#27 告白
いよいよですね
ディナーを終え、宿屋に戻ってきた。
とりあえずいつも通りお風呂に入って、今はぼーっとしながら休憩中。
「あ、主殿…」
「ん?どした?」
「昼間の続きなんじゃが、今いいかのう?」
そう言いながらティアはベッドに座ってる俺の横に腰掛けた。
「ああ、奴隷商に行くのを明日にした理由だな」
「そうじゃ。我はな、主殿…
主殿の事が…す、好きなのじゃ。主人としてではなく、1人の男として…」
「え?え?え?」
混乱してて何を言っていいのか分からない。
「奴隷商に行く前に関係を持っておきたい…いや、まどろっこしいのは無しじゃ!!
抱いてほしいのじゃ!!我を主殿の女にしてくれ!!」
「待て!!どうしてそういう思考に到った!?
奴隷商に行くことと抱くことの関係性を教えてくれ!」
これが所謂、女と男の考え方の違いというやつか? ティアの考えが分からん。
「それはじゃな、まず奴隷商に行くじゃろ」
「ふむふむ」
「で、主殿は女性の戦闘奴隷を買う」
「いや、待て待て…何故に女性限定?俺が男性を選ぶかもしれないじゃん」
「確かに戦闘に困っているなら男性もあるかもしれないのう。だが、今のところ困ってはおらず、また強い男性の戦闘奴隷は女性に比べてかなり高い。それに主もいかつい男より女の方がいいじゃろ?」
「いやまあ確かにそれだと女性になるかもしれないが…まだ俺が女性の奴隷を選ぶとは限ら・・・」
「それに奴隷は基本性処理もしてくれるのじゃよ…我は説明してなかったが…」
「なん…だと!?…だがそれだと女性奴隷の方が高そうだが?」
「いやそうでもないのじゃ。さっきも言ったが奴隷は基本性処理をしてくれるのじゃ…男女限らずな。
確かに女奴隷の方が高い傾向にはある。しかし探索者の女性でも強い奴は、男奴隷を囲って毎晩ヤっとると聞いたことがあるのじゃ。だから奴隷商は客が男か女かで奴隷の値段を変えておる」
マジか…ラノベだと女奴隷の方が高いイメージがあったが…あれか生存本能というやつか。
「つまり値段と奴隷の強さは比例するのじゃよ。容姿である程度値段の上下があるが、主殿は陛下からの口利きがあるのでそんなに高くはならんじゃろう。
よって、そこそこ強く容姿が良い女奴隷を買うと思ったのじゃ」
「えーと、つまり強い男の戦闘奴隷と多少容姿が良い程々強い女戦闘奴隷が同程度の値段で、女奴隷は性処理をしてくれるという認識で合ってる?」
「そうじゃな」
「確かにそれだと女奴隷を選ぶかもな」
そんなに強い奴隷が居ても今は必要無いしな。それに弱いなら強くすればいいし。
「じゃからな・・・」
ティアは俺の手をキュッと握ると横にいる俺の顔を見た。
「何処の誰とも知らん奴に取られるよりも主殿を好いている我が…と思ったのじゃ」
「あー、ここで性処理の話をしてなかったのが裏目に出たと…」
ティアはコクコクと頭を上下に揺らした。
確かにそれを知ったら抱くかもな・・・
「ティア、あとから言う俺はヘタレだと思うし、男としてカッコ悪いと思うけど…
俺もティアのこと好きだよ。1人の女性としてね」
「え?」
「最初はティアが早くお金を貯めれるように依頼を受け続けて解放してあげようと思ってた。ティアは奴隷をモノと言っていたけれど、やっぱり俺にはそう思えなかった。解放したらそれでパーティーを解散しようと思ってたんだ。
でも俺のことを知っても普通に接してくれて、一緒に過ごして、一緒に笑って、恥ずかしがってる君が可愛くて…だんだん好きって気持ちが増してきたんだ。
だから奴隷から解放したあと、告白しようって思ってたんだ。
でも最初王都に着いた時はティアに解放を拒否されたり、色々騒動があったりでタイミングが悪かった。
で、今日解放したらって思ってたんだけど、先に告白されちゃったよ」
正面を向いていた顔をティアの方に向け、俺は苦笑いした。
「じゃ、じゃあ両想いだったのかのう…」
「そうだよ。でも俺はティアに好かれている自信が無かったんだ。顔立ちは普通で元居た世界では全然モテなかったしね。聞いて良いかな?何故、俺を好きになったかを…」
「・・・最初は普通の男性じゃと思っておった。でも本当は強くて格好良くて優しくて、我を綺麗だと素直に言ってくれたり、意外と寝顔が可愛かったり…うん、いつの間にか惹かれておった。
主殿の元の世界では顔立ちが普通でモテないと言っていたが、我にとっては強くて格好良くて優しくて最高の男性なのじゃ!!」
俺たちは互いに見つめ会うと顔を赤く染め、同時に顔を反らした。
「え、えーと…」
「う、うむ…」
少し時間を空けて、再度見つめ会った俺たちは、互いに引かれるように顔を近付けた。
そして、
チュッ
初めてのキスをした。
最初は啄むように、次第にお互いを求め会うようにキスは激しさを増していった。
どのくらい時間が経っただろうか…
キスでふやけた互いの唇が自然と離れ、見つめ会う。
我慢が出来なくなった俺はティアを激しく抱き寄せ、壊れ物を触るようにティアを押し倒した。
この時、俺の思考は理性と本能の狭間を往き来していたのだろう…行動がおかしかった。
「初めてなのじゃ…優しく…のう…」
ティアがそう呟き、俺はティアに覆い被さった。
この夜、俺とティアは互いを激しく求め会い、愛し合った。
次回も・・・




