「君の強さを再確認したかっただけだ。

知っているかね?『威圧』はその人の総合的な強さに比例して威力が変わるのだよ。私はあの時ほぼ全力だったが、君はそれに対抗してみせた…本気を出さずに。

さっきの口調から推測するに半分も力は使っていないのではないかな?そんな相手を裏切る行為は気を付けなければと再確認させてもらったよ。

因みにだが…君が本気を出した場合、私がどうなっていたか分かるかね?推測でも構わん、教えて欲しい」

王様は深いため息を吐きながら、安心したかのような口調で理由を話始めた。


「そうですね…推測になりますが、良くて萎縮、悪くて死ぬと考えられます」

王様の言う通り半分も力を使って無いからな…実際どうなるかは分からんが。


「なっ!?そんなにか!!比べるのが馬鹿らしくなる差だな」

王様は玉座から立ち上がりそうなほど驚き、周りも王様のように声を上げて驚愕していた。


「あくまでも推測ですよ」

信じるも信じないもアナタ次第です。


「いや、あれだけの実績と力を考慮するとあながち間違いでもあるまいよ。

おっと、無駄話が過ぎたようだな。それでは恩賞の件に移ろうか」



ようやくエルザの件が終わった。

次は恩賞…拠点の話だ。


トールの所持金

・預金:874万2600モル

・トールの所持金:5万モル

※計879万2600モル


・14日昼飯3人分(記載なし):2400モル、宿1人追加:3000モル、15日昼食3人分(記載なし):3000モル

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