表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第3章 王国の戦友
112/329

#29 応えは…

自分はパッピーエンドが好きです。

でも、これでよかったのか?と悩む…

「アイリーンさん、正直に言うと俺は貴女の事が好きかと問われると、よく分からないんです。何故なら俺はギルドマスターであるアイリーン・アイドルは知っていますが、一女性としてのアイリーンさんはほとんど知らないからです」


「え…それじゃあ・・・」

アイリーンさんが哀しい顔を、


「トール!!それは・・・」

ティアが若干怒った顔を俺に向けてきた。


「ただ!!俺は素直な気持ちをぶつけてきた貴女に今惹かれています!!貴女の笑顔をもっと見たいと思ってるし、今みたいな哀しい顔は見たくないと思い始めました!!

だから、1つ俺に教えてほしいんです。ほとんど関わり合いにならなかった俺の、何を好きになったんですか?」

俺は2人の言葉を遮るように、想いをぶつけた。


「・・・私は貴方の強さと優しさ、そして一緒にいる時の雰囲気に惹かれたわ」

アイリーンさんは俺への想いを語り始めた。


「最初の出会いはここの資料室だったわね。あの時、貴方との会話はとても楽しかった。久しぶりに素を出せたもの。この時点ではただの気の合う人っていう感じだったわ。

でも、急激に力を付けて強くなった。あとから強さの理由を聞いてズルいとも思ったけど、貴方は私の言葉に耳を傾け、慢心せずに訓練をしていた。だから強くなる方法はあれでも、このまま行けば必ず私を…いえ、誰よりも強くなると思ったの。実際、保持者(ホルダー)になったしね。

そして極め付きは、私の言葉を真摯に受け止めてくれる優しい人だったからよ。貴方は普通と思ってるかも知れないけど、私がギルドマスターだとしても、女の助言を素直に聞いてくれる人は過半数にも満たないでしょうね。よく言われるわ「女のくせに」ってね…陰口だけど。

これが貴方を好きになった理由よ。貴方の知りたいことは分かったかしら?」


「はい、よく分かりました。

・・・ごめんなさい!!アイリーンさん、先程の返事をやり直させてくれませんか?」

俺は頭を下げながらアイリーンさんに問い掛けた。


「え?どういうこと…」

アイリーンさんは俺が急に謝って混乱していた。


「俺は貴女のことが…アイリーンが好きだ。

さっきはアイリーンのことをほとんど知らないと言ったが、アイリーンの想いを聞いて俺が間違っていたことが分かった。アイリーンはギルドマスターとして心配や相手をしていたのではなく、一個人として接してくれていたんだよな。じゃないとあんな想いは出てこない。

俺はさ、最初にアイリーンを見たとき、なんて綺麗な人なんだろうって思ったんだ。そしてそのあとの会話はとても楽しかったし、あれが素だと分かればアイリーンはとても可愛くて面白い人だと思う。

アイリーンが俺の強さに惚れたのなら俺はアイリーンの外見に惚れ、優しさに惚れたのなら心配してくれた優しさに俺も惚れた。そして、一緒にいると俺も楽しかった。

俺もアイリーンと同じ想いを持っていることがアイリーンの言葉で分かったんだ。だから、俺もアイリーンのことが好きだ!!こんな恋に対してヘタレな俺でもよければ付き合って下さい!!」

俺は頭を下げ、手をアイリーンに差し出した。



少しして俺の手が暖かいものに包まれた。



「はい、よろしくお願いします」

アイリーンは一筋の涙を流しながら、両手で俺の手を握っていた。


「ごめん。不安にさせて…」

俺は残った手でアイリーンの涙を拭った。


ゴンッ!


