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すきと~る -えっ!視えるの?-  作者: 守りの神殿
第3章 王国の戦友
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#21 剣技の進化

トールの強みは想像力だと思います。

左端に居るオーガの前まで着いた俺たちは、早速攻撃を開始した。


来る途中で役割分担はしてある。

ティアにはランクAは荷が重いので、弓や魔法で遠距離攻撃に徹してもらう。

俺は『浄化』を掛けてすぐに近接戦に移行するつもりだ。


俺は『思念発動』で『浄化』を発動した。


しかし、あの纏っている闇のせいか、いまいち効果が無いように感じる。

効いてはいるので所々爛れているが、動きは止まらない。


「ちっ!あまり効いてないな。ティア、牽制攻撃してくれ!!奥の手を出す!!」


「そんなものがあったのか!?奥の手を使わず魔法だけで攻撃すれば倒せるとおもうのじゃが…」


「確かにそれでも倒せるが、時間をかけたくない。他の騎士たちにこいつらは多分荷が重い」

俺の攻撃でも動きが少し鈍くなるくらいだしな。流石ランクSの強化ということか…


「分かったのじゃ。あまり時間を掛けると今度は我が危なくなるから急いでほしいのじゃ」

ティアは『ライトランス』をオーガの両目に放ち、牽制を開始した。


「大丈夫だ。初めてだから時間が欲しいだけだ。すぐに倒す」

そう言うと俺は『思考加速』を最大限に使用し、ある魔法を展開する。



「『魔纏剣(まとうけん)幻浄(げんじょう)』」

意識を集中するため、声に出し、イメージを高める。


『魔纏剣』は『気功術』で剣を強化・保護し、『魔力操作』で刃先に魔法を纏わせる魔力と氣の混合技だ。刀身は任意で変更する事が出来る。


そして、『幻浄』は『光魔法』の『魔纏剣』だ。

『浄化』を纏い、アンデット特効の剣となる。それだけでなく、人や魔物には光の屈折を利用して幻影を出し、対象に虚実の剣を見せて惑わす事が出来る。魔法と氣を纏ってるので当然切断力は上がっている。


この技を小太刀二刀に使う。技が完成するとオーガを速攻で倒す為、自分に『アクセル』、オーガに『スロウ』を使って最速で駆ける。


オーガへの魔法はやはり効果は薄いみたいだ。それに腐ってもランクAの魔物、俺が高速で接近しても俺を認識して斧を降り下ろしてきた。しかし、攻撃は単調。俺は斧を難なく避けると、一瞬で間合いに入り、刀の刀身を延長させた。そして下から上へ刃をXの字に振り抜き、上半身と下半身、両腕を分断した。


オーガはティアの攻撃で片目が潰れていたからか、斧の攻撃以降、俺の攻撃に反応できず切り裂かれた。その後『浄化』に侵食され、武器や魔石を残してオーガは消滅した。


「ふぅ…よし!!効果は抜群だな。あの闇には物理攻撃が効くみたいだ。ティア、次は隣のトロールに行くぞ!!」

俺は一息つくと、魔力消費を抑えるため、全ての魔法を解除した。


「あ…ああ。これ我必要かのう?主殿、我は何をすればよいのじゃ?」

ティアが苦笑いしながら俺に指示を求めた。


「そうだな…一つ飛ばして真ん中に居るオーガの対応をしてくれ。俺がこの剣ですぐにトロールを倒して来るから、俺が来たらまた次へ移動するという方法をとろうか」


「分かったのじゃ。先行して足止めじゃな」


「おし、では行こうか!!」

俺たちは即座に行動を開始し、それぞれの場所に向かった。



・・・



俺が目標のトロールに近付くと、騎士たちに棍棒を降り下ろそうとしていたので、『ボムランス』で持ち手を狙撃した。着弾した魔法は持ち手を破壊し、棍棒は降り下ろされぬまま地面に落ちて最悪の事態は回避出来た。


俺は走りながら『スロウ』をトロールに掛けて『幻浄』と『アクセル』を発動。


そのまま騎士を追い越してトロールに切り込む。


トロールは残った手で拳を振るってきたが、俺はジャンプをして回避し、トロールの拳は地面に突き刺さった。


邪魔な手は即座に伸ばした刀身で切り落とし、そのまま『立体起動』で空中を蹴り、もう一方の刀で首を切断した。


トロールとの戦いは呆気なく終わり、トロール本体は倒れながら『浄化』の効果で消滅していった。


「ここのトロールは片付けた!!怪我をしたものは手当てを受け、無事なものは他の部隊の加勢を頼む!!」

俺はそう言うと、騎士の反応を待たず、ティアの居るオーガの所へ向かう。


オォー!!

トール!トール!!…


後ろからなんか聞こえるが…無視だ無視。



・・・



グォォォォ…


これで4体目!!


あとオーガとトロール1体づつだ。トロールと戦っているクリフはまだ決着がついてないみたいだな。


まあ、あっちよりも騎士の状態がヤバいから、オーガの方を先に倒すか!!


『スロウ』、『アクセル』、『幻浄』


オーガに近付いた俺は魔法を思念で発動し、高速で接近する。


オーガは俺を踏もうと右足を上げたが、俺はそれをスルーして左足に斬撃をはなった。


しかし、オーガはそれを読んでいたかのように、左足のみでジャンプし、俺の攻撃を回避。


跳び上がったオーガは斧を両手で持ち、全体重を乗せて降り下ろす。


斧の速度は常人には速く感じただろうが、魔法を掛けている俺には余裕で回避出来た。


しかし、破壊力は抜群でその攻撃は地を破壊し、振動で騎士たちが立っていられなくなった。


俺は斧を避けたあと、『立体起動』で地震を回避。そのまま隙だらけになったオーガを刀身を伸ばした小太刀で頭から真っ二つにした。


それと同時に二刀の小太刀が砕け散った。


「やっぱり、こうなったか…今までありがとう」

一応事前に鉄の玉に『幻浄』を掛けて試してみたが、すぐ砕け散ったんだよ。


鍛えてある小太刀は耐えれるとは思ったが、徐々に耐久力が減って砕けたんだろう。


俺はここまで一緒に頑張ってきてくれた小太刀に礼を言うと、気持ちを切り替え、先ほどと同様に騎士たちへ指示を出した。


「さて、クリフの方は…苦戦中だな。リッチが動く前に、さっさと片付けるか」

そう言って俺は最後の大物に向かって駆けだした。


次回は一応クリフ視点。トロールとの戦いです。

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