「ってー!!何すんだよ、ティア!!」

突然、ティアに拳骨を落とされた。


「リーン殿を不安にさせた罰じゃ!全く、最初あんなことを言ったときはどうなるかと思ったぞ…」

そう言うティアは呆れた顔をしていた。


「フフフ…ティア、心配してくれてありがとう」


「なに、さっきのはヘタレたトールが悪い。我が怒るのは当たり前じゃ。まあ、収まるところに収まってよかったがのう」


「はー…俺が悪かったよ。ティア、アイリーンさん、これからもよろしくな」

俺は頭をさすりながら2人にこう言うと…


「もちろんじゃ」

「ええ、よろしくね。私のことはさっきみたいにアイリーンもしくはティアみたいにリーンって呼んで」


「では改めて、よろしくなリーン」


「はい!!」

リーンは元気な声で明るい笑顔を俺に返してくれた。



・・・



「えーと、お互いの気持ちを伝えることが出来たのはよかったけど、何故急に来たの?それとやっぱり戻ってくるの早いわよね。どうやって戻ってきたの?」

皆の気持ちが落ち着いてくると、改めてリーンが俺たちが来た理由を尋ねてきた。


「ああ、それはな・・・」

俺はここに来た理由…奴隷を買おうとしていることを話し、どういう方法でここに来たかを種族が変わったことやリッチと戦ったことなどを踏まえて説明した。


「・・・トール、やり過ぎちゃダメって言ったでしょう…」


「はい、ごめんなさい」

俺は素直に深く頭を下げた。


「まあ、この国の王族は悪い人じゃないから繋がりがあっても悪いことにはならないでしょうけど…その他の貴族と他国は気を付けなさいね。これ以上は本当に危ないと思うから…

それと、種族のことは必ず隠すこと…まあ、寿命が伸びて一緒に居れる時間が伸びたことは嬉しい限りなんだけどね」


「それは我も同意するのじゃ」

2人の笑顔をみてるとハイヒューマンになったことはそれほど悪くなかったなと思うよ。


「で、えーと…奴隷のことだけど、良いと思うわよ。戦力があると安心するしね」


「よかったよ。ここで否定されたらどうしようかと…」


「ただし、私も…その…だ、抱いてよね…」

リーンが頬を染めながらも俺にそう言った。


「あ、っと…はい、よろしくお願いします」

リーンに触発されたのか俺も赤くなってしまった。


「はいはい…それはいいが我らはどうするのじゃ。リーン殿は仕事があるのじゃろう?」

ティアは手をパンパンと叩き、俺たちの甘い空気を正してくれた。


「そ、それなら私の家に居てくれればいいわ。ディナーは外で取りましょう。ちょっと待ってて、地図と鍵を渡すから」

そう言ってリーンは近くにあった紙に地図を書き始めた。


「はいこれ、地図と鍵ね。そんなに遅くならないから待っててよ!」


「分かってるよ。じゃあ、仕事頑張ってね」

俺は地図と鍵を受けとると、労いの言葉を掛けて部屋を退出し、リーンの家に向かった。



・・・



「た、ただいま…」

リーンは自分の家に帰ってくると、おずおずと声をかけた。


「おう、おかえり」

「おかえりなのじゃ」

それに応えて俺たちも返事をした。


「…いいわね、これ…」

リーンがボソッとなにか言ったが声が小さくて聞こえなかった。


「じゃあ、食事に行こうか」


「ええ」

「うむ」


結果だけ言うと、とても美味しかった。

新鮮な野菜のサラダに濃厚なポタージュスープ、ボリュームがある柔らかなステーキ等々…

ギルドマスターのリーンが行っているだけあって高かったが値段に見合う料理の数々だった。



そして、再びリーンの家へ…


「お、お待たせ、上がったわよ」

「待たせて悪いのう、トール」

しっとりとした髪に、ほんのりピンク色の肌…いいですね。

デザインは違うが、どちらも白いネグリジェを着用している。


「男は女を待つものってね」

どっかで聞いたような気がする。忘れたが…


2人はベッドに座っていた俺を挟み座った。

俺の右側がティアで左側がリーンだ。


「あ、あの、よろしくお願いします。初めてだから優しく…ね」

リーンは恥ずかしがりながらも俺に自分の意を伝え、俺の手をキュッと握ってきた。


「うん、頑張るよ」


「我の時のように理性を手離すのではないぞ…せめて最初だけは・・・

我はリーンの要請で補助に徹するからの」

ティアはリーンのことを考えて忠告してきた。


「はい…あの時は申し訳ありませんでした。

えーと、それじゃあ、リーン…キス、しようか」


「う、うん…」

リーンが目を閉じた。俺は唇を近付け…


チュッ


ティアと同じようにキスをした。


そのあとはリーンを押し倒し、愛の営みを行った。優しくは出来たハズだ…多分。

リーンとの営みのあとはティアとも行った。ちょっと激しく…

気付いたら計17回もヤっていた。またも反省・・・後悔は無いがな!!



そして新しい朝を迎えた。


トールの所持金

・預金:875万1000モル

・トールの所持金:5万モル

※計880万1000モル


・ディナー3人分:6万モル


次回は拠点か奴隷商に行けたらいいな~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